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詩とその周辺

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記事一覧

Tribute to 歌集『母の愛、僕のラブ』

Tribute to 歌集『母の愛、僕のラブ』

from Qai.

歌集『母の愛、僕のラブ』柴田葵(書肆侃侃房)
Now on sale!

本も心もしっかり抱えて逃げぬいて。あなたを燃やせば皆あたたかい
柴田葵

創作とこども|強姦のような青空だった|亜久津歩

創作とこども|強姦のような青空だった|亜久津歩

こんばんは、亜久津歩です。 #Qai#note 、2月の共通テーマは「創作と #こども 」。作品もよし散文もよし、各自思うままに綴ります。

わが家の兄弟のほんわか育児エピソードを書こうかとも考えたものの、ここを避けて通ることはどうしてもできないという出来事があり、向き合ってみることにしました。十年以上を経た後日談とは言え気が重く、公開ボタンを押す直前まで開いたり閉じたりしています。自分語りにな

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【創作と道具】詩の道具/亜久津歩

【創作と道具】詩の道具/亜久津歩

こんばんは、詩人の亜久津歩です。そう名乗らないと忘れられてしまうくらい、詩の完成しない生活を送っています。ンガググ。

さて。今、この記事をiPhone Xで書いている。書くにも読むにもスマートフォンは必需品だ。日常的に子の寝かしつけをしている方なら、共感をもってお分かりいただけるのではないだろうか。

相棒のアプリは「iテキスト」。縦書き・横書きを選べる。日本語の書体は明朝体もゴシック体もヒラ

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【創作と仕事】やめないこと。今はそれだけで/亜久津歩

【創作と仕事】やめないこと。今はそれだけで/亜久津歩

「Qai」のnote、今月のテーマは「創作と仕事」。いざ書き出そうとして、無意識のうちに「仕事」を「稼業」へと置き換えていることに気がついた。

わたしはDTPやライティングでお金をいただいている。そういった「仕事」が詩作にどのように関係・影響しているか‥‥‥を書き出そうとして、そうじゃないなと思った。今、伝えたいことは。

稼業は「仕事」の一部に過ぎない。テキストや書籍を扱う職種なので分野とし

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【創作をやめようとした日】亜久津歩

【創作をやめようとした日】亜久津歩

作るという楽しみまたは症状について

わたしはいつ創作を始めたのかわからないし、創作を「やめる」ということも、本当はわからない。詩を発表しなくなることはあるかもしれないが、何かしら作ってはいるだろう。

そもそもやめ方を知らない。唯一、これで終わりかもしれないと感じたのは、生きること自体をやめようとした日、もう少し正確に言うと、やめるしかないと信じ込んだ日日のことだ。27歳くらいで読まれない詩と

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【詩/リーディング用】世界が君に死を赦すから内なるしをもいのちづなとして(亜久津歩)

【詩/リーディング用】世界が君に死を赦すから内なるしをもいのちづなとして(亜久津歩)



世界が君に死を赦すから
内なるしをもいのちづなとして

2019.6.15 サイタマポエトリーフェス
オープンマイクにて
亜久津歩

どうしてここにいるんだろう
どうしてここにいるんだろう
どうしてここにいるんだろう、わたしは
どうしてここに――いないんだろう
あなたは

微熱が重ねて潤ませる曇り空
いつの間にか また日曜日
火照るからだは内側から冷えていく
役に立たないたましいを窓辺に放っ

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【文学フリマ】文フリや詩集や愛のはなし(亜久津歩)

【文学フリマ】文フリや詩集や愛のはなし(亜久津歩)

こんばんは。Qaiのnote5月26日号、担当は西川火尖と亜久津歩です。いま5月26日午前11時です。文フリを終えてから一昨日までだいぶ黒い日程で仕事をしていまして、昨日は子の運動会で一瞬で今朝で、今です。5月はどこへ消えた? さてさて。

▶︎文フリっていいよねぇ

今回のテーマは「文学フリマ」。まず思うのは「文フリっていいよねぇ」ということ。久しぶりの出店だったのでより感じたのかもしれません。

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詩|「深夜の二時間作詩」2篇

詩|「深夜の二時間作詩」2篇

2019年2月24日
お題:「もう、怖くない」で締めること

怖くない。失くすものがない
から。さびしさに慣れたから。
始めから終わっていたと気づ
いたから。屋上の鍵は壊れて
欄干は錆びて靴を揃えたのに
ちゃんと曇っている。ぜんぶ
嘘だよ。ぜんぶちゃんと怖い、
晴れてなんかやらない。怖い、
終わりが限りないさびしさが
あなたを失くすことが。死が。
生きることはもう、怖くない。

photo /

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詩|「若い人を入れるべき」について

詩|「若い人を入れるべき」について

「詩人とインターネット」の続きです、が、インターネットのことは出てきません。前の記事の「気をつけてほしいこと」について書きますね。あらかた余計なお世話ですが、つい「あなたがやってみたら」なんて言ってしまったので、お伝えしておきたくて。

「若い人が入ってくれてよかったね」

これは、わたしがあるところへ入ったとき、そこの代表が事あるごとにかけられていた言葉です。

そりゃ、そうです。「若い人を入れ

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詩|詩人とインターネット(“若い”方の立場から)

詩|詩人とインターネット(“若い”方の立場から)

Twitterにいる詩人、詩クラスタのグループ別解説(2019年度版)

渡辺八畳さんのこちらのnoteをTwitterで知りまして、なるほどなあ、と拝読しました。それでいくつかわたしなりに、見知っていることや思ったことを書いてみます(あっわたしは「詩と思想」関係者ではありません、念のため)。

「詩と思想」に限らず(というか「詩」に限らず)界隈のあちらこちらで『若い人を入れるべき』『インターネッ

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詩|誰かのために詩を書ける?

詩|誰かのために詩を書ける?

わたしは自分や自分の人生に意味づけたくて、理不尽な暴力にも理由がほしくて、詩のようなものを書き始めた。詩というものも、生き抜く術も、知りようのなかった頃のことだ。

誰にも言えない苦しみに自分なりの意味を与え、名づけ。そうして一つずつ小石をつくり、岸になるよう積んだ。すぐに崩れてはまた。

抱えきれない感情や衝動を、言葉を憑代に身から剥がした。排出されたそれは、まるでわたしの分身か、作品のよう

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詩|「ポエトリー花電車」備忘録※画像多め

詩|「ポエトリー花電車」備忘録※画像多め

おはようございます、アクツです。雨の月曜日、皆さんおつかれさまです。今回は3月2日にあった「ポエトリー花電車」についてです。

主催は宮尾節子さん。〝pw連詩組〟のご縁でお世話になっています、通称「組長(蝶)」。連詩組のことも、いつか改めて書きたいな(記しておきたