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りすのよまい言、大きな木のうろの中から

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「だから、なんなの?」と言われてしまいそうな他愛もないことを綴っていきます。悪しからず。
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#高知県

俳句で"オレアチ漫遊記"(拾玖)

俳句で"オレアチ漫遊記"(拾玖)

"note仲間"やまきちさんが、ようやく連載「俳句で"オレアチ漫遊記"(※)」向けの俳句を送ってくれた。5月末以来およそ5カ月ぶり。実に久しい。りすが事前に送った画像のうち、今回、やまきちさんが選んだ素材は、高知県高知市の民宿で食べた鰹のタタキ(5人前)。秋も深まる中、写真を眺めていて"戻り鰹"を思い浮かべ、食べたくなって詠んだそうだ。

この連載は、りすが書いた旅行記「オレとアチキの西方漫遊記(

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期せずして聖地巡礼

期せずして聖地巡礼

ーオレとアチキの西方漫遊記(39)東京を出て高知・四万十川、仁淀川、桂浜、高知城を巡り、兵庫・明石を経て、京都・嵐山に立ち寄った今回の旅行。奥さんが大好きなNHK大河ドラマによくよく縁がある。京都・嵯峨野巡りで乗った嵯峨野トロッコ電車(下り)の終点、トロッコ亀岡駅(京都府亀岡市)の周辺は、現在放送中のNHK大河『麒麟がくる』(※)の主人公・明智光秀が治めた亀岡城とその城下町があったところ。奥さんの

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「さよなら、高知」

「さよなら、高知」

ーオレとアチキの西方漫遊記(33)「折角ここまで来たのだから」は実に強力な殺し文句だ。旅行中、この先は余裕を持って行動しようとどんなに固く誓っても、この言葉を思い浮かべると、どうしても決意が揺らいでしまう。厄介なことに、普段生活している場所から遠く離れるほど、この言葉の威力は増す。そのせいで、高知市内に思わぬ長居をすることになる。

前回のお話:「悪癖と桂浜」/これまでのお話:「INDEX」

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悪癖と桂浜

悪癖と桂浜

ーオレとアチキの西方漫遊記(32)このまま京都に向かうのか、それとも時間が許す限り、高知を楽しむかー。スケジュールを気ままに決められる旅行では、こうした出発当日の朝の判断が難しい。好きに選べば良いと分かっている一方で、ありもしない正解を探そうとしてしまう。もはや"悪癖"に近い。泊まった民宿は景勝地・桂浜(高知県高知市)まで徒歩で行ける距離。少なくとも、坂本龍馬がこよなく愛したというこの浜に寄り道す

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いざ京都へ

いざ京都へ

ーオレとアチキの西方漫遊記(31) すっかりお腹いっぱいのわが夫婦。そうなると、次に襲ってくるのは睡魔だ。心霊スポットの浦戸大橋(高知県高知市)が窓から間近に見えることも忘れ、奥さんにいたっては、頑張ってどうにか目を開けている状態。ただ、寝落ちするわけには行かない。というのも、翌日の予定がまったく決まっていないからだ。こうしたケースでのわが夫婦のチームワークはすこぶる良い。どんどんアイデアを投げか

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"ちょっぴりホラー"

"ちょっぴりホラー"

ーオレとアチキの西方漫遊記(30)月の名所として知られる高知県高知市の桂浜。この浜の近くにある民宿に一泊した。この宿で思い出すのは、盛り沢山のディナーと鰹のタタキ5人前についてだけではない。案内された部屋の窓から眺めた夕焼けの美しさ。そして、もう一つ。誰かに覗かれている気配を感じた"ちょっぴりホラー"な記憶だ。

前回のお話:「知られざる事情」/これまでのお話:「INDEX」

真っ赤な夕暮れこの

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知られざる事情

知られざる事情

ーオレとアチキの西方漫遊記(29)
「完食ですね」ー。くすっと笑いながら、民宿の若女将が夕食の空いた食器などをはじめ、てんこ盛りの鰹のタタキがすっかりなくなった大皿を下げてくれた。きっと息も絶え絶えに完食する姿がおかしかったのだろう。ただ、形はどうであれ、ミッションコンプリート。バンザイ三唱だ。手際よく片付ける若女将に、はち切れんばかりのお腹をさすりながら、5人前の鰹のタタキを出すならば、食べ放題

