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男から見る育児

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記事一覧

【育児】舌を出す娘

【育児】舌を出す娘

表現という言葉は「表に現れる」と書く。
表情や言葉などを通じて、「表」側に感情や考えが「現」れることが、表現の根本である。

ということは、前もって表に出ていない、表現されていない何かが内側にある、ということでもある。
表に現れているもの以上の「表現」が自己内部に広がっているということだ。
誰しも「ああいえばよかった…」などと思い悩んだ経験があろうが、それは「表現できなかったもの」そのものなのであ

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【育児】娘にはすでに「このおもちゃは私のものだ」という意志があるっぽい

【育児】娘にはすでに「このおもちゃは私のものだ」という意志があるっぽい

私が小さかったころ、車のおもちゃである「トミカ」でよく遊んでいたものである。
その際に父親がやってきて「ちょっと見せてよ」と、トミカを一台すっと取って眺めていた時、私は心の底から「それは俺のおもちゃだから早く返してほしい」と思いながら、気の弱い私は何を言うこともなくただ父親が「奪った」トミカをまじまじと眺めていたものだった。

これは物心ついたころ、たぶん幼稚園ぐらいのときの話であるから、年齢にし

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【育児】枕と化した私

【育児】枕と化した私

生まれた頃の娘は寝返りを打てないので眠る時に動くことはさほどなかったが、いまではつたい歩きができるので非常によく動くようになった。毎度素晴らしい寝相で感心するものである。

この間娘が体調を崩し、鼻が詰まって眠るのに苦労していたことがあった。
呼吸のしやすい姿勢を探してか、何度も頭の位置をずらすのだが、偶然横になっていた私の胸の辺りに頭をことんと落としたことがあった。

それきり胸、脇腹、肩、太も

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【育児】「シナぷしゅ」は偉大なり

【育児】「シナぷしゅ」は偉大なり

テレビ東京で放映されている「シナぷしゅ」は実に偉大な番組である。
赤ちゃんに見せると不思議なほどよく集中してくれる。グズっている時でも、見せたらスッと泣き止むこともある。

おおむね可愛らしいコーナーが多いのだが、唯一ケチをつけるとすれば「がっしゃん!」というコーナーである。
これは、双子の猫である「みーたん」と「ひーたん」が、身の回りのものがつながったりくっついたりする際の擬音語として逐一「がっ

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【育児】おむつ替えはゲームである

【育児】おむつ替えはゲームである

小さいころ、私は狂ったようにゲームをし続けていた。
当時、ゲームキューブで発売された「大乱闘スマッシュブラザーズDX」というゲームをしこたまやってほぼ全クリした。テレビが使えなくなればゲームボーイアドバンスの「パワプロクンポケット6」をやり、選手育成モードの「サクセス」で彼女と遊び続けた結果オールFの選手が完成し「”サクセス”なのに全然成功していない」という悲劇を何度も引き起こしてきた。

ゲーム

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【育児】赤ちゃんを抱っこしたままトイレに行ってみる

【育児】赤ちゃんを抱っこしたままトイレに行ってみる

赤ちゃんを抱っこして外出した時、ふと尿意や便意に襲われることがある。
本来、多目的トイレなんかで赤ちゃんを下ろしてから用を足すのがベスト(というか本来そうすべき)なのだが、赤ちゃんがよく眠っていると「このまま下ろすと起きてしまう」と思ったり、単に下ろすのが面倒になってしまったりして、どうにか抱っこしたまま用を足せないかと考えた。

比較的問題がないのは大便のほうである。というのも、抱っこしたまま椅

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【育児】つかまり立ちした娘、わかりやすくドヤ顔してくる

【育児】つかまり立ちした娘、わかりやすくドヤ顔してくる

娘はいつの間にか机などの少し高いところにつかまって、すっくと立ちあがるようになった。
いわゆる「つかまり立ち」の始まりである。

つかまり立ちをした娘は、覚束ない足取りでゆらゆらと体が揺れる。少し余裕が出ると、こちらを見ては「どうだ」と言わんばかりの顔をしてニコニコとしている。
わたしも、( ˙ 0 ˙ )←こんな感じの顔で「すごいねえ」というと、娘は我が意を得たりとニンマリとする。実に可愛らしい

