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『彼らは廃馬を撃つ』ホレス・マッコイ
ホレス・マッコイは1900年代前半から半ばにかけて執筆活動に勤しんだアメリカの作家です。同時期にアメリカでは、ヘミングウェイやスタインベックがその名を輝かせていましたが、さまざまな職を転々として作家になった当初のマッコイは無名。フランスで先に評価され、母国でも知られるようになりました。
『彼らは廃馬を撃つ』は、若い男女が賞金を求めて、最後の一組になるまで踊り続けるマラソン・ダンスを物語の舞台にし
『運命と復讐』ローレン・グロフ
アメリカ出身のローレン・グロフは、1978年生まれの若手作家です。日本ではまだ数作品しか翻訳されておらず、彼女の名はあまり知られていないかもしれません。
村上春樹さんが編訳した『恋しくて Ten Selected Love Stories』に収録されていたグロフの短編に衝撃を受け、彼女の長編作『運命と復讐』を手に取りました。この本もとてもいい作品で、グロフは素晴らしい大河恋愛小説を書くなあと思い
『恋しくて Ten Selected Love Stories』村上春樹(編訳)
『恋しくて Ten Selected Love Stories』は10の短編の恋愛小説が収められている1冊です。村上春樹さんがアメリカの雑誌『ニューヨーカー』を読んで気に入った小説など9つの恋愛作品を翻訳し、最後の1つは自身で新たに書き下ろされました。かなりストレートなラブ・ストーリーからちょっぴり苦みを感じるものまで、幅広く収録されています。
あまり日本では翻訳されていない作家のものが選ばれて
『シャーロック・ホームズの事件簿』コナン・ドイル
シャーロック・ホームズシリーズで有名なイギリスの作家、コナン・ドイル。医師として元々働きながら、副業で小説を書き始めたところ、いつのまにか執筆の方が本業になりました。人生には何が起きるかわからないものです。19世紀後半から20世紀前半にかけて、多数の作品を残してきました。推理小説が有名ですが、歴史小説やSF小説も書いています。
シャーロック・ホームズシリーズは、長編・短編ともにありますが、『シャ
『レンブラントの帽子』バーナード・マラマッド(夏葉社)
バーナード・マラマッドは、20世紀の作家で、ロシアからアメリカに移住してきたユダヤ人の両親から生まれました。そのため、『レンブラントの帽子』も含めて、彼の小説には「ユダヤ人」や「ロシア」が題材に使われることも。
ひとり出版社として有名な夏葉社さんから出版された『レンブラントの帽子』には、表題作のほかに2つの短編が収録されています。1975年に刊行された同名の短編集から3編を選んで、2010年に復
『アメリカン・スクール』小島信夫 (新潮文庫)
小島信夫は、戦後に出てきた吉行淳之介、遠藤周作、安岡章太郎らと一緒に「第三の新人」と呼ばれた作家の一人です。
表題作の『アメリカン・スクール』で、芥川賞を受賞しました。
この小説以外に、デビュー作の『小銃』や村上春樹さんが『若い読者のための短編小説案内』で紹介している『馬』など、8つの小説が収録されています。小島信夫の初期の短編作品を楽しむにはとてもいい1冊です。
村上さんが『アメリカン・スクー
『車輪の下』ヘルマン・ヘッセ
ヘルマン・ヘッセは、20世紀ドイツの作家です。
『車輪の下』は彼の代表作品の1つになります。この小説は、ヘッセ自身の若いときの経験が反映されている、自伝的なものです。
村上春樹さんの『ノルウェイの森』で、主人公のワタナベくんが友人の緑の家で夜中に『車輪の下』を読んでいて、この作品の印象が残っていますね。
主人公のハンスは、勉学に励んで神学校へと合格します。入学後も勉強に打ち込みますが、友人ハイ
『さようならウサギ』ジョン・アップダイク
20世紀後半のアメリカを代表する作家の一人であるアップダイク。
『さようならウサギ』は、彼がウサギこと、ハリー・アームストロングを主人公として描いてきたウサギ四部作の最終作品です。
本作では、1980年代後半のアメリカを背景に、1980年代後半のアメリカを背景に、ウサギは50代になって孫が生まれています。ただ、心臓の持病を抱えながら社長業を引退して余暇を過ごしています。
本作も含めて、ウサギ四
『ピアノ・レッスン』アリス・マンロー
アリス・マンローは、カナダの小説家です。
数多くの短編小説を書いてきて、「短編小説の女王」と評されています。
世界的にも影響力のある作家でノーベル文学賞も受賞されましたが、2013年作家としては引退しました。
『ピアノ・レッスン』は、アリス・マンローが初めて書いた短編集です。
15の短編ストーリーが収録されています。
田舎で生まれ育った彼女は、成長して結婚・出産・母の死・子どもたちの子育て・豪邸
『夜想曲集』カズオ・イシグロ
カズオ・イシグロは、世界的にも評価が高いイギリスの現代作家です。
僕もとても好きな海外作家の1人です。
彼の作品をすべてはまだ読めていませんが、『わたしを離さないで』『クララとお日さま』など僕が読んできた作品は、毎回作風が変わるにもかかわらず、どれも心にくるものがあります。また、どれも非常にスラスラと読みやすいですね。
村上春樹さんも、カズオ・イシグロの小説は出版されるたびにすぐ手に取るぐらい好
『かみそりの刃』サマセット・モーム
イギリスの小説家サマセット・モーム。『人間の絆』や『月と六ペンス』が彼の作品として有名です。モームのことは以前から知っていたものの、僕はまだこれらの代表作は読んだことありませんでした。
『かみそりの刃』を知ったきっかけは、村上作品の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の主人公が、この本を絶賛していたことです。村上さん自身も『本当の翻訳の話をしよう』でこの作品をすごくいいと言っていたのも
『大聖堂』レイモンド・カーヴァ―
『大聖堂』はアメリカの短編作家レイモンド・カーヴァ―の代表作です。
僕個人的にも、カーヴァ―の作品の中で1番好きな1冊をあげるとするなら、やはり『大聖堂』を選びますね。
この本には12の短編小説が収録されていますが、そのなかでも表題作の『大聖堂』と『ささやかだけれど、役に立つことは』は特に好きです。すごくいい短編小説です。
他人の痛みや苦しみを理解するのは簡単ではないものの、人は努めればそれを理