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【採用/組織】パーパス共感度の高い組織を作るには?

こんにちは!
都内の某採用・組織コンサルティング会社勤務の奈良です!

私が資格取得の勉強をしている、最先端のキャリア理論を提唱する「一般社団法人プロティアン・キャリア協会」より「パーパス意識調査」のレポートが先日(2023年8月18日)発表されました。そのレポートの中から、企業の採用・組織づくりにも通じる面白い考察ができると感じたため、本noteを執筆することにしました。

元のレポートはこちらになるので、興味がある方はご覧いただければと思います。
【パーパス意識調査レポート】個人のパーパスが言語化されていると、企業のパーパスへの共感が2倍に、職種別・役職別・企業規模別の傾向が明らかに|一般社団法人プロティアン・キャリア協会のプレスリリース (prtimes.jp)

個人と組織の両方のパーパスが重要

レポート内でも様々な情報がありますが、私が個人的に興味深いと感じたデータがこちらになります。

こちらのデータから分かることは、「自身のパーパス言語化状況と組織パーパスの共感度には相関関係がある」ということです。

分かりやすく表現しなおすと、「自分の存在意義を言語化できている人は、所属する会社の存在意義にも共感している」ということ。

少し前に「パーパス経営」などのワードが話題になっていましたが、表面上でパーパスを謳ってもあまり意味はありません。むしろ、働く社員一人一人が「自分自身のパーパスを言語化している」ということが「パーパス経営」を謳うにしても重要になるということなのです。

では、どうすれば「パーパス共感度の高い組織体を作る」ことができるのでしょうか?

パーパス共感度の高い組織を作るためには?

「パーパス共感度の高い組織体を作る」ための1つの考え方が、「今いる社員のパーパス共感度を高める」というもの。

最近だと「1on1」で個人のありたい姿を考えていく企業も増えています。
もちろんこういった類の取り組みはとても大切ですし、すぐにでも取り入れるに越したことはないと思います。

しかし、中長期的な視点で考えると、最も投資対効果が高い可能性があるのは「採用段階からパーパス共感度の高い人材を採用する」ことなのではないでしょうか?

なぜなら、大前提として「人は辞めるもの」だからです。

「人は辞めるもの」という前提に立つと、「辞めずに長く貢献したいと思ってくれるコミットメントの高い人材を採用する」ことで、永続発展する理想とする組織体に向けた盤石な基盤ができあがります。そのうえで、「長く活躍し続けてもらうための組織づくり」の施策を合わせていくと、効果絶大なのではないでしょうか?

「鶏が先か、卵が先か?」ではないですが、良い人材を採用し続けることをしなければ、長い目で見て「パーパス共感度の高い組織体を作る」ことはかなりハードモードだと思います。

つまり、「パーパス共感度の高い組織体を作る」ためのポイントは「採用段階からパーパス共感度の高い人材を採用する」ということなのだと思います。

パーパス共感度の高い人材をどう採用するか?

では、具体的にどうすれば「パーパス共感度の高い人材を採用する」ことができるのでしょうか?

まずは「中途採用」で考えてみましょう。

中途採用でよく耳にする問題が「入社したけど定着せず、すぐに辞めてしまう」という問題です。

この問題をパーパスの視点から考えると、「パーパスに共感してくれる人材になかなか巡り会えていない」ということにほかなりません。

中途の一般的な転職市場に出てくる人材は、基本的に「ネガティブイベントによる離職」「プライベートのイベントによる離職」「転職によるキャリアアップのための離職」の3つが大半を占めるかと思います。しかし、前提としてそのどれも「パーパスを起点にした転職先の選択」には繋がりづらい構造になっています。

また、中途採用は就職活動期間、および企業側の採用活動の期間も短く、時間をかけて求職者のパーパスを確かめることが難しい採用構造になっています。そのため、個人のパーパスと会社のパーパスの重なりが薄い状態での入社が構造上起こりやすくなってしまうのだと思います。

さらには前職での仕事を通じてある程度固定化した価値観や考え方が埋め込まれいてるケースも少なくありませんし、場合によっては前職のパーパスが基準となり、転職先のパーパスへの共感度を決めてしまう可能性もあります。

ということで、僕個人としてのオススメは断然「新卒採用」になります。

パーパス共感度の高い人材を採用するには、なぜ「新卒採用」なのか?