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【育児】Sサイズのパンツタイプおむつが供給不足すぎる

【育児】Sサイズのパンツタイプおむつが供給不足すぎる

不勉強であった高校生のころ、暇な授業での遊びと言えば電子辞書でいろんなモノを調べることであった。
私は毎日勉強しているふりをしてあれこれ調べていたのだが、以前ちょっとした出来心で「おむつ」ということばを調べると、意味のところに「おしめ」と出てきた。
そこで今度は「おしめ」と調べたところ、意味のところに「おむつ」と出てきた。知的欲求はこうして満たされないまま堂々巡りとなるのかと思い、空しさが胸に去来

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【育児】孫パワーは無敵ではない

【育児】孫パワーは無敵ではない

これは打首獄門同好会の「まごパワー」という曲の冒頭である。

孫には、一般に祖父祖母をメロメロにして自由自在に動かすことができる不思議な力があるとされている。
私の子供も、奥さんや私の親からみれば当然孫にあたる。奥さんの父親や祖母(娘のひいおばあちゃんにあたる)なんかは普段あまり外に散歩に出たりしないらしいのだが、奥さんが娘とともに散歩に行こうとすると、「じゃあ行こうかな」とついてくるそうだ。

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【育児】頭をうって泣いたのにおもちゃをもらってケロリとする娘

【育児】頭をうって泣いたのにおもちゃをもらってケロリとする娘

赤ちゃんが動くようになると、本当に赤ちゃんから目を離せなくなる。家の中にあるちょっとしたものにぶつかるだけで、怪我をする可能性があるからだ。

親としてはなるべく危なくないよう、机などの角に柔らかい素材の物を貼り付けてみたり、キッチンにつながる通路にガードをつけたりと、さまざま工夫を凝らす。考えてみれば日本の和室は畳とちゃぶ台であるが、ちゃぶ台は足も丸いし台も丸いし、畳には多少のクッション性がある

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【育児】赤ちゃんと二人きりになったときの漠然とした不安について

【育児】赤ちゃんと二人きりになったときの漠然とした不安について

普段仕事をしていると、裏側では奥さんが乳飲み子である娘の面倒を見てくれている。たびたび感謝は伝えるけれども、いくら言っても足りないくらいたくさんの苦労を掛けているのだろうと思う。

育児というのは安らかなイメージがある。一般には赤ちゃんがにこにことご機嫌でどたばたしている様子を親がほほえましく眺めている様子だったり、ぐっすりと眠っている赤ちゃんの頭を親がやさしくなでたり、というイメージが想起される

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【育児】神さま、残酷すぎないか

【育児】神さま、残酷すぎないか

旧約聖書によれば、神様は天地を作り終えたあとに人間を作ったとされる。
人間を30年やって思うのは、不完全なところはたくさんあるが、人体は実に良くできたものだということである。
人間にはたくさんの記憶を蓄積する能力もあり、そしてそれを言語化して話し合うこともできる。

しかし、記憶も言語化の能力も、幼年期であればほとんどない。まして、乳飲み子だった頃なんてほぼない。
私自身も小さなころの記憶はほとん

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【育児】娘、何かを話し始める

【育児】娘、何かを話し始める

娘が生まれて早いもので、もう半年が経った。
生まれて間もないころはものも言わず目もほとんど開いていなかったわけだが、時間が経つにつれ加速度的に赤ちゃんは成長していき、こちらのほうが日々驚かされるようになっていく。

最近になって娘は「マンママンマ」とか「ポァ…ポァ…」とかいうようになった。おそらくママとパパと発声したいのであろうが、うまくいったりうまくいかなかったりしながら、懸命にアウトプット

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【育児】目指せ「心のつんつるてん」~娘の服がすぐ小さくなるのを見ていて思ったこと~

【育児】目指せ「心のつんつるてん」~娘の服がすぐ小さくなるのを見ていて思ったこと~

この間、大学時代の写真がFacebookで出てきた。当時着ていたジャンバーを、10年ほど経った今でも私は着ていることに気づいた。私は物持ちがよいほうだが、それにしても10年も同じものを着続けていたのかと思うと、肉体はすっかり成長するのをやめてしまったのだなと痛感する。

娘の体の成長は著しい。
この間までだいぶぶかぶかだった服が、すぐにつんつるてんになる。いつ大きくなっているのだろうと不思議で仕方

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