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横浜ラノベの盟主・神崎あおいさんの作品に注目しよう!|「国内の都市名」が付くタイトルの研究(2)

2秒でわかる本記事の要点


「タイトルに『横浜』が付くラノベ」(46冊)をご紹介する。

・ついでに、ポケベルの歴史も。


概要


 本記事は、1975~2018年の44年間に刊行されたラノベの内、「国内の都市名」が付くタイトルをピックアップ★徹底分析する特集「『国内の都市名』が付くタイトルの研究」の……第2回である!


※注:「『国内の都市名』が付くタイトル」とは、例えば以下のような作品を指します。


<特集全体の目次>


第1回:仙台も浜松も相模原も……みんな穴場!

第2回(本記事):横浜ラノベの盟主・神崎あおいさんの作品に注目しよう!

第3回:相模原キャッツアイ★


第1回からご覧になることをオススメします★


ここまでの振り返り


三葉「さて、前回は『札幌』から『北九州』まで10都市について、『タイトルにその都市名が登場するラノベは何冊あるか?』をご紹介しました」

清水「ふむ」

三葉「結果は以下の通りでしたね」



清水「そうそう!『横浜』がぶっちぎりで多いんですよね

三葉「ということで、今回は……ラノベ界で大人気★『タイトルに<横浜>が付くラノベ』を見てみましょう!

清水「承知しました」


「横浜」タイトルを見てみよう★


三葉「上述の通り、『タイトルに<横浜>が付くラノベ』は46冊あります。これをズラズラっと並べてもよいのですが……」

清水「ちょっと数が多すぎるかも」

三葉「そこで、2冊以上刊行されている『シリーズもの』に注目してみましょう……こちら!



清水「ほぉ……パッと見の印象ですが……」

三葉「ええ」

清水「アレですね。『横浜』をカタカナで表記した作品が多いですね

三葉「あー、本当だ」

清水「なぜでしょうね?」

三葉「んー……横浜の『異国情緒』というか、『バタ臭い雰囲気』というか……カタカナだとそういったムードが伝わりやすいのかな?


「ヨコハマ指輪物語」シリーズに迫る★


三葉「それでは、先ほどご紹介した『シリーズもの』の内、特に刊行数が多い5作品について詳しく見ていきましょう

清水「承知しました」

三葉「まずは……『横浜』タイトルの覇者・『ヨコハマ指輪物語』シリーズ!

※注:上記は、『ヨコハマ指輪物語』シリーズの第2巻のサムネです。Amazonには第1巻のサムネが登録されていないため、第2巻を掲載しました。


清水「『覇者』?」

三葉「ええ、なにしろ『横浜』タイトルの約4割が『ヨコハマ指輪物語』シリーズですからね」



三葉これはもう『横浜』タイトルの代表、顔、リーダー格と言えるでしょう!

清水「なるほど。……で、これは一体どういう作品なんですか?」

三葉「ご説明しましょう。……本作の主人公は女子高生」

清水「ふむ」

三葉「ざっくり言えば、彼女が100年の眠りから覚めた妖魔と戦う物語です。同級生のツンデレ気味のイケメンや、一見お嬢様だけれどじつは喧嘩っ早い女子が仲間です」

清水「ほぉ。横浜を舞台にしたファンタジーですか」

三葉「そうそう。ラブコメ要素のあるファンタジーですね」

清水「ふーん。タイトルの『指輪』というのは?」

三葉「主人公が、特殊な力を秘めた指輪をはめたことから物語が始まるんですよ。その後も、何かとこの指輪がキーアイテムでして」

清水「なるほど」


「YOKOHAMAポケベル」シリーズに注目★


三葉「続いて……刊行数3冊の『YOKOHAMAポケベル』シリーズ!

※Amazonにはサムネが登録されていないため、サムネなしのリンクです。


三葉「ざっくりあらすじをご紹介すると……主人公は女子高生」

清水「ふむ」

三葉「彼女が、ポケベルをきっかけに事件に巻き込まれ……あれやこれやの果てに解決していく物語です」

清水「ほぉ!ポケベルとは時代を感じますね

三葉「ちなみに、第1巻が刊行されたのは1995年です」

清水「95年というと……PHSや携帯電話以前のポケベルの時代だったんでしたっけ?」

三葉「そう!!!」

清水「……ん?」

三葉「そこ、気になりますよね!!!!!」

清水「……まぁ、多少は」

三葉「ということで、ポケベルの歴史を振り返ってみましょう!!



三葉「アレコレ調べている内に楽しくなってしまい、ちょっと細かくなりすぎましたが……ご注目いただきたいのは『96年』!

清水「ポケベルの加入者数がピークに達した年ですね」

三葉「そう!そして上述の通り、本作の第1巻が刊行されたのは……95年!まさにポケベル全盛期に登場した作品だということがわかります」

清水「ふむふむ」

三葉「ちなみに……」

清水「ええ」

三葉『こち亀』に『ポケベル新商法!の巻』というエピソードがありまして」

清水「ふむ」

三葉「『女子高生がポケベルを愛用している。両津がそれを知り、金儲けを企む』というお約束のストーリーなのですが、これが『ジャンプ』に掲載されたのは……96年!」

※上記エピソードは、単行本99巻に収録されています。


三葉「この頃、様々なメディアで『女子高生 × ポケベル』が題材として取り上げられていたことがわかります」

清水「なるほど」

三葉「それからもう1つ……」

清水「ええ」

三葉本作の作者は神崎あおいさん。……じつは、先ほどご紹介した『ヨコハマ指輪物語』の作者でもあるんですよ!

清水「へぇ!」

三葉両シリーズを合計すると21冊!まさに『タイトルに<横浜>が付くラノベ』の盟主と言えるでしょう!

清水「横浜に強い思い入れがあるのかな」

三葉「これはもう、山下公園あたりに顕彰碑を建てるべきじゃないですかね!」

清水「同感ですね」


「ヨコハマ事件ファイル」、「ヨコハマ居留地五十八番地」、「横浜ダンジョン」シリーズをチェック★


三葉「引き続き、『タイトルに<横浜>が付くラノベ』の概要をご紹介します……どうぞ!」


『ヨコハマ事件ファイル』シリーズ

 探偵の彦音と、押しかけ助手のリミの活躍を描いたミステリ。

 なお彦音は、普段は気弱で頼りないが、何かショックを受けると有能な探偵に変身する二重人格キャラである。

 全3冊で完結済み。


『ヨコハマ居留地五十八番地』シリーズ

 明治期の横浜を舞台にしたミステリ。

 主人公は西洋骨董店の店主で、彼が事件に挑戦する様子が描かれる。

 なお、BL要素、オカルト要素を含む作品。

 全3冊で完結済み。


『横浜ダンジョン』シリーズ

 舞台は、魔物巣くうダンジョンが出現した世界。

 前世では「異世界の英雄」だった少年が主人公。

 彼が、前世から引き継いだ知識と能力を使って活躍したり、ヒロインを鍛えたりする様を描いたファンタジー。

 全3冊で完結済み。


……以上★

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(分析:清水、三葉 / 文、イラスト:三葉)

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