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ジョグジャカルタ思い出し日記④|西田有里
出張美容師さん
外国で散髪するのはなかなか勇気がいる。日本のようにあちこちに美容院があるというわけでもなく、腕の良い美容師さんをどうやって探したらよいか分からないし、外国語で自分の希望を伝えるのも自信がない。大学の伝統音楽科のクラスメートの女の子たちは皆、伝統衣装で日本髪のような髷をつけた髪型にするために髪を長く伸ばし普段はひっつめにしていて、美容院に行ってヘアカットする習慣はどうもないような
にほんご回復中【3853字】|篠田千明
第二回 3853字 私は街にいると知らない人によく話しかけられる。他人から話しかけられるのが嫌ではない、というのがパッと見でバレているんだと思う。十数年前にポーランドのワルシャワ中央駅の地下のコーヒー屋で私に話しかけてきたおじさんにも、それは見抜かれていたに違いない。
今回は、今までも友人には話してきたけど、文章にしていなかったエピソードを書いてみる。
その時私は、ベルリンからワルシャワを
にほんご回復中【2690字】|篠田千明
第一回 2690字 コロナが始まってバンコクから帰ってきて、3年になる。その前は7年間うろうろ生活をしていて、タイ語、英語、日本語が頭の中でごっちゃになっている状態が続いていた。3年の間ずっと日本にいて、日本語の会話の方は大分語彙が戻ってきた気がする。言い回しの意味だけじゃなく、それを使うタイミングもなんとなく出来るように戻ってきた。
でも、書く方はなかなか戻らない。喉が痛くてご飯を少しずつ飲み