僕は喫煙者ではないが、禁煙に成功した人は、人一倍タバコの匂いに敏感になるとか。 父は、 「私は、禁煙しないことを一生誓います」 と、男らしい覚悟を高らかに宣言していたが、 基本的な人生の作戦が 「命を大事に!」 な人なので、数年前に、最もニコチン濃度?の低い電子タバコに切り替えた。 電子タバコでも十分、屁臭い匂いがするのだが、 巻きタバコよりは、全然、それ自体の匂いも。匂い移りも気にならない。 でも、一応、電子とはいえ、タバコはタバコ。 匂いはするのだ。 だが、
卵が先か。鶏が先か。という話を聞いたことは? あるけど、興味がない? うん。君(妻)なら、そう言うと思っていたよ。 実は、どうも最近の研究によると、どちらが先かは、すでに判明しているようだ。 だから、何なん? とでも言いたげな顔をしているね。 うん。君が言いたいこともわからないくはない。 要は、起源や始まりが、『どちらから』だったか、わからなくなってしまう事など無数にあるということが、僕は言いたいのだよ。 そして、それは往々にして日常に潜んでいる割に、意識をしな
「多分だけどさ」 と妻の背中に話しかける。 愛に溢れた、どこか疲れたような冷ややかな妻の視線が僕に突き刺さる。 「これ、僕のために書かれた本だと思うんだよね」 ノートパソコンを指し、僕は一人頷く。 「ほら、直接さ、 鼻毛出てるよ。とか、 チャック全開で勇ましいですね、とか言い難いからさ。きっと、気を遣って下さって・・・」 画面を覗き込んだ妻は、咳払いを一つすると、僕の話を強引に遮った。 「あの 神田昌典さんが、 公然と 【友人にして手強いライバル】と認める
全てが思うほど、うまくはいかないみたいだ。 だが、おしいことは割と多い。 なーんて思う今日この頃。 「父さんのかたきっ!!」 と、三十数年生きた人生の中で言ったことはないが、 娘が、牛乳をこぼし、息子がそれを拭いた時、 「それ・・・ 父さんのしたぎっ!!」 と、叫んだことはある。 「先にシャワー浴びてこいよ・・・」 なーんてカッコ良く決めたことはないが、 「先にシャワー暴れてるよ」 と、娘に告げられ、暴れるシャワーヘッドを全裸で止めたことはある。 「今日は、い
「これに行きます」と娘が決定事項を口にする。 娘が手にしていたのは、ハウジングセンターの広告だった。 『出張ワンワン動物園・お散歩体験』と書かれている広告を眺め、僕は小さく頷いた。 娘は、動物が好きだ。 眺める分には。 リードがピンっと張るぐらいの距離感を保てる関係性を築けるのなら、将来的に家族としてペットを迎え入れることも可能だろう。 リードが緩む瞬間、主人公のボディブローで身体が「く」の字に曲がる雑魚キャラぐらい、娘の腰は引ける。 「前世、エビ?」と妻がボソリと
「どう?」 僕は妻に尋ねる。 先に子どもと夕食を食べていた妻は、僕を一瞥した後でそっと箸を置く。 「いくつに見えますか? 猫派?犬派? に次ぐ ・・・・・・ 三大どうでもいい質問だな」 と、妻は、上半身裸でモストマスキュラーポーズ(ボディービルダーのマッチョポーズと思って頂ければ正解)をするパパへ息を漏らす。 おそらく、ここで妻六級ぐらいの素人なら、そそくさとパジャマを着て大人しく席についてしまうだろう。 残念! んんなぁーんセンスッ!! 妻二段の僕
「さっ、サボったなぁ!!」 と、稲中卓球部の、どこかの回でそんな話があったのを思い出す。 思い描いた理想の自分になるために、努力しなかった自分が目の前に現れ、泣きながら非難する。 そして、『今』にいる自分が、 「現実は、厳しいんだよっ!!」 と『過去』の自分に対して、逆ギレに近い、言い訳をする。 あえて、言おう。 「現実は、厳しいんだよっ!!!」 ・・・・・。 ・・・厳しいのだ。 市内から市内の引越しなど、余裕だと思っていた。 物を整理し、いらない物を捨
思ってたのと違う。 なーんてことは、しょっちゅうある。 だから、大人になってくると、無意識に期待しすぎない癖なんかが、ついてしまう。 はじめから、思っていたことのスケールを小さくしておければ、改めてその物事に出会った時に、ガッカリというダメージが少なくて済む。 そもそも、だ。 「なんで、パパ、おへそが、おでこにないの?」 (参照:絵本・いいからいいから) と娘の(若干ズレている)理想のパパ像と現実がかけ離れているように、なぜ万物が、自分の理想、『こうあるべき』というも
