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「英語力向上」に海外経験は必要な理由。

英語学習者の皆さん、突然ですが…

英語力なんて別に日本でも十分伸ばせるのに
なぜ海外を経験する必要なんてあるんだ!?

こんな疑問を抱いたことはありませんか?

実際に大学時代、私の周りにも「留学なんかして何の意味あるの?」とか「俺は日本だけでこれだけ英語力を身に付けたんだ!」みたいな「海外否定派」の先生や学生を少なからず見てきました。

確かに、わざわざ海外なんて行かなくても日本国内で「英語力」を身に付けることは誰でも可能なのは事実です。

しかし、海外経験が無いと「英語だけ人間」になってしまう恐れがあります!

【英語だけ人間の何が問題?】

世界中の人々信頼関係を築き上げるうえで、「英語力」はもちろん重要な要素になりますが、「言語運用能力」だけあれば良いという問題ではなく「他国への関心」「国際情勢の知識」「自国の客観視」「異文化理解」「実践的英語力」「広い視野」などの国際的な教養も最終的には必要とされます。

しかし、「英語力が高いだけ」の人はそれらが欠けている、いわゆる「視野が狭い人」になりがちであるというのが現状です…。

      (※ 外国語学部出身の私の個人的見解です。)

☆本記事では「海外に出たことが無い」英語学習者が陥りがちな事や、必要とされる「経験・知識」の事例をいくつかご紹介します!

【 ⚠️注意⚠️ 】

※ 本記事で言う「海外経験」は旅行、留学、
ワーホリ、インターン、就職
など全て含みます。

※「海外経験がある」=「偉い人間」ではなく、あくまで「あった方がベター」という意味で書いています。海外経験が無くても視野の広い方もたくさんいます。

※ 海外に行っただけで自動的に英語は伸びません。

※ 本記事では、海外 = 主に英語圏を指します。

【 視野に差が付く 】

・日本の常識は世界で通用しない

→海外に出た瞬間、私たちは「外国人」です。 

「日本ならこうなのにー!」など全て日本の常識に当てはめる考え方は一切通用しません。また、異文化やその国の価値観尊重しない人は歓迎されません。「○○人は時間にルーズだ!」とか「年上に対する態度ガー!」も通用しません。

・海外から見た日本の良さ・便利さ

→日本では普通なことが通用しないことを知ることで、改めて「当たり前」とは何かを考えさせられ、日本食の素晴らしさ、気候の良さ、コンビニ・サービスの便利さ、街の清潔さ、時刻表の正確さ治安の良さなど、日本の良さに気付くことができます。

・海外には様々な背景を持った人々がいる。

→日本と違い海外の大学生・労働者は年齢も違えば、国籍・人種・宗教・学ぶ目的なども非常にバラバラで一人一人が色んな背景を持っています。

実際にアメリカ留学中、「1度就職したけどやっぱり大学で学びたい!」という30代男性や、子育てをしながら学ぶママさん学生、「自国の発展のために学びたい!」という外国人学生などを見てきました。

そのような多様な学生と共に学び、過ごしていると、とても刺激を受け「年齢に囚われなくて良いんだ!」「人と違っても良いんだ!」ということに気付かされます。

また、自国が貧しくて仕事も無いので出稼ぎに来て家族に送金しながら働いていると話す同年代の外国人労働者ともカナダ、オーストラリアで出会いショックを受けたこともありました…。 

しかし、海外に行くと現地住民だけでなく世界中の人々と出会うこともあるので、自分の知らなかった「人生設計の形」に触れる貴重な機会にもなります。

・マイノリティという経験。

→海外に出たら私たちは「外国人扱い」です。外国人に優しい人もいれば冷たい人もいます。また、英語力によって態度を変える人もいます。当然、人種差別を受ける可能性だってあります。しかし、それらを経験すると日本いる外国人の気持ちがよくわかるようになります。

※ 日本で外国人と交流するのももちろん良いですが、日本の中にいる限り、周りは日本人日本の常識も通用してしまうので「マイノリティの立場」は体験はできません。

・行動力・自己解決能力が付く。

→海外では周りの景色が全て同じように見えて道に迷うことも珍しくないので、通行人やバスの運転手に道や目的地を恥ずかしがらず自分から聞かなければなりません。「察してよ…」は通じません。

