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意味や意義を言語化する仕事

海街移住まる2年。

なんと、前回の記事を書いてからまる2年以上が経過。

娘が生まれ、築51年の海が見えるマンションを買ってフルリノベして引っ越して、創業して、瞳孔が開きっぱなしの最中に書いたのが…前回の記事。ぽちゃぽちゃして泣いて笑って眠るだけだった娘は、もはや、きらきら星を歌い「ととは嫌っ!」と言い切る2歳半。

はて…?なにをしていたこの2年。

海を見ながら言語化する日々。

改めまして、初めまして。Kenta Brewing代表の上条賢太と申します。
対話を生むチーム・事業・ブランドを醸造する」をビジョンに掲げ、企業にワクワクするアイディア、言葉、戦略などを提供しています。創業3年目のまだまだひよっこですが、どうぞよろしくお願いします。

さてさて。
自宅をオフィスにしているので、この2年間は毎日、自宅かカフェか。逗子葉山材木座あたりのカフェをあれこれ回って最強認定したのが、僕のサードプレイス「なぎさ橋珈琲」。いやいや、自宅とオフィスが同じって自分で言ってんだから、明らかなセカンドプレイス。

このなぎさ橋珈琲は、スタッフの皆様の心温かい接客、電源があり逗子海岸と富士山が一望できる環境、長居しても大事にしていただける最高の居心地の三拍子が素晴らしく…いやいや、水出し珈琲がとても美味しいので四拍子、大変お世話になっておりまして、2023年4月にリニューアルして行列が出来るようになる以前は、週4ペースで通っておりました。

そこで最初の1年間は、ひたすら自分のやりたいことを言語化。方向性はなんとなくあるんだけれど、それこそ「やりたい」「できる」「やらねばならぬ」の will can must が絡み合い融合しあって引きはがすのがしんどすぎて、毎日頭から爆炎をあげていました。
すぐ目の前にある、大好きな海も目に入らずに。

創業の想い、屋号、ビジョン、バリュー、紹介資料、そして特に自分ってひとことで言うと何屋だっけ…?なぞは200回300回じゃきかないくらい書き直して(今も続いているけど)

夢の中であっと言葉が浮かんで夜中に起き出しホワイトボードやノートに書き起こすなど(今もだけど)

ひたすら浮かぶ思考を言語化…心を具象化していく日々でした。

これは自分のこと。
そしてそれは、お仕事でも。

課題は?強みは?弱みは?
ターゲットは?インサイトは?ベネフィットは?
競合は?差別化ポイントは?目的は?目標は?
体制は?組織図は?っていうかそもそもゴールって?理想って?
っていうかそもそもボトルネックって?本当の問題は?
ビジョンは?ミッションは?バリューは?
パーパスは?それを何かに例えると?一言で表すと?
ブランドコンセプトに転換すると?体系立てると?
文章で説明すると?ベネフィットは?
現状の顧客体験は?足りていない顧客体験は?3つに絞るなら?
予算は?スケジュールは?上申する時はどう短くする?
クライアントにどう翻訳する?社内に落とすなら?

マネージャー陣には誰から?メンバーに説明するには?
事業部ごとに施策に落としこむには?
見込客はなんて言えば気づく?キラーメッセージにするなら?
顕在化するきっかけはどうつくる?
認識する時間を短くするには?一発で刺すには?
パートナーは?効果をストックさせるには?
ニュース性をつくるには?取材に来てもらうには?戦略PRは仕込んだ?
集客を増やすには?獲得率を高めるには?
効果測定は?指標は?KGIは?KPIは?
帳票は?会議体は?PDCAをうまく回すには?
リソースは?ヌケモレは?
じゃあ次回のアジェンダは?
っていうかそもそもさ…なぜこのビジネスは必要なんだっけ…etcetc。

考えて、整理して、言語化して、対価を頂戴してきた日々。
海街で、言語化しながら暮らしてきた、この2年間。

意味や意義をつくるということ。

自分のやっていることに気づいたのは、ごく最近。
短期間に集中して、自分やクライアントの膨大な「なぜ?」を聞いて、考えて、整理して、言語化というアウトプットを繰り返してきたからか。

ぱっとではなく…もわぁわぁわぁ〜って感じで浮かび上がってきて、自分のやっていることが言語化された。
「選びやすくなるように、意味や意義を、再定義・リメイクする」

この2年間、自分がやっていることを誰に何度説明しても腹落ちしなくて、違和感を感じ続けてきたけれど、ようやく分かった。

マーケターやコンサルタントは職能であって、ブランディングやマーケティングやコンサルティングは方法であって、戦略はツールであって、コンセプトは概念であって、それぞれは部分であって、自分の仕事を説明できるものではなかった。

サービスや商品を選ぶ意味。その会社で働く意義。
コレを考えて言語化するのがたまらなく好きで、成果物として提供している「アイディア・言葉・戦略」は、みんなココに帰結する。

