すとぉりあ/storia0123

北海道生まれ、ローマ育ちの歴史好き(特に幕末)。 マンガ『風雲児たち』のおかげで人生が…

すとぉりあ/storia0123

北海道生まれ、ローマ育ちの歴史好き(特に幕末)。 マンガ『風雲児たち』のおかげで人生が豊かになりました。

記事一覧

登山を始めたら山岳信仰が気になり始めました

今年に入って登山を始めました。 自然に囲まれて吸う清涼な空気、時間をかけて登った頂上から見る景色、無事に下山して味わう心地よい疲労感。登山の醍醐味を初心者ながら…

日露友好の地、戸田(へだ)

2013年3月、静岡県沼津市の戸田(へだ)に行きました。日本とロシアの交流史の重要な一ページが刻まれた地であり、日本近代造船発祥の場所でもあります。それにまつわるエ…

ドラマ「わげもん」が面白かったので早くつづきが観たい

NHKドラマ「わげもん〜長崎通詞異聞〜」を面白く観ました。オランダ通詞の周辺をテーマにした江戸時代の長崎が舞台のサスペンス時代劇ドラマ、2018年の長崎旅行で訪ねた場…

司馬遼太郎の小説を読んで、みなもと太郎を思い出す

久しぶりに司馬遼太郎の小説を読みました。昔はよく司馬小説を読んでいたのですが、最近は長編を読む余裕がなかなかありません。 読んだのは『空海の風景』です。感想はさ…

みなもと太郎先生ありがとう、『風雲児たち』ふぉーえばー

8月20日、みなもと太郎先生の訃報は青天の霹靂でした。 兄エースを喪ったワンピースのルフィのように白目をむいてガクガクしてしまいました。 そもそもこのnoteを書き始…

長崎のシーボルトと出島 (DEJIMA AGAIN)

2018年3月の長崎「風雲児たび」(みなもと太郎先生のマンガ『風雲児たち』の登場人物をめぐる旅)、目当ての一つはもちろんシーボルトです。 フィリップ・フランツ・フォ…

長崎の猫と坂と橋

2018年3月に行った長崎旅では、猫の写真をたくさん撮っていました。 長崎の猫は尻尾が曲がっていたり、短かったりするんですよね。尾曲猫は東南アジアに多く見られる種類…

長崎の龍馬

2018年3月長崎に「風雲児たび」(みなもと太郎先生のマンガ『風雲児たち』の登場人物をめぐる旅)をしました。 長崎は幕末の一舞台、とても楽しみにしていました。なんた…

イタリアのTVドラマ「パラディーゾ〜恋するデパート〜」にどハマりしました

この春、CSでやっていた「パラディーゾ〜恋するデパート〜」というイタリアのドラマにどハマりしていました。 イタリア語の番組が見たかったのでなんとなく録画したのがき…

幕末の流れを知るには「おーい!竜馬」がおすすめ

「青天を衝け」を毎週楽しみにしていますが、それはある程度幕末の流れを知っているからもあるので、「ああ、そう描くかあ」と膝を打ったりしながら観ています。 幕末って…

『風雲児たち』の参考書

最近読んだ『江戸から見ると1』(田中優子著)に思わず膝を打つ文章がありました。 江戸時代では天皇と将軍、公家と武家が並び立っていて矛盾もせず、異なる相補的な文化…

鹿児島の尚古集成館で島津斉彬の偉大さを再認識

2019年の鹿児島「風雲児たび」のつづきです。島津家別邸の仙巌園と尚古集成館はとても楽しみにしていました。世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産でもありま…

鹿児島「風雲児たび」で西郷どんになりました

みなもと太郎先生のマンガ「風雲児たち」の登場人物を訪ねる旅「風雲児たび」。歴史好きにとって、幕末の舞台だった鹿児島、高知、山口、京都、長崎は必ず訪れたい場所です…

薩摩義士をご存知ですか?

薩摩義士、私はマンガ「風雲児たち」で知っていました。 2019年3月鹿児島を旅したとき、鶴丸城跡の近くを歩いていると「薩摩義士碑」の文字が目に飛び込んできました。あ…

古文書検定や江戸検にチャレンジし、改めて勉強は楽しいなと

コロナ下生活が始まった一年前の春、少し時間ができたので何かにチャレンジしようと考えをめぐらしていました。そして、以前から江戸時代の手紙や文書に書かれていることを…

「日本初の英語教師」ラナルド・マクドナルド

大河ドラマ「青天を衝け」第三話で思いがけない人物が紹介されてびっくりしました。「日本初の英語教師」ラナルド・マクドナルドです。 彼のことは吉村昭の『海の祭礼』を…