コピーライター。シナリオライター。 と、書いてはいるが、それ以外の仕事もしている。 (LPの文章作成・執筆代行・youtubeシナリオ作成などなど。 また仕事に関する投稿や募集は別の記事で。 もし、気になった場合はコメントをいただけると幸い・・・です。 イマ、ギラギラシテマスカラ。ヤルキアルヨ笑) そして、僕には上司=主任がいる。 こんな、ご時世なので、当然、予期せぬ流行り病で欠員が出て、他の人が穴埋めをする。なーんてこともある。 4月に入り、主任はお子さんの体調が優
始まりがあれば、終わりがある。 スタートしたのだから、ゴールがある。 それが、自分の望んだ形のゴールかは、・・・また別の話だ。 いつの間にか、子どもは成長している。 抱きしめた時の頭の高さや、 抱っこした時の重さもそうだが、 その考え方や、想像力。言葉に驚かさせることが多い。 「ほら、見て」 と娘が、壁に貼られた身長計の前に立つ。 「これ、なんて意味?」 風呂場の前に貼られた身長計には、120cm以上の異性の入浴は禁止と書かれていた。 「じゃあ、もうすぐ、一緒には入れ
それは、土曜日のことだ。 「ママも髪切ったよ。昨日ね」 恐ろしい言葉を息子が口にする。 妻抜きで訪れた実家で、遠慮などあるはずもなく、早々に二本飲んだはずのビールの酔いは、彼方へと消え去り、 冷たい汗が僕の背中を伝う。 二日前。 確かに、娘と息子は髪を切った。 「また、髪切りに行くの」 と、二人は、しっかりと事前報告をし、 見た目にもわかる変化をし、 髪を切った後も、 「髪切ったの!」 と事後報告まで済ませてくれる。 待ってくれ。 ・・・妻も、髪を切った、 だと?
誰にでも習慣はある。 朝起きて、歯を磨く。 だが、人によってそのタイミングは様々だろう。 起床すぐの人もいれば、朝食をとった後で磨く人もいる。両方のタイミングで磨く人もいれば、磨かないという人もいるだろう。 うちには、寝る前、絵本を読む習慣がある。 週末、市の絵本図書館に出向きそれぞれ好みの絵本を選ぶ。 その量は20冊近くにも及び、重量は毎回相当なものだ。 その絵本を無造作に2冊選び、寝る前に読む。 読む当番は、妻。時々、パパそして娘だ。 絵本を選ぶ権利は妻にあり、 気の
noteを見ていて、目についた #はたらいて笑顔になれた瞬間 という応募タグ。 200%主催者の意図することから、ズレているが書く気が起きたなら、止めることはできない。 4月の職場は、きっと、どこもピリピリしている。 少なくとも、うちの職場はそうだ。 言葉自体は、穏やかなワードが並んでいるけれど、 端々に棘のあるイントネーションが含まれてたりする。 新人さんは緊張しているし、 ベテランは通常業務に加え、移動で抜けた人材のカバーや、引き継ぎ、教育などなど。 何度目かの4
どうでも良いカミングアウトをされることがしばしばある。 「おれって、たまごキャラじゃん」 と友人に言われたのは、高校生の頃。 100%純粋な気持ちで、 「・・・いや、知らんがな」 と思わせてもらえた、淡い初体験の記憶が懐かしい。 4月は、どうもこの、どうでも良いカミングアウトに出くわす確率が高い。 「私、最初にダメだと思ったら、もう、ずっとダメなのよ」 「・・・いや、知らんがな」 とは、納税の義務を果たす程度の大人にはなったので、直接口に出すことはないが、 「
イベントがある。 息子の誕生日、それと引っ越しだ。 と言っても、5月だから、一ヶ月も先なのだけれど、 子どもにとっての一ヶ月は、すでにもう「明日」や「すぐ近くにある未来」でしかなく、 過去のことは全て「昨日」もしくは、「赤ちゃんの時」でしかない。 息子は3歳で、(うちの息子なので)未来のことを全て「明日」と言い、 過去の事を全て「昨日」「赤ちゃんの時」と言う。 あまりにも、堂々と、 「昨日さあー」 と、今回の引っ越しを決める要因となった、自宅の天井が水害で落ちた話など
息子が幼稚園に入る。 娘はもう、年長さんだ。 気が付けば、二人とも大きくなった。 毎日触れているのに、 「いつの間に」と、一緒に過ごした大切な時間を意識していないと、 すぐに見落としてしまうモノだから、とても不思議だ。 とても有難いことに、 首が座り、寝返りを打ち、ハイハイをして、歩き、走り、ジャンプし、 風呂上がりには、プロレスラーのように二人でパンツを顔に被り、 ばあばの畑に行ってはキンカン実をもぎ取っては両頬に頬張り、 仕事に行く、じいじを見つけては先回りして