「奈良」ラノベを志すあなたには、「京都」ラノベが参考になるかも|「国内の地名」が付くタイトルの研究(8)
1秒でわかる本記事の要点
・「タイトルに『奈良・広島・山口』が付くラノベ」(13冊)をご紹介する。
概要
本記事は、1975~2018年の44年間に刊行されたラノベの内、「国内の地名」が付くタイトルをピックアップ★徹底分析する特集「『国内の地名』が付くタイトルの研究」の……第8回である!
※注:「『国内の地名』が付くタイトル」とは、例えば以下のような作品を指します。
<特集全体の目次>
第1回:タイトルに「都道府県」が付く作品と、「妹」が付く作品、どちらが多いと思う?
第3回:「北海道」ラノベは(大体)Eat or Fight !!
第4回:「全47作★全ての都道府県を網羅したご当地ラノベシリーズ」っていかがでしょう?
第5回:ニンジャ v.s 絶世のブス……あなたはどちらがお好み?
第7回:京都を舞台にしたラノベを執筆するあなたのためのパーフェクガイド★
第8回(本記事):「奈良」ラノベを志すあなたには、「京都」ラノベが参考になるかも
第9回:【総まとめ】「タイトルに『国内の地名』が付くラノベ」のススメ
第1回からご覧になることをオススメします★
「奈良」タイトルを見てみよう★
三葉「それではまいりましょう!」
清水「はい」
三葉「前回は、『<京都>が付くタイトル』をご紹介しました」
清水「ええ」
三葉「そして今回は……『奈良』!」
清水「鹿ですね」
三葉「まずは、『奈良』が付くタイトルの一覧を見てみましょう……こちら!」
清水「全部で5冊。その内3冊が『奈良まちはじまり朝ごはん 1-3』、と」
三葉「そうですね」
清水「なるほど」
三葉「では、いま話題に上がった『奈良まちはじまり朝ごはん 1-3』から大雑把にストーリーを見ていきましょう」
清水「承知しました」
三葉「本作の舞台は……メニューが存在せず、おまかせ料理しか提供しない食堂」
清水「ほぉ」
三葉「人生の壁にぶつかり、悩みを抱えた客たちが、店主の作る料理、そして食堂で働く主人公のお節介によって笑顔を取り戻していく……という人情物語です」
三葉「ちなみに……『深夜食堂』と似ていると感じた方がいるかもしれません」
三葉「なるほど。確かに『店主がメニューにとらわれずに料理を提供する』、『店員と客の交流を描いた作品である』など、共通する点もありますが……」
清水「ええ」
三葉「そのテイストは大きく異なります」
清水「サムネの雰囲気も随分違いますもんね」
三葉「両者を見比べて、その共通点と相違点を洗い出してみるのも面白そうですよね」
清水「確かにね。比較してみると、『あれ、こういうパターンもあり得るのでは……?』なんて気づきがあったり」
三葉「そうそう!……さて」
清水「はい」
三葉「続いて、残りの2冊についてもざっくり確認していきましょう。まずは……『カルラ舞う! 変幻退魔夜行 奈良怨霊絵巻』!」
清水「ふむ」
三葉「これは、マンガ『カルラ舞う!』のノベライズ作品です」
清水「ほぉ」
三葉「大雑把にいえば……特殊な能力を持つ双子の女子高生姉妹が、超常的な事件に挑むアクションですね」
三葉「そして、『奈良町ひとり陰陽師』!」
清水「ふむ」
三葉「舞台は現代。主人公は若き陰陽師。彼が、あやかしを見ることができる幼馴染の女子大生らとともに、日常のちょっとした出来事を解決するほのぼのファンタジーです」
三葉「とまぁ、タイトルに『奈良』が付くラノベを3つご紹介いたしましたが……お気づきでしょうか?」
清水「何です?」
三葉「前回ご紹介した『タイトルに<京都>が付くラノベ』に似ていると思いませんか?」
清水「あー、確かに!」
三葉「以下、『タイトルに<京都>が付くラノベ』を類型した表を再掲いたします」
清水「ふむふむ……例えば『奈良まちはじまり朝ごはん 1-3』は……『料理、カフェ』タイプですね」
三葉「『カルラ舞う! 変幻退魔夜行 奈良怨霊絵巻』はノベライズ作品なのでちょっと外れるかもしれませんが……」
清水「『奈良町ひとり陰陽師』は『妖怪、神』タイプか」
