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出会いと別れ-つながりをそのままに旅立つ住民と温かな時間を過ごしたアジアカフェ&nihongo cafe|イベントレポート

3月10日。東日本大震災から13年目を迎える前日、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館が特別に夜間開放を実施した日に、月に一度くるくる喫茶うつみで行われているアジアカフェ&nihongo cafeが開催された。

これまでのアジアカフェ&nihongo cafeの様子は以下を参考にしていただきたい。

断食企画は中止も多彩な顔ぶれとなり賑わったアジアカフェ&nihongo cafe

立て看板withチラシ

3月のアジアカフェ&nihongo cafeは、ラマダンに合わせて断食を実施する予定だった。しかしながら、ラマダンの日程の都合上、断食は見送られ、通常通り実施することとなった。

参加者お手製のミーアヤム(Mie Ayam)

参加者の気仙沼市で仕事をしている外国人技能実習生の方々、ふるさとワーキングホリデーで気仙沼市を訪れていた方々、アジアカフェを運営している地球対話ラボの方々、nihongo cafeを運営しているタンちゃんによって、今回はミーアヤムやアボガドジュースなどが振る舞われていた。

余談だが、宮城県気仙沼市はふるさとワーキングホリデーを積極的に実施しており、会場となっているくるくる喫茶うつみでも2名ほどふるさとワーキングホリデー参加者が2週間にわたるワーキングホリデーを過ごしている。

記事としては些か古くなるが、国土交通省の特設サイトにおいても、ふるさとワーキングホリデーの様子が書かれている。また、くるくる喫茶うつみについてもふれられている。

この日は、地域住民に加えて多数の外国人技能実習生・特定技能の方々、ふるさとワーキングホリデーで訪れている方々、来月から気仙沼市に移住予定の方々と、実に多彩な背景を持った方々が集まった。

火鉢で芋とマシュマロ、そしてバナナを焼く

火鉢で芋を焼く
火鉢でマシュマロを焼く

この日はもう一つの企画として、軒先での火鉢体験があった。火鉢を用いて芋やマシュマロを焼いた。また、他の参加者はバナナを焼いていた。焼きバナナは経験がなかったが、どうやら温めると柔らかくなり、美味しく食べられるらしい。マシュマロを想起させる。

店内では各々自由に飲食や対話を楽しんでいた

店内では、参加者たちが自由に飲食や対話を楽しんでいる。私も同様で、漁業に経営的な観点で関わりたいといった話を伺ったり、外国人技能実習生の方からラマダンに関する話を伺ったりした。

ラマダンは、インドネシアで暮らし続けていた方々にとっても大変負荷の高いもので、とりわけ日本に訪れてからは慣れない環境で日中は肉体労働を行うため、不安があるとのことであった。

筆者が同じ立場であれば、やはり不安を感じたに違いない。これからの1ヶ月、不安が溶けていくように何事もなく断食期間を過ごせるよう願うよりない。

気仙沼市を去る特定技能の方々へのサプライズケーキを提供

サプライズケーキ

3月は別れの季節である。今回のアジアカフェ&nihongo cafeの参加者の中には、来月から遠方へと旅立つ方々がいらした。アジアカフェ&nihongo cafeでは、その方々にサプライズで送別会を企画していた。

参加していた多くの方々が突然差し出されたケーキ、送別会に驚き、そして沸いた。旅立つ方々は、あまりに突然のことに最初は目を見開いていたが、旅立ちの記念であることを伝えられると心から喜び、感謝の言葉を伝えてくださった。

ケーキは皆で分け、各々が旅立つ方々の幸福を願いながら、ケーキと対話を楽しんでおり、見ているこちらまで幸せを感じられるような温かで甘い時間で店内が満たされていた。

それはまさにアジアカフェ&nihongo cafeならではの空気感であり、人と人とをつなげるくるくる喫茶うつみという場がなせる確かな価値であるように感じられている。

そして夜は更けていく

参加者が思い思いに気仙沼を描いた

夜は、来月から気仙沼市に移住する方がボーカル、くるくる喫茶うつみの店主がギターで、音楽を楽しむ会となった。その傍らで参加者各々が考える気仙沼市という街について書いた付箋を貼り、街の姿を模造紙の上に描いた。

来月は、八日町周辺を舞台に様々な取り組みを行う話がある。今後もアジアカフェ&nihongo cafeを通じて、気仙沼市内、気仙沼市街の様々な人々がつながり、街全体、住民全体が豊かになっていくのを願ってやまない。

最後は皆でお片付け

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