新卒採用をオススメする理由も挙げればキリがありませんが、今回はパーパスの軸でピックアップしてみます。理由は大きく2つになります。

1つ目が「まっさらな状態でキャリアを選んでいくため、基本的にはパーパスがまだないフラットな状態である」からです。

中には強い原体験からすでに自身のパーパスを明確に言語化している学生もいますが、基本的にはまっさらなキャンバスに絵の具で好きな絵をかけるのと同じように、新卒学生は自分自身のパーパスを描き始めるスタート段階にいる子が大半になります。だからこそ、企業側から様々な情報と環境を提供してあげる中で、学生自身がポジティブな方向で自身のパーパスを明確化していくことができるのです。つまり、色眼鏡をかけずに純粋に自社のパーパスと向き合い、自分と重ね合わせることができるため、この部分は中途採用との大きな違いの1つでもあります。

まっさらなキャンバスにどのようにパーパスを見出していけばいいのか?オススメしている新卒採用の具体的な手法としては代表的な2つをご紹介します。

1つ目は「経営者から直接生き方や価値観のプレゼンを行う」ことで、経営者の原体験やパーパスに触れる機会を提供することです。先人の歩んできた生き様に感化され、自らの生き方を本気で考える機会になるのです。まっさらなキャンバスに、一本の道しるべがうっすらと見えてくるイメージです。基本的に我々人間は「出逢い」を通じて価値観がアップデートされる機会が多くあります。人との出逢いもあれば、書籍などとの出逢いもあるでしょう。いずれにせよ、これまでの価値観に”揺らぎ”を与え、新たな考え方、価値観をインストールすることで自身のパーパスの種が見つかることもあります。採用はまさに学生に対してそのような機会を提供することも兼ねているのです。

2つ目は「面接ではなく面談」を通じた個人パーパスの言語化と組織パーパスとの重なりを見出す機会を提供すること。面接は質問が中心ですが、面談は対話が中心です。パーパスをベースにした本質的な意思決定を学生ができるようにするためにも、学生自身の個人のパーパスを一緒に対話の中で明確化してあげ、それが自社でどのようにかなえていけるのかを面談でイメージしてもらうのです。そのため、中には面談の結果、別の企業のパーパスのほうが目の前の新卒学生が幸せに働けると思えば他社を後押しするケースもありますが、それこそまさに企業都合の利己的な採用ではなく、双方が幸せになるための利他的な採用活動の在り方なのだと思います。

新卒採用をオススメする理由の2つ目は、「中途よりも工数はかかるものの時間をかけて採用が可能」であるからです。

大前提、新卒採用は非常に時間と工数がかかります。しかし、これを工数ととらえる企業は目先の利益や採用数といったKPIを追ってしまっており、本来的な永続発展する企業体にするためのKGIを見逃している可能性があります。

大切なことは、選考の段階で学生を「育てる」発想をもつことです。
言い換えるならば、企業のパーパスを啓蒙し、それらに共感してもらえるための選考ステップを設計していくということ。

具体的には、組織パーパスがすでに確立している企業の場合、「組織パーパスと個人パーパスの重なりを生み出す選考コンテンツ」を導入していくことが有効な施策になります。実際にお客様でも「内定承諾率100%」も実現する企業様もいらっしゃり、入社時の覚悟や想いに格段に違いが生まれるケースも見受けられます。

また、最近では「長期インターン」といった形でジョブとパーパスの両面を時間をかけてマッチングしていく形も一般化してきています。長期インターンのフレームを活用することで、時間をかけて一緒に時を過ごす中で学生にパーパスへ共感してもらうことができ、かつ、実務面での戦闘力も育てながら高めていけるので、入社後教育を前倒しでき、双方にとって最適な形であると言えます。
↓ ちなみに、奈良オススメの長期インターン媒体はコチラ☆ ↓
長期インターン・有給インターン募集サイト | Infraインターン (in-fra.jp)

永続発展する偉大な組織を作るという壮大な未来を創り出すことは一筋縄ではいきませんが、「苦あれば楽あり」という言葉があるように、大変だからこそ価値があるもの、それが新卒採用なのかもしれません。今をときめくGoogleやAmazonといった偉大な企業も新卒採用をしている理由の1つには、やはりこれらの狙いがあるのではないでしょうか。

クロージング

いろいろ書きましたが、結局は「”理想の組織”をどう作るか?」という一点なのだと思います。

理想の組織を考えた際に、「永続発展する組織体を作りたい」「パーパスに共感している割合を高めたい」といった軸を重視するのであれば、新卒採用を導入しながらパーパス起点で効果的な採用手法を取り入れる必要があるはずです。
逆もしかりで、永続発展する組織体やパーパスを重視しない組織を理想に置くのであれば、必ずしも新卒をする必要もないと思います。(その場合、業務委託やアルバイトだけで組織構成をしてもOKだと思います)

大事なことは、目の前のやりかたや手法(HOW)に踊らされることなく、まずは「自分たちにとっての理想の組織は何か?」を思案されることからすべては始まるのだと思います。

ぜひこちらのnoteが、微力でもみなさんの組織をさらに発展されるお役に立てればうれしい限りです。

また、もし組織づくりや新卒採用について気になる方はTwitterで私までお気軽にご相談いただければ幸いです。

一緒にこの世界をさらに素敵なものにしていきましょう♪

最後までお読みいただきありがとうございました!

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