三葉「まさに」
清水「なるほどね」
三葉「無論細かい相違は色々あるでしょうが……ざっくりいえば『タイトルに<京都>が付くラノベ』と、『<奈良>が付くラノベ』は似ているといえるでしょう」
清水「ふむ」
三葉「今後、『タイトルに<奈良>が付くラノベ』を執筆する際には、刊行数の多い『<京都>が付くラノベ』を参考にすると発見があるかもしれませんね」
「広島」タイトルをチェック★
三葉「『奈良』に次いで……『広島』!」
清水「はい」
三葉「まずは一覧表をご覧ください」
三葉「それでは上から見ていきましょう」
清水「まずは『BOYSサイキック・アクション 広島サイレントバトル』……って、アレですよね?」
三葉「本記事を以前からご覧いただいている方には既にお馴染みでしょう。……そう!『BOYSサイキック・アクション』シリーズです」
清水「ふむふむ」
三葉「『BOYSサイキック・アクション 岩手ワンダー・レジェンド』に始まり、『東京』『大阪』『京都』に次いで、ここ『広島』にも登場……というわけですね」
※『BOYSサイキック・アクション』シリーズについては、第4回で詳述しました。
清水「そして、2番目の『広島地図にない村幽霊事件 京都探偵局』は……」
三葉「こちらもご存知!『京都探偵局』シリーズです!」
※『京都探偵局』シリーズについては、第7回で詳述しました。
三葉「以上、『わが国のラノベ界を代表する<タイトルに地名が付くシリーズ>』でした」
清水「はい」
三葉「続いて、『神牌演義 (5) リメンバー! 広島』ですが……」
三葉「これは『三国志』や『西遊記』などをモチーフにしたカードバトルものです。本作は、全6冊の5冊目にあたります」
清水「ほぉ。『遊戯王』みたいなものですか?」
三葉「ざっくり言えば」
清水「なるほど」
三葉「そして最後に……『メイド喫茶ひろしま』を見てみましょう」
清水「タイトルがシンプルですね。昨今のラノベでは珍しいかも」
三葉「確かに」
清水「これはアレですか?舞台は、広島のメイド喫茶ですか?」
三葉「と思いきや……」
清水「ええ」
三葉「東京・池袋なんですよ」
清水「ほぉ」
三葉「広島のヤンキー女子高生が、とある事情から池袋でメイド喫茶『ひろしま』を経営することになる……というのがあらすじです」
清水「主人公が広島出身なんですね」
三葉「そうそう。で、一般的に広島の女性は芯が強く、さっぱりしているというイメージがありますが……本作の主人公もまた然り。竹を割ったよう性格で、人情に厚く、さらに腕っぷしが強い!本作は、そんな主人公が活躍するアクション要素のある人情話です」
清水「なるほど」
三葉「また、お好み焼き、もみじ饅頭、広島カープ、そして映画『仁義なき戦い』など、『広島』テイストの小道具が多数登場するのも本作の特徴と言えるでしょう」
「山口」タイトルも見てみよう★
三葉「最後に……『山口』!」
清水「ふむ」
三葉「それでは、『山口』が付くタイトルの一覧を見てみましょう……こちら!」
清水「ほぉ!『タイトルに<山口>が付くラノベ』は、『ガンパレード・マーチ 山口防衛戦』1作のみ、と」
三葉「ええ。そして既にお気づきかと思いますが、これは……」
清水「『ガンパレード・マーチ』シリーズですよね」
三葉「そうそう!『ガンパレード・マーチ 2K 北海道独立 (1-4)』から始まり、『青森』『東京』でも登場した同シリーズが本州最先端にもお目見え!……というわけです」
※『ガンパレード・マーチ』シリーズについては、第4回で詳述しました。
次回予告
三葉「最後に、ここまでの進捗を確認しておきます。本記事で『奈良・広島・山口』をご紹介したので……」
清水「残りは『長崎』『熊本』、そして『沖縄』ですね」
三葉「明日は『長崎』からスタート!どうぞ最後までお付き合いください★」
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(分析:清水、三葉 / 文、イラスト:三葉)
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