経営戦略の見直し、ブランド設計図とブランドコンセプトの策定、ブランド戦略の立案、ブランドエクイティの定義、ストーリー設計、マーケティング計画の立案、パーセプションフローの設計、戦略PRの企画…などなどやっていることすべて。

この街で暮らす意味。

もともと、幼い頃から超ド級の優柔不断だった自分は、いつも何かを選ぶ際に悩んでいた。「いちご味 or メロン味」「友達の家に遊びに行く or 行かない」「食べたいのはハンバーグ or 唐揚げ」。こんな些細な選択でさえ、めちゃくちゃ苦しかった。

だから創業の際、ブランド力で差別化することが、生活者やユーザーは選ぶ苦しみから解放されるから「世界のすべての優柔不断を救う」をミッションにするかどうか、冗談半分、本気半分で考えた(笑)。

本当に、意味や意義がないと選べないのか?
僕は選べない。不惑の40代後半に差し掛かってもなお(笑)。
お隣の葉山に住んでいらっしゃる山口周さんが『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』で「論理はコモディティ化した」と言っているように、コモディティ化した論理でつくられた商品は、隣の商品と「ほぼ同じ」だし、その向かいの商品とも「ほぼ同じ」。

えっ!?み…皆さんは「ほぼ同じ商品」をどうやって選んでいるんですか?結局僕は無限にある情報をググりまくって膨大な時間を使って沼に落ちていくんです。でもそれがとても不愉快なことで、出来れば2秒で決めたいんです。この件、助けてほしいくらいわりと深刻なんです。

「ほぼ同じ」商品の「僅かな差異」を探すなんていう、自分の人生にとって劇的に無駄なことに時間を使いたくないんです。でもなんでもよくはないんです…いや全然なんでもいいんですけど…いやいやなんでもよくはないような…とにかく、え、選べないんです!
そして…情報を見れば見るほどどんどん分からなくなるんです。

そんな優柔不断の僕が、2秒でこの街への移住を決めた。
結婚してから様々な新築マンションや戸建てを何十件と見学に行ったが、ひとつとしてピンとくるものはなく、案の定、何年も探し続ける期間が続いた。しかし、今住んでいる物件は、ずっと探していたエリアとは全く違うにも関わらず、内見の2秒で決めた。

その理由は、古い家を自分でつくり変えるとか、部屋から青い空が見えるとか、海街といったことが、自分の価値観に、意味として一瞬で繋がったから。

娘が生まれて家族になる当時の自分のビジョンが「家族みんなが笑顔で、ワクワクしながら生きていくこと」だった。だから、移住してでもこの街に住むことを即決した。

その後の親の説得が大変だったけれども(笑)。
って、あいや、一体何の話だ…?そうだ、僕の仕事は意味や意義をつくる仕事だ、という話。

意味や意義をつくる仕事。

最後に「意味や意義を、再定義・リメイク・アップデートして言語化する」事例を少しだけ。

実際には、もっと企業やサービス毎に特化した唯一無二のブランドコンセプトとして、言語化します。そしてそのコンセプトをもとに、ブランド戦略をつくり、顧客体験を設計し、マーケティング計画や採用活動、インナーブランディング施策に落としていきます。

つまり、あらゆる行動に一貫性をもたせる判断基準として機能するので、施策の効果・効率を、劇的に高めていくことが出来るのです。

人が選ぶ意味や意義。商品やサービスに限らず、なんだろう…街や機関、関係性なんかも、時の流れに合わせてアップデートしていかないと、その時代で生々しく生きる人たちから、あっという間に取り残されていってしまうと感じています。そしてどんどん速まっている。

これはもちろん、表面的な言い回しを変えるということではなく、そのもの自体を変えていくということ。つまりステークホルダーや世間、顧客の認識を変えていくことで、今に即した認識をつくっていく手法です。

■結婚式の意味・意義

・「素敵な料理や衣装」
・「儀式」
・「人生一度の大イベント」


・「初めての2人での共同作業」
・「立ち返る日」
・「支えの起点」

■自動車の意味・意義

・「移動性」
・「乗り心地」
・「所有するステータス」
・「快適空間」


・「環境に配慮する私」
・「未来への象徴」

■ビールの意味・意義

・「喉ごし」
・「乾杯」
・「日常飲料」
・「仕事の付き合い」


・「クラフト」
・「個性」
・「アート」
・「カルチャー」

■珈琲の意味・意義

・「目を覚ます」
・「リラックス」
・「価格や手軽さ」
・「飲み物」


・「多様な味わい」
・「ドリップ」
・「サステナブル」
・「コミュニティ」

■仕事の意味・意義

・「生計を立てる手段」
・「社会的地位」
・「安定」
・「アイデンティティ」


・「自己実現」
・「多様な繫がり」
・「自らの市場価値」
・「持続可能性」

そんなこんなで海街に暮らしながら、日々、ワクワクするアイディア・言葉・戦略を考えています。
そんな徒然を、もう少し頻度をあげて(笑)「海街思考」として書いていきたいと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。少しでも共感していただけたら、スキを押してもらえると励みになります!またよろしくお願いします。

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