飛田竜平

茨城県水戸市出身。88年生の元高校球児。現在はテレビディレクター。 外王.ムチャブリレ…

飛田竜平

茨城県水戸市出身。88年生の元高校球児。現在はテレビディレクター。 外王.ムチャブリレ.ジコタコアナライズ.エニシバナシ.演出 https://m.youtube.com/channel/UCTULccipzCg7kXETw3dUrXA

最近の記事

本性

それは自己啓発本のようだっだ。  人生は漫画やアニメやドラマのようにカッコ良くは いかない。その際たる例が「悔しい気持ちを持続させられない」ことを僕は1番にあげる。 どこかで許したり、切り替えたり、諦めたり、 最悪は忘れてしまう。 そんなことを繰り返して永遠に悔しい思いをする。  そうすることが全うだと学んできた。  アーサーの殺傷する判断は全うだった。 傷つけられたから傷つける。が、 恋をした女性、 市に守られなかった保健所の役人、 難病を抱えた

    • 進路

      「BIGになる」 中学生の時に提出を求められた将来の夢だと記憶している。何にでもなれるように明言を避けた。 今でもはっきり覚えている。 当時の僕が絞り出して書いた目標だ。 無論、叶っていない。  県内の名門野球部がある高校に入学した。 僕が中学3年生の夏に、ダルビッシュ有投手擁する東北高校に競り勝ち甲子園を優勝した高校だ。 野球を始めた小学4年生から憧れた高校。 当時は珍しい白とエンジのユニホームが誇り高く感じた。なにより校歌が好きだった。  僕は茨城県

      • 横顔

        敬愛する野田洋次郎さんが幼少期の写真を挙げていた。 そこに写る父は洋次郎さんだった。  羽根は大きく 結び目は固く なるようにきつく 結んでいてほしいの 夢はここに 想い出は遠くに 気付けばそこにあるくらいがいい  楽曲提供した「蝶々結び」を聴くと 僕は父を思い出す。  父と最後に連絡を取ったのは8年近く前だ。 父は健在だが、僕は母子家庭だ。  母はバツ2だ。 父と結婚をして離婚して、また父と結婚してまた離婚した。僕は厳密にいつからいつまで結婚して

        • 名前

          今日は会議室に籠もって企画書を書き上げた。  テレビマンは基本的に放送作家さんと会議をして書いてもらったものに筆入れ(修正)する流れが一般的だが、僕はいつも自分で書いて作家さんにプレゼンをする。そして伝わりきらなかった部分やニュアンスを指摘してもらうことが多い。  今回は、僕が1本と作家さんに1本書いて頂いた。 書いてもらうのは非常に楽だった。客観視できるし、何より僕には無い視点があった。 が、出来上がった企画書と自分に距離を感じた。 書く作業は苦痛だ。それ故に

          芸風

          面食った。 格好が良すぎて平衡感覚を失うほどに。  今の僕には 何ができるの? 何になれるの? 誰かのために生きるなら 正しいことばかり 言ってらんないよな  どこかの街で また出逢えたら 僕の名前を 覚えていますか? その頃にはきっと 春風が吹くだろう  イヤホンから耳に届く衝撃。 KingGnuだ。  井口さんの高音は素晴らしい。サビは圧巻だ。 が、僕は常田さんのBメロが好きだ。 珠玉な漫才と構造が似ている。 加速するんだ。

          僕とルーツ

          東急大井町線の電車に久しぶりに揺られる。 動悸が止まらなかった。 自由が丘で乗り込んできた小学生らしき少年が僕の隣に座った。耳にはワイヤレスのイヤホン。YouTubeを見ていた。流行りを作る世代が何を観ているのか盗み見た。僕が作ったVTRだった。 これで本当にいいのか。と自問自答したVTR。 彼は笑っていた。 僕も耳にイヤホンをしていた。 気が付けばいつも毎度迷子 Error Error Error Error Error 火を灯す暗がりに 毎夜毎夜 イマ イマ イマ

          僕とルーツ

          覇王色の覇気

          ONE PIECE STAMPEDE見てきました。  ここまで本編に影響する内容に振り切るONE PIECEスタッフの戦略はすごい。 あと、WANIMAさんの楽曲が素晴らしかった。本当に才能あるなぁ。  僕が尊敬するONE PIECEの凄さって言葉の発明がとびきり多いところなんです。  中でも、「覇王色の覇気」。 「覇気がない。」というように、覇気って今まで無いことに使う言葉だったのが、強さの証明への転換は素晴らしい発明だと思います。  2019年の夏のこ

          覇王色の覇気

          拝啓 僕より僕へ

          はじめて借りた部屋は三郷中央にある2LDKだった。31歳で借りたこの部屋。 2019年12月31日大晦日。 ここで僕へ公約を掲げたいと思う。 僕らは催しが好きだ。 母子家庭であったけど、何不自由ない生活と無償の愛を僕らはもらった。が、家庭を持って3年。 そろそろ自分流を作っていきたいと思う。 だから君も協力してほしい。 この部屋に住んで初めてクリスマスツリーを買ったことを覚えている?妻が欲しいと言って、僕も子どもの頃から欲しかったからついに買ったんだ。 僕は「もっと大