登山を始めたら山岳信仰が気になり始めました

登山を始めたら山岳信仰が気になり始めました

今年に入って登山を始めました。
自然に囲まれて吸う清涼な空気、時間をかけて登った頂上から見る景色、無事に下山して味わう心地よい疲労感。登山の醍醐味を初心者ながら味わっています。
そんな少ない経験ながら気づきました。今まで登った山には、必ず神社やお寺があると。
大山の阿夫利神社、高尾山の薬王院、金時山の公時神社、城ヶ平山の日石寺などなど。

そして最近登った比叡山。延暦寺の名とともに信仰の対象になっ

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日露友好の地、戸田(へだ)

日露友好の地、戸田(へだ)

2013年3月、静岡県沼津市の戸田(へだ)に行きました。日本とロシアの交流史の重要な一ページが刻まれた地であり、日本近代造船発祥の場所でもあります。それにまつわるエピソードが『風雲児たち 幕末編』7巻から9巻にかけて紹介されています。

1853年、アメリカのペリーが黒船で日本に来航したのは有名ですが、同じ年にロシアの使節プチャーチンも来ていました。ロシアもアメリカと同じように日本と通商しようと交

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ドラマ「わげもん」が面白かったので早くつづきが観たい

ドラマ「わげもん」が面白かったので早くつづきが観たい

NHKドラマ「わげもん〜長崎通詞異聞〜」を面白く観ました。オランダ通詞の周辺をテーマにした江戸時代の長崎が舞台のサスペンス時代劇ドラマ、2018年の長崎旅行で訪ねた場所を思い出したました。

たとえば出島や唐人屋敷、そこに潜入した気分を味わえました。出島の中の風景や日常も、こうだったんだろうなと違和感ありませんでした。

ラナルド・マクドナルドが登場しました。吉村昭の『海の祭礼』を読んでマクドナル

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司馬遼太郎の小説を読んで、みなもと太郎を思い出す

司馬遼太郎の小説を読んで、みなもと太郎を思い出す

久しぶりに司馬遼太郎の小説を読みました。昔はよく司馬小説を読んでいたのですが、最近は長編を読む余裕がなかなかありません。

読んだのは『空海の風景』です。感想はさておき。。

漫画家のみなもと太郎先生の未完の大河マンガ『風雲児たち』。そこでの歴史の描き方が司馬遼太郎の「司馬史観」に対して「みなもと史観」と言われることもありました。一人の英雄が明治維新を成し遂げたのではなく、多くの風雲児たちが世の中

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みなもと太郎先生ありがとう、『風雲児たち』ふぉーえばー

みなもと太郎先生ありがとう、『風雲児たち』ふぉーえばー

8月20日、みなもと太郎先生の訃報は青天の霹靂でした。

兄エースを喪ったワンピースのルフィのように白目をむいてガクガクしてしまいました。

そもそもこのnoteを書き始めたのも、インスタグラムを始めたのも、すべて病気療養中だったみなもと太郎先生がお元気になられ、『風雲児たち』の連載が再開されることを願ってのことでした。

https://www.instagram.com/storia0123/

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長崎のシーボルトと出島 (DEJIMA AGAIN)

長崎のシーボルトと出島 (DEJIMA AGAIN)

2018年3月の長崎「風雲児たび」(みなもと太郎先生のマンガ『風雲児たち』の登場人物をめぐる旅)、目当ての一つはもちろんシーボルトです。

フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796〜1866)はドイツの医師、博物学者。日本を研究したがためにドイツ人なのにオランダ人のふりして日本に渡り、妻となる女性お滝さんを心から愛してアジサイに「オタクサ」という学名をつけ、シーボルト事件で国外追放になっ

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長崎の猫と坂と橋

長崎の猫と坂と橋

2018年3月に行った長崎旅では、猫の写真をたくさん撮っていました。

長崎の猫は尻尾が曲がっていたり、短かったりするんですよね。尾曲猫は東南アジアに多く見られる種類で、江戸時代に日本に渡ってきたそう。積荷や船体をかじってしまうネズミの駆除のために阿蘭陀(おらんだ)船で飼っていた猫が、そのまま長崎に居着いたんだとか。

関東住まいの私には、高低差があり遠くに山や海が見える景色はとても新鮮です。坂が

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長崎の龍馬

長崎の龍馬

2018年3月長崎に「風雲児たび」(みなもと太郎先生のマンガ『風雲児たち』の登場人物をめぐる旅)をしました。

長崎は幕末の一舞台、とても楽しみにしていました。なんたって龍馬が活躍した町。しかし調べてみるとたった三年しか長崎にはいなかったんですね。それでも龍馬の息吹は感じられました。

龍馬と取引していた貿易商人トーマス・グラバーの旧住宅。

龍馬も隠れていたであろう隠し部屋が。

龍馬や海援隊を

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イタリアのTVドラマ「パラディーゾ〜恋するデパート〜」にどハマりしました

