割れ台(レア)

昔の話と妄想と見た夢と妙な調理

割れ台(レア)

昔の話と妄想と見た夢と妙な調理

マガジン

  • 5くらいの過去

    ろくなもんじゃあない。

  • なにがあったメシ

    調理へたくそサーガ。

  • 亡き女を想うと書いて

    妄想と妄言。

  • はじまりの村のPG

    全てにおいてうろうろしている人間が変数に名前を付けるだけの簡単なお仕事。

  • 俗レポ

    俗っぽいのは感性の方。

最近の記事

植物のこと考えてたら風呂から出られない

読めばすぐにわかると思うんですけど、現時点で私が植物に全然詳しくないことを念頭に置いてください。 なんらかの食に関する主義への反論とか思想とかではないが、植物に苦痛を伴うような痛覚がないといいなあと思っている。 実際に痛覚があるかどうかでいうと、神経だの脳だのがないので、いわゆる人間の感じるような「痛み」そのものはない。 とはいえ、自身を食害する虫を退けたり傷を修復するために、傷ついた際に何らかの物質が素早く植物全体に伝達されるという仕組みはあるらしい。 その物質が出

    • 示唆に富んでそうに見えてクソみたいな話

      小学校何年生か忘れたが、普段から意地の悪い同級生が私を廊下に呼びだして「自分のこと しんしょう だと思う?」と訊いた。 常日頃から私は同級生の言う言葉のほとんどがわからんかったのだが、その時も例に漏れずよくわからんかったので「しんしょう って何?」と訊き返した。 同級生はちょっと黙ってから「障害者のこと」と言った。 私は障害がないので「思わない」と答えた。ニヤついていた同級生は真顔になって「ふーん」だけ言って帰っていった。 取り残された私は、もうすぐ授業が始まる所だったの

      • 【漫才】『結成秘話』

        ○井上:あらどうもー井上ですー! ●端島:端島ですー。 二 人:井戸端会議ですよろしくお願いしますー。 ○井上:井戸端会議、知ってるよーって人? ●端島:(だまってうなずきながら会場を見わたす。手を上げている人に向かって深めにうなずく) ○井上:あれれーちょっと元気がないみたいだぞ〜。 ●端島:ヒーローショー形式なんですね。 ○井上:あと38人(キャパ − 手を上げた人数)くらい手を挙げられるかなぁ? ●端島:残り全員に嘘をつかせないでください。 ○井上:こ

        • おにくおにくおにくチョリソー

          自分が共感できる歌詞がないなら自分で書けばいいじゃない、などと言ってしまったので書いた。 まともなことは思いつかなかった。ただ腹が減っていた。 『食卓』 空腹の角を回転しながら 曲がっていくあれは 寿司か天使かはたまた天ぷら 許しがたいほどおいしそう デリバリーの広告は 商売がお上手なので 一度やったらしばらくは 頼み続ける羽目になる 「やらなきゃいけないこととやりたいこと」が 「タラバガニ世界の元カニ大王」に聞こえる なんも区別つかない 腹減ってる時は そろそろ胃壁が

        植物のこと考えてたら風呂から出られない

        マガジン

        • 5くらいの過去
          20本
        • なにがあったメシ
          10本
        • 亡き女を想うと書いて
          40本
        • はじまりの村のPG
          12本
        • 俗レポ
          6本
        • 母語に向かってなんだその考察は
          29本

        記事

          共感できる歌詞なんてもう書け

          歌詞に対する褒め言葉として「共感できる」というものがあるけども、歌詞の好き嫌いの判断において実際のところ共感性ってそんなに重視しないよなあと思う。そんなもん重視してたら好きな曲はほとんどなくなってしまう。 さすがに歌詞に反感を抱いたら避けることはあるけど。 歌手の見ている世界と会社員の自分の見ている世界はどうしても違うので、心底共感できなくても多分当たり前だ。とはいえ共感してみたいことはしてみたい。できるものならしてみたい。 ただ懐かしがるような良い少年時代かもっとこじら

          共感できる歌詞なんてもう書け

          【めめも】夢から帰ったばかりの人にインタビューをする

          夏になって眠りが浅くなると、みんなして夢の国とかいうしゃらくさい名前の国に通い始める。 かなりの回数通うくせに、感想をきいても毎回何も覚えていないことが多い。本当に行ってきたのだろうかとうたがってしまうほど、彼らは何も覚えていない。 時々覚えている人がいるが、帰国して空港で蕎麦か何かを一口食べた時点で、思い出はとっくに美化され整合性のとれたものになっている。 かといって、向こうに行っている間に話してもうわごとしかしゃべらないので打つ手がない。 苦肉の策として、帰ったばかり

          【めめも】夢から帰ったばかりの人にインタビューをする

          限界ワーカー自粛の回

          外出したくてもできないGWだ。 私は外出したくなくても時にはしなければならないGW(限界ワーカー)なので、たまの休日は喜んで引きこもらせていただいている。 今日はそのたまの休日なので、ワークは自粛する。 この感染症騒ぎ中に記録も込めて一度くらいはnoteに日記を書きたいと思っていたものの、文章校正用のリソースが業務日報で使い果たされており、なかなか着手しなかった。 ひとまず箇条書き。 【最近あったこと】 ・嫌な未来系 外から「不要不急の外出は避けてください」というアナウ