自ら助けてくれる人もいますが、中には見返りにお金を要求してきたり、観光客狙いのスリ集団の場合もあるので長時間キョロキョロとするのは非常に危険という認識が必要です。良くも悪くも日本人はかなり「平和ボケ」しています。

また、どんなトラブル英語で解決する必要があるので、それらを乗り越えることによって英語力+思考力・自己解決能力も身に付きます。

【 実践的な英語力の差 】

・ネイティブでも国によって英語が全然違う。

→イギリス英語🇬🇧、アメリカ英語🇺🇸、カナダ英語🇨🇦、オーストラリア英語🇦🇺、ニュージーランド英語🇳🇿…など同じネイティブ同士でもそれぞれ全く異なる英語を話します。

日本では「アメリカ英語」が中心に学ばれていますが、アメリカ🇺🇸以外の英語圏に行くと、自分が学んできた発音イントネーションでは伝わらなかったり、逆に相手の英語が全く聞き取れなかったり、そもそも使う語彙が違うことも珍しくありません。

・ネイティブにも訛りがある。

→ 英語の本場、イギリス🇬🇧は想像以上に訛りキツく、アメリカ英語🇺🇸を学んできた日本人は割と苦戦します。地域差もありますが「from→フォム」「carrier→カリァ」「unable→ウネェボー」「knew→ヌー」などの聞き慣れない訛りが多く存在します。

オーストラリア🇦🇺では、中年〜シニア世代は「a」を「アィ」と発音します。
today→トゥダァイ」「maybe→マイビー」「mate→マイトゥ」「again→アガイン」「awake→アワイク」になります。

※ 上記の例はほんの一部に過ぎず、国別の訛りはもちろん、地域別の訛りまで存在します!

・非ネイティブの訛りまでは理解できない

→ 英語圏の国に出るとネイティブだけでなく、非ネイティブの移民・外国人も非常に多く、各国の訛り多種多様でネイティブよりも遥かに聞き取るのが困難です。私がなかなか慣れないのはインド訛りの英語で、「th / w / r / l 」の発音がかなり独特です…。

インド英語🇮🇳 
「I think that what government said is unforgettable.」=「アイ  ティンク  ダット  ヴァット  ガヴァルメント  セッド イズ  アンフォルゲッタブル

実は世界にはネイティブよりも非ネイティブの方が圧倒的に多く、それぞれ違った訛りや独自の英語を持つ国まで存在するので、非ネイティブとの交流経験も重要です。

☆非ネイティブの訛りの特徴をまとめた記事 https://note.com/teacherx2020/n/naacb5510a630

・英検・TOEICの英語はキレイ過ぎてスピードも遅い。

→実際に海外に出てネイティブと話すとはっきり言って英検・TOEICの何倍ものスピードで喋ってくるし、正しい文法・語順でクリアな発音で話してくれません。地域別訛りも非常に多様です。外国人に優しい人はゆっくり簡単に話してくれますが、イギリス人・アメリカ人は外国人にも容赦なくめちゃくちゃなスピードで話してくる人が多いです。

・TOEIC900点=海外で通用するとは限らない。 

日本ではやたらとTOEICがゴリ押しされていますが、TOEICは所詮インプット (Reading/Listening)のみの世界的にマイナーなペーパーテストで、スピーキング力は測れません。しかし、ハイスコアを取得して勘違いし、いざ海外に行き撃沈するする人は非常に多いです。

・単語のチョイス問題。

→ 海外で「トイレを借りても良いですか?」と聞く時、「May I borrow the restroom?」と言ったら笑われます。正しくは「May I use〜」です。学校で恐らく「borrow」=「借りる」としか習わなかったですが、綿密には「その場から持っていく意味の借りる」なので「うちのトイレいつまで借りていくんだよ(笑)」となります。

直訳では伝わらない単語・表現は他にもありますが、実際に現地で経験してみないと意外と気付かないものは非常に多いです。

あと、これはアメリカ🇺🇸とイギリス🇬🇧で全く異なる単語チョイスの問題です↓
 
スボン」(米🇺🇸) pants / (英🇬🇧) trousers
※ イギリスでは「pants」=「下着」です。
トイレ」(米🇺🇸) restroom / (英🇬🇧) toilet
※ アメリカでは「toilet」=「便器」です。
1階」(米🇺🇸) 1st floor / (英🇬🇧) ground floor
※ イギリスでは「1st floor」=「2階」です。

アメリカ🇺🇸・イギリス🇬🇧で意味が変わる単語はたくさんありますが、カナダ🇨🇦・オーストラリア🇦🇺・ニュージーランド🇳🇿も含め、その国でしか使われない単語も存在します!

