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ベトナムの若きオタクたちと、ゴスロリの思い出
ベトナム・ホーチミンに来て半年になる。
平均年齢33.6歳。日本より15歳近く若いこの国は、賑やかだ。バイクのクラクション、音漏れを気にしない自宅カラオケ、柔らかな発音のベトナム語の絶え間ないおしゃべり。平均年齢より2歳上の私は、この街では少し年寄り気分だ。
ベトナムの若者の間では、日本の漫画やアニメが人気だ。街中でドラえもんのグッズをよく見るし、日本でも人気のバスケットボール漫画『SLAM
大人の確信と、ミコノス島──2人の小説家志望の人に会って、村上春樹のエッセイを読み返した話
どういうわけか、今週は本気で小説家をめざしている人に、2人も会った。
週末のコーヒー屋と、平日朝のコワーキングスペース。別々の場所の関係のない2人だ。これまでもそういう人に会ったことがないわけではないけれど、今週の2人はレベルが違う。かなり本気だ。
今の時代、小説家になるには、SNSで先にバズるか、賞をとるからしい。自分の書きたいものを書きたいからと、2人とも作品を書き上げ、賞に応募しているの
ただ、あなたの表現を聴く──映画「地蔵とリビドー」とやまなみ工房の展示
久しぶりに憧れる人に、出会った。
知的や精神、身体に障害をもつ方々がアート作品をつくっている「やまなみ工房」という施設の施設長、山下さんという人だ。
同僚がここがすごいと見つけてきたのがきっかけで、この施設を撮った「地蔵とリビドー」という短編映画を見た。
ホームページを見るのが一番早いけれど、やまなみ工房の人たちの作品は、すごい。
今も渋谷で一部の作品が展示されている
個性(という言葉では
ふたりでいると、呼吸ができるようになる(映画『最強のふたり』感想)
『最強のふたり』を見た。
いい映画って、はじめのシーンから、これはいい映画だと感じさせると思う。
川沿いの道を車でとばす、若い黒人の男性。
助手席には、ひげもじゃのは初老の白人男性。
いかにも訳ありだ。
猛スピードで、ほかの車の間をすり抜けるその車は、警察に追われる。
助手席の男性は、運転する男性に脅されているのか、もしくは常識人として彼をたしなめるのかと思いきや、なんだか楽
ハラリの記事を読んで、目が覚めた話
あぁ、今日も感染者数が増えてる……
買い出しに行くと、近所の商店街は、人はたくさんいるし。みんなで飲んでるバーもある。いっそのこと、取り締まらないと、ダメなんじゃない?
海外渡航者から感染。旅好きで国境を行き来できることに、喜びを感じてきた人生だったけど。今みたいにグローバル化していなかったら、こんなこと起こらなかったかも。
日々コロナのニュースを見るなかで、無意識にそんなことを考えている自
ぬくぬくとこたつでくつろぐようなコミュニケーションをして早10年
「なんかよくわかんないけど、3人が楽しそうなのが、いいと思うんだよね。へんなモチベーションがあって、誰にも頼まれてないのに、ずっと続いてるのも」
大学4年生のころから10年以上、同級生3人でSalmonsというユニットをつくって、週末は一緒になにかしている。
途中途切れたこともあったし、2人になった時期もあったし、物理的距離はだいたい遠かった(石巻、東京、愛知、トルコにカメルーン!)し、仕事も
本の鮮度(2021/1/2)
いい本は、何百年経っても、読まれ続け、古びることはない。
本というとものは、食材のように、新鮮なほうがいいわけではないし。
ファッションのように、流行りにのったほうがいいわけでもない(流行りにのった本は存在するけれど、流行り廃り関係ない普遍的な内容のもののほうがよいという認識は、まだありそうだ)。
でも、個人にとって、「本の鮮度」のようなものはあると思う。
年末年始は、一つ文章を書こうと思っ
「いつか見たことあるもの」と「目に見えないもの」がそこにあるーーピーター・ドイグ展へ
コロナになってからはじめての美術館へ。
東京国立近代美術館のピーター・ドイグ展。
久しぶりの生の絵。
大きいサイズだったこともあってか、目の前に広がる色に、息をのみました。
本当はマスクをとって、色の前で深呼吸したかった!
この絵の空とか。一瞬でどこか旅に連れていかれたかんじがしました。
小津安二郎の『東京物語』の「計算された静けさ」にインスパイアされて描いた絵だそうです。
たしかに、静けさ