          限界ワーカー自粛の回

          読み込みを待ちながら

          物心より先にPCの電源をつけたと噂の小学生こと私は、シルバニアファミリーで遊んでいないときは大体マウスで線を描いていた。 PCは父のお古、ソフトは若かりし頃のペイントである。 当時は物が描けなかったので、描くのは色とりどりの線か図形、もしくは文字だけだ。 しかし、手段がマウス、それも我が家のゆかいな背高父さん対応サイズなので、ある日とうとうデスクワーカーのような手の痛め方をした。 母は私に「しばらく描くのやめなさい」と言い、父は母にとばっちりで叱られた。 描くのは中断し

          読み込みを待ちながら

          観た。クリスチャン・ボルタンスキー。《前編》

          入り口入って初っぱなから、人が血を吐く音が聞こえた。血を吐く人の映像の前にぎゅうぎゅうと列をなして大学生(おそらく)達が集まっていた。 みんな黙っている。時々おじさんが咳をしたが、血を吐く人の音の前では、紙が畳に落ちたような印象しか残らない。 あまり長くは見なかった。今後の精神衛生を考えると、その映像から発せられるものをあまり受けとりたくなかったからだ。 しかし、次の部屋に行っても音はかなりよく聞こえていた。他の人達はあの映像を見てどう思っていたんだろうか。 「初っぱな

          観た。クリスチャン・ボルタンスキー。《前編》

          詐称

          同じ場所では長くシゴトをしないという詐欺師や泥棒の気持ちが、最近になってよくわかる。 勉強や仕事をしに日々出掛けているはずなのだが、なぜか他人に自分の私生活を語らなければならない場面がある。 友人や身内ならともかく、仕事以外の己の情報が仕事仲間の中にじわじわと蓄積されていくのは、背がむずむずして落ち着かない。 自分がそんなだから仕事仲間の私生活について語られない限りまず深く突っ込まないのだが、それだと酒の入ったおじさん方に「冷たいなあ」と言われる。 しかしおじさんよ、幼い

          ごめんねNPC

          「外食から帰ってきたばかりなのにそれを忘れて家でも食う」話を「脳のバグ」と表現するのは ant came だし、事象自体珍しくないので17回話そうが nor is the tail white だ。 (こういうアホ翻訳をやめることができない。自分に甘いので) 一般的には夕食を2回食ったって人に迷惑はかからないし巨漢になることもないので、担当者様におかれましてはバグ報告なんてしないで「仕様です」で済ませていただきたい。 個人のお食事モジュールはいいからもっと大きいバグをどう

          ごめんねNPC

          量産するがいいさ

          「特別な人間になりたいと思うことは、特別なことではありません」 慰めのような揶揄のような、旨味のある言葉である。 人と違っていたいというのは、自分の存在意義を確立するために当然の欲求だと思う。 実際のところ、世界や国家が成立するのに不可欠な一個人はいないと思うが、せめて個人間では「他でもないあなたが必要」と言われなくては足元が揺らぐというのが人情である。 多分。 --------------------------- ところで、似た人間が集まると集団のなかでの個人の個性が

          量産するがいいさ

          わかっとる奴しか聞いとらん

          夏の暑さで「茹で脳」が作れる! 今年も、語弊はあるがおおよそそんなような話題が話題になっていた。 「話題が話題」などと気色の悪い文を打つくらいには、実際に脳がやられている実感がある。 「茹で脳」とは少し違うが、昔母がよく「暑すぎて脳細胞死ぬわあ」と口にしていた。 冗談がわからなかったので、「私ら夏の度に物がわからんくなってきとるんか。シベリアの人達なんか頭ええんやろうな」と思っていた。 タンパク質はたしかに高温で変性するが、ゆで卵と違って脳のタンパク質は新たに作られ続け

          わかっとる奴しか聞いとらん

          夏なんか愛憎

          夏は嫌いである。 暑すぎる。油断するとこの世を去りそうだ。 暑さは悪さをするが、私は悪さをしないので、私じゃなくて暑さの方がこの世を去ってくれ、と思う。 この時期は全てがどうかしている。 時間感覚がおぼつかなくなる上、人間から濃い情念が発せられていて、この世にあらざる何かがそのへんに遊びに来ていてもおかしくない気がする。 夏のあらゆる「お祭り騒ぎ」は多かれ少なかれ奇祭だ。 歳時記を真面目に使ったのは高校時代が最後だが、人や生き物の動く季節だけあって夏の季語は数が多かった

          夏なんか愛憎

          「君」「きみ」「キミ」 二人称である。「君雄くん」の愛称でないかぎりは二人称である。 とわかっちゃいるけれども、歌詞に出てくる「君」、あれはどうも二人称らしくない。 らしくないというか、二人称というのを単純にその言葉の聞き手、読み手のことだと考えると違和感がある。歌詞の場合「君」=リスナーという構造があまり成り立たないからだ。成り立つのは応援ソングくらいではなかろうか。 しかし、「君」は歌い手にとっての「君」ではなく歌詞の主人公にとっての「君」だと考えると、特に違和を感じ

          帳尻が合えば良いのか

          良くはないです。 ここ数年で丸々太ってきた同僚が、最近トマトばかり食べている。 トマトはさして好きではないらしい。そればかり食うのは、ダイエットしたいが栄養バランスを考える労力と金が惜しいためだそうだ。 彼は 体にいい食事=野菜 が常に成り立つと思っている。そしてビタミンについて大体どれも一緒だと思っている。 ドラッグストアの栄養補助系コーナーではプロテインしか吟味しないタイプだ。B群を見て「番号が飛びすぎでは?」などと思ったこともなさそうである。 私も人のことは言えない

          帳尻が合えば良いのか