記事一覧
丸山圭三郎『言葉とは何か』[20221108]
https://www.amazon.co.jp/dp/4480091459/ 本書は言語学研究の第一人者である著者によって書かれた、ソシュールの入門本である。ラング、パロール、ランガージュ、連辞関…
鷲田清一『じぶん・この不思議な存在 』[20220628]
https://www.amazon.co.jp/じぶん・この不思議な存在-講談社現代新書-鷲田-清一/dp/4061493159 問いが生まれるのは自分が異常事態に直面しているときである。生活が順調で…
【書評】『西洋美術史入門』/美術史的鑑賞【基礎教養部】
毎月の最終日が書評記事の締切である。そしてこれを書いている今はその締切日、2月29日の夕方である。先月と先々月は、チームのメンバーに紹介してもらった本を読んだ。今月は私の選書ターンである。選んだのは『西洋美術史入門』。美術史とは何か、そして実際の西洋美術の変遷が平易に解説されている。なんとなく絵画鑑賞には興味がある、だけど何から始めればいいのか分からない、という私にとってピッタリの一冊であった。
丸山圭三郎『言葉とは何か』[20221108]
https://www.amazon.co.jp/dp/4480091459/
本書は言語学研究の第一人者である著者によって書かれた、ソシュールの入門本である。ラング、パロール、ランガージュ、連辞関係、連合関係、シニフィアン、シニフィエ・・・といった、聞いたことはあるけれどよく分かっていないような用語たちが、豊富な例とともに平易に、そして簡潔に説明されている。
話は全く変わる。読書でも運動でも
若松英輔『本を読めなくなった人のための読書論』[20220913]
本を読めなくなった人のための読書論 | 若松 英輔 |本 | 通販 | Amazon
お腹が空いていないときは無理に食べなくていい。食べたいと思えるようになるまでゆっくり待てばいい。
僕はだいたいの本をAmazonで購入する。似たようなジャンルの本を買っているとおすすめに表示される本も似たようなものばかりで、それをまた買うから・・・
このあいだ、人におすすめされた本を買って読むということを(
鷲田清一『じぶん・この不思議な存在 』[20220628]
https://www.amazon.co.jp/じぶん・この不思議な存在-講談社現代新書-鷲田-清一/dp/4061493159
問いが生まれるのは自分が異常事態に直面しているときである。生活が順調で正常に進んでいるならば、そこに問いを見出すことはないだろう。
「自分とは何か」という問いを立てるときは自分が弱っているときである。「自分」というものはまだよく分かっていないけれど、そのよく分かっ
橋爪大三郎『はじめての構造主義』[20220220]
読み終わって気づいたが、1988年に書かれた本だった。確かにフランスでの構造主義最盛期は1950~60年代だし、ポスト構造主義の登場も1970年代であることを考えると、そんなもんか。構造主義は現代思想を語る上でのキーワードであることは間違いないけれども、まあ古い。著者が大学生になった時期、ちょうど1960年代に入った頃に日本では構造主義ブームだったらしい。現代思想が日本に入ってくるときはいつもフラ
もっとみる高橋和巳『アーユルヴェーダの知恵—蘇るインド伝承医学』[20211205]
人間にとっての真の健康を追求するのがアーユルヴェーダである。ここで言う健康の定義とは何か。アーユルヴェーダの古典『スシュルタ・サムヒタ(外科医スシュルタ本集の意)』にはこう書かれている。
①ドーシャのバランスがとれていて、
②健康な食欲をもち、
③ダーツゥが正常にし、
④マラのバ
山鳥重『「わかる」とはどういうことか -認識の脳科学』[20210905]
書評を書くにあたって今回始めて通読した。浪人時代に気になって買って積んでいた本の内の一冊である。Twitterかなんかで予備校の現代文講師がおすすめしていたのを見て、アマゾンで中古で買ったような気がする。
最近はブックレビューや「本を紹介する本」との付き合い方について少し考えている。世界中には一生をかけても読みきれないほどの書物がある。世間で言われているところの「名著」に絞ってみてもその数は膨大