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口も頭もフル回転

口も頭もフル回転

ーオレとアチキの西方漫遊記(28)ボリューム満点の夕食メニューに加え、5人前の鰹のタタキ。ともに民宿の自慢料理だ。当初、完食できると高を括っていたが、やがて奥さんが脱落し、そこに黄信号が灯る。「よく食べる」と評されるわが夫婦にも限界はある。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という言葉が思い浮かべるも、ここで諦めるわけには行かない。ただ、この難局を気合だけで乗り越えようとするのは愚かしい。食べながら知恵

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お調子者のレース運び

お調子者のレース運び

ーオレとアチキの西方漫遊記(27)海の幸をふんだんに使った色鮮やかな料理。そして、この民宿が提供する「かつお堪能!タタキてんこもり!」プランの目玉、5人前の鰹のタタキ。それらが腹ペコ夫婦の目前にズラリと並んだ。揃って手を合わせ、「いただきます」という言葉を合図に、猛烈なピッチで食べだす。ところが、食べても食べても料理がなくならない。特に、大皿に載った鰹のタタキ。やがて食べるペースが徐々に落ち始める

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「世界はそれを開き直りと呼ぶんだぜ」

「世界はそれを開き直りと呼ぶんだぜ」

ーオレとアチキの西方漫遊記(26)「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と言われるが、幾つになっても、これが実践できていない。月の名所として名高い高知県高知市の桂浜。この浜の近くにある民宿に一泊したときもそうだった。ボリューム満点の鰹のタタキをめぐり、とんだ事態に巻き込まれる。とはいえ、決して悪いことばかりではない。"過ぎたる"ことで得られる情報などもある。できないままでいることを敢えて前向きに捉えたい。

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冴えない表情のワケ

冴えない表情のワケ

ーオレとアチキの西方漫遊記(25)水底まで透けて見える青く美しい"仁淀ブルー"。そのルーツとされる面河渓(おもごけい、愛媛県久万高原町)を満喫し、いよいよここともお別れだ。ただ、それほど後ろ髪を引かれる思いはない。というのも、この先、いつか再び訪れ、川遊びする予感めいたものがあるためだ。クルマのアクセルを踏み、月の名所として名高く、坂本龍馬が郷里で最も愛したという桂浜(高知県高知市)に向かう。一方

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小さき黒の"救世主"

小さき黒の"救世主"

ーオレとアチキの西方漫遊記(24)面河渓(おもごけい、愛媛県久万高原町)にある虎が滝。その手前にある淵で川遊びを楽しんだ。岩場から飛び込んだり水に潜ったり。底まで透けて見える青く美しい"仁淀ブルー"を満喫した。一方、気がかりなのは奥さんだ。やけに大人しい。そんな様子に、楽しめているかが気になった。ただ、それは杞憂になる。心配して声をかける前に、小さな黒い生き物が"救世主"になってくれた。実にありが

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"現場百遍"

"現場百遍"

ーオレとアチキの西方漫遊記(23)面河渓(おもごけい、愛媛県久万高原町)で"仁淀ブルー"を満喫するー。その思いを叶えるのに黄信号が点いていた。渓流に沿って上流に向かう遊歩道では、終点の虎が滝に着くまでに、川遊びできる場所を見つけられなかった。さらに虎が滝から先に行くには、装備が不十分でこれ以上進めない。打開策を見つけるか、それとも諦めて引き返すか。虎が滝の手前にある四阿(休憩所)まで戻って知恵を絞

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このまま終われない

このまま終われない

ーオレとアチキの西方漫遊記(22)
面河渓(おもごけい、愛媛県久万高原町)の渓流に沿って上流に向かう遊歩道は、虎が滝が終点だ。面河渓の入り口から30分も歩けばたどり着く。ところが、道中に川遊びできそうなところが見つからない。それなりに深さがあって飛び込むなどしてもケガしなさそうなところは幾つかあったが、遊歩道からそこまで降りられる場所がない。やむなく虎が滝の先に進もうとしたら、偶然すれ違った山岳ボ

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