イタリアのTVドラマ「パラディーゾ〜恋するデパート〜」にどハマりしました

この春、CSでやっていた「パラディーゾ〜恋するデパート〜」というイタリアのドラマにどハマりしていました。

イタリア語の番組が見たかったのでなんとなく録画したのがきっかけです。見る前は女性向けの甘ったるいメロドラマなんだろうなと思っていたのですが、そうではありませんでした。実に骨太だったのです。

イタリアでの放送は2015年スタート、RAIつまりイタリア公共放送局のゴールデンタイムでした。NHK

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幕末の流れを知るには「おーい!竜馬」がおすすめ

幕末の流れを知るには「おーい!竜馬」がおすすめ

「青天を衝け」を毎週楽しみにしていますが、それはある程度幕末の流れを知っているからもあるので、「ああ、そう描くかあ」と膝を打ったりしながら観ています。

幕末って尊王攘夷、公武合体、佐幕派、勤皇、親藩、外様、薩摩、長州、朝廷・・・いろんな立場があるので理解するのが難しいですよね。

そんな複雑な背景を知るのにおすすめなのが「おーい!竜馬」です。

1986年〜1996年連載、武田鉄矢原作、小山ゆう

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『風雲児たち』の参考書

『風雲児たち』の参考書

最近読んだ『江戸から見ると1』(田中優子著)に思わず膝を打つ文章がありました。

江戸時代では天皇と将軍、公家と武家が並び立っていて矛盾もせず、異なる相補的な文化を保存し使いこなしていた。何らかの利益に誘導するために仕掛けたデュアルスタンダードではなく、古代から漢字と仮名を共存させてきたように、この風土に暮らす人々が生きる方法としてあったのだ。(中略)歴史についても語り合っている。その基本は「編集

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鹿児島の尚古集成館で島津斉彬の偉大さを再認識

鹿児島の尚古集成館で島津斉彬の偉大さを再認識

2019年の鹿児島「風雲児たび」のつづきです。島津家別邸の仙巌園と尚古集成館はとても楽しみにしていました。世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産でもあります。

薩摩といえば西郷隆盛ですが、彼を育てたのは第11代藩主の島津斉彬(なりあきら)です。大河ドラマ「西郷どん」で渡辺謙が演じた斉彬は威厳があり、イメージにぴったり合っていましたね。

斉彬は、蘭癖大名と呼ばれていた曽祖父重豪(しげひ

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鹿児島「風雲児たび」で西郷どんになりました

鹿児島「風雲児たび」で西郷どんになりました

みなもと太郎先生のマンガ「風雲児たち」の登場人物を訪ねる旅「風雲児たび」。歴史好きにとって、幕末の舞台だった鹿児島、高知、山口、京都、長崎は必ず訪れたい場所ですよね。2019年3月、はじめて西郷(せご)どんゆかりの地鹿児島をめぐりました。

上の見出し画像の西郷どんはいずれも「風雲児たち」のシャーペン模写で、左が初出時の先行イメージ、右が青年期の顔です。連載中の現在でもまだ禁門の変前なので、西郷ど

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薩摩義士をご存知ですか?

薩摩義士をご存知ですか?

薩摩義士、私はマンガ「風雲児たち」で知っていました。

2019年3月鹿児島を旅したとき、鶴丸城跡の近くを歩いていると「薩摩義士碑」の文字が目に飛び込んできました。ああ、ここにあったんだ。中央の石を頂点にしたピラミッド型の群像碑でした。

江戸時代中期、徳川幕府が薩摩藩に濃尾三川(揖斐川・長良川・木曽川)の治水工事を命じました。長いこと氾濫で住民を困らせていた川の、流れを変え堤防を作る一大プロジェ

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古文書検定や江戸検にチャレンジし、改めて勉強は楽しいなと

古文書検定や江戸検にチャレンジし、改めて勉強は楽しいなと

コロナ下生活が始まった一年前の春、少し時間ができたので何かにチャレンジしようと考えをめぐらしていました。そして、以前から江戸時代の手紙や文書に書かれていることを読めるようになりたいと思っていたので、くずし字の勉強をはじめました。坂本龍馬や西郷隆盛の直筆の手紙を読めたらかっこよくないですか?

古文書解読検定まず古文書パズルの新書を購入。もちろん本一冊だけですぐにくずし字が読めるようになるわけではあ

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「日本初の英語教師」ラナルド・マクドナルド

「日本初の英語教師」ラナルド・マクドナルド

大河ドラマ「青天を衝け」第三話で思いがけない人物が紹介されてびっくりしました。「日本初の英語教師」ラナルド・マクドナルドです。

彼のことは吉村昭の『海の祭礼』を読み、興味を持ちました。

ラナルド・マクドナルド(1824〜1894)は鎖国中の日本に自分の意思で密入国し、日本人に英語を教えた人物です。

アメリカを「開拓」していたイギリス人の父と、ネイティブ・アメリカンの首長の娘の間に生まれたラナ

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