・知らない表現がたくさん出てくる。

→カナダ🇨🇦では付加疑問として語尾に「〜,eh?」を付けます。「最後の単語」と「eh? (エィ)」が繋がって聞こえるので個人的に最初はかなり聞きづらかったです。

友人を表す単語ですが、オーストラリア🇦🇺では「mate」、アメリカ🇺🇸では「 y'all = you all (主に南部)」「dude」「buddy」、アメリカ🇺🇸・カナダ🇨🇦では「guys」などが主に使われます。

他にも、ネイティブ同士でも国によって独特な表現はまだまだ存在します!これに関しても、現地で実際に触れてみないとわからないものです。

【 国際理解力の欠如 】

・人種は違えどやはり同じ人間である

→「○○人って〜だよね」みたいな発言をよく聞きますが、それらの多くは偏見です。

実際に私自身もアメリカ🇺🇸留学当初「アメリカ人はストレートに発言する」的なこと恥ずかしながら信じていましたが、誘いの断り方がストレート過ぎてアメリカ人の友人を傷付けてしまったことがありました…。 

また、学生寮で実は黒人ルームメイトから差別的な嫌がらせを受けたことがあり、その時は黒人の印象が正直最悪でした…。しかしある日、バスで小銭が無く乗れなくて困っていたら後ろに並んでいた大柄な黒人のおじさんが「一緒に払ったから乗りな!」と助けてくれました。その時、「同じ黒人でも差別的な人もいれば、こういう親切な人もいるんだ…」と実感したと同時に「黒人」と一括りに決めつけていたことを反省しました。

国民性や傾向という概念は確かに存在はしますが、実際はアメリカ人でも「本音と建前」を気にする人もいるし、シャイな人もいる。その逆で日本人も1億人全員が同じ性格なんてのは有り得ません。人種が違ってもそれは同じで、最終的には「同じ人間同士」なので「性格も思想も1人1人違って当たり前」という認識が必要です。「無意識の偏見」が消えるのは海外経験の大きな意義です。

・日本の知名度の低さを知らない。

→ 欧米人はあまりアジア興味が無く、日中韓が同じだと思ってる人も意外と多いです。極例ですがアメリカで「日本って中国の一部じゃないの?」という人もいました(笑) 日韓や日中のいがみ合いも海外では全く知られていません。驚くことに、有名なTOY○TAとかも日本の車メーカーと知らない人も。よく日本の外国人観光客インタビューみたいな「日本最高番組」を鵜呑みにして「日本は世界でも人気だ!」と熱く盛り上がり勘違いする人は非常に多いです。

確かに、日本製品や日本食、観光地などは誇るべきもので、外国人観光客もリピーターが出るほど日本は人気ある観光地です。しかし、現実問題としてテレビに出てくる外国人観光客は欧米諸国ではかなり珍しい少数派の方々です。 

※ 決して日本の印象が悪いわけではありません。

日本に友好的な欧米人もいれば、全く興味無い欧米人も多いので、海外に出たら日本のイメージに対するギャップを感じるでしょう。1人でも日本好きの人に出会えたらラッキー程度に思っておきましょう。

・世界情勢を知らない人になる。

→ネイティブの人、あるいは世界中の外国人と交流していると、それぞれの国の事情関係が悪い国の組み合わせなどが見えてきます。例えば、アメリカ🇺🇸とイギリス🇬🇧の関係、イギリス🇬🇧とフランス🇫🇷の関係、マレーシア🇲🇾とインドネシア🇮🇩の関係とか…。

あと、ノルマン・コンクエストを認めたくないイギリス人🇬🇧の前で「イギリス英語🇬🇧ってフランス語🇫🇷と似ているよね〜」なんてうっかり言うとブチ切れられるので気を付けましょう…。