          拝啓 僕より僕へ

          記録と記憶

          本日は或撮影があった。僕は動画を撮影していたが、もうひとりはフィルムで写真撮影をしていた。  「写ルンです」だった。  13〜4年前の僕も写ルンですを常に握りめた生活をしていた。高校の野球部に所属していた頃だ。振り返ればあの頃から少しずつ自分というものを世に出し始め、又受け止めてくれる仲間も出来た。  それまでは通じ合う存在はひとりもいなかった。 他人が悪かったわけではない。己が悪かった。思春期だったわけではなく、当時の周囲の中で他人より秀でたモノを持っていると

          記録と記憶

          サンタクロース見習いは黄色い

          [あらすじ… のみ] 何をやっても中途半端な女。 恩納 律(おんな りつ)26歳。無職な女は聖夜に彼氏にも振られ、六本木のディスカウントストアの店頭で「サンタクロースになりますか?」と求人広告と出会う。 実はサンタクロースは善人があまりに神様と年に一度しかプレゼントを配れない契約をしていた。それが心苦しいサンタは、自分の倉庫を昼夜問わず破格の値段で解放して、そこに自分の見習いを働かせ 養成所とした。それがディスカウントストアだった。 そこにサンタの異名を保つ山野辰郎の修

          サンタクロース見習いは黄色い

          銀河鉄道の夜

          今宵は綺麗だった。きっと美しい言葉に触れているからだろう。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を手にしている。  名作と共に名曲を口ずさむ。GOING STEADYだ。 僕の人生を解き明かすとゴイステは欠かせない。 おそらく彼らに入る印税の1000万分の1は、僕がカラオケで熱唱してきた時間だろう。それは今でも続き、僕の夜は更けていく。  峯田和伸を一度だけ生で見たことがある。それはラーメンズ片桐仁とエレキコミックが組むユニットエレ片のコントライブにトークゲストとして出演してい

          銀河鉄道の夜

          僕と東京タワー

          光って消えるただそれだけと知りながら 光る僕はきれいでしょう? 清らかな灯りを見上げながらRADWIMPSの蛍を口ずさむ。彼を眺める時はいつも気分の良い夜だった。 粋がる東京のビル風も、彼の前では穏やかな心に戻る。 産まれたばかりの彼はその高さで知名度を売っていたが、今では己を発光させることで「やっぱり綺麗だよね。」と存在を維持していることに敬服する一方で、それでも芝公園から見上げる彼は光よりもやはり高さを感じた。 つまり、遠のけば美しく、近づけば勇ましいのだろう。「

          僕と東京タワー

          企画立案者という空想

          毎日、毎日企画を考えている。 ある人が串に肉を刺し焼き鳥にするように、ある人が書類に印鑑をするように、ある人が他人の命を救うように、僕は企画を考えている。  同時にどこまでが誰の手柄なのか。 今年はよく考える。  或焼き鳥屋のねぎまを美味しいとお客さんに褒められたとして、主人公は店長だけれど厳密に言えば肉を切って焼いた担当だとしよう。「特にネギがいい味してるね。」と言われた。  これは僕の手柄ではないと主人公は感じる。ネギを切ったのは僕ではない。野菜は切り方に

          企画立案者という空想

          31歳の僕にとって友とは何か

          宇都宮駅西口を出てどこまで歩いた時か気がつくと「結構歩いたな。」と思わず自分を褒めるほど馬場通りを西に歩いていた。 高校の同級生が開いたお店に向かう途中だった。眠りにつくようにお店の明かりが消えていく。藍色が深まる都会の夜に又吉直樹の人間という小説を貪るように読みながら進む。 話は終盤に近づいていた。場面は主人公がずっと意識していた旧友とバーで語り合い、太宰やキリストといった作者の核になる人物たちが登場していた。猛烈にのめり込みたい展開、宇宙の中で又吉直樹が又吉直樹と話す

          31歳の僕にとって友とは何か

          新宿三丁目の地下道

          白く無機質な新宿の地下通路をひた歩く。又吉直樹の人間を読み終わり、その直後、無性に太宰が読みたくなった。 3年ほど前に又吉直樹の東京百景という本を読んだ。書かれている場所にも足を伸ばしたし、そこで本を読んだりもした。日が落ちて、ふと横を見やると又吉が上を見上げながら隣に座っているような感覚があった。 又吉の東京百景のはじめにでは、元になったであろう太宰の東京八景について綴られている。図書館で借りた東京八景は、名作走れメロスと共に収録されている。いくらでも読む機会はあったの

          新宿三丁目の地下道