・うっかり差別発言

→ 少し前までは「肌色 = skin color」でしたが、肌の色人種により違い、海外でうっかり言うと人種差別発言にもなるので「cream color」または「beige」と言いましょう。

また、黒人同士で「Hey, nigger!」は良いですが、元々は「黒人差別用語」なので、他の人種がこれを言うと大問題になります…。

他にも海外の事情を知らないと場合によっては「国際問題」にもなります。

・見た目とアイデンティティが違う人もいる。

→ 見た目はアジア人でもアメリカ産まれアメリカ育ちで自分はアメリカ人🇺🇸と認識している人はいくらでもいます。(中国系🇨🇳アメリカ人🇺🇸、ベトナム系🇻🇳アメリカ人🇺🇸など…etc) 「どこの国出身?」とか「○○語なんで話せないの?」とか「ベトナムのこと教えてくれない?」みたいな質問は時に、アイデンティティ否定する差別発言にもなり、無意識に相手を不快にさせてしまいます。彼らは今まで何百回も同じような質問をされています。

日本人のほとんどは、アイデンティティなど意識したことがないと思いますが、日本の「ハーフ問題」も同じで「あなたは何人なの?」とか「英語話せないの?」とか「ハーフとしてどう思う?」みたいな質問も「日本人として」生きる彼らに非常に失礼な行為です。
(※アイデンティティはその人にもよりますが…)

海外を経験すると、多様なアイデンティティに触れることができると同時に、自分のアイデンティティ改めて認識する機会にもなります。

・地域によるアイデンティティ問題。

→ イギリス🇬🇧は英語で「UK」ですが、綿密には「England🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿」「Scotland🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿」「Wales🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿」「Northern Ireland」という4つの国から構成されており、それぞれが違うアイデンティティを持っています。イングランド人なら「English🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿」スコットランド人なら「Scottish🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿」ウェールズ人なら「Welsh🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿」北アイルランド人なら「Northern Irish」という名称があり、「I'm from UK.」ではなく「I'm from Scotland.」とあえて言う人も意外と多いです。それぞれのアイデンティティが強いのもありますが、「UK🇬🇧と一括りにされたくない!」と言う人もいます。

中国🇨🇳でも「台湾人🇹🇼 = Taiwanese」「香港人🇭🇰 = Hong Konger / Hong Kongese」「マカオ人🇲🇴 = Macanese」などの名称があり各々のアイデンティティがあるため「Chinese🇨🇳」と一括りにされると嫌がります…。(※台湾🇹🇼は国とみなされる場合もある。)

日本にいるとアイデンティティなんて深く考えることも無いと思いますが、世界的には彼らのアイデンティティ問題はかなり重要で、知らないとトラブルの元にもなります…。

【「英語だけ人間」の実例 】

私の大学にいたA先生はTOEFLほぼ満点素晴らしい英語力を持つ方で英語力や日々の学習努力は尊敬していました。しかし、その先生は海外経験が無く「海外なんて行っても無駄!英語なんて日本でも伸ばせるんだから!」が口癖で、大学教授1年目なのに20年以上いる年下のネイティブ教員に対して「年功序列」を強要したり、「君の授業スタイルは日本人には合わない!これだから○○人は〜」と難癖付けたり、ネイティブ教員の間では「A先生の英語力は凄いけど、古臭い表現や微妙にニュアンスが違う単語ばかりで疲れる…。」と言われていました。

もう一度言います!

A先生はハイレベルな英語力を誇り、語彙力もずば抜けていて、海外映画も一発で理解できるくらいかなりの実力者です!

しかし、異文化を尊重せず自分の価値観を押し付けたり、外国人への偏見、海外を全く知らなかったりして、度々ネイティブ教員とトラブルを起こしていました…。

【まとめ】

自分の思想・信念を持つのは自由ですが、世界中の人々信頼関係を築く上では「英語力」だけでなく、1度くらいは海外を経験して、ある程度「海外の知識」を身に付け、「広い視野」を持つことが求められます!

かなり長文になりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました!(*´∇`)ノシ

私のオススメの読書

「異文化理解力」エリン・メイヤー著

(英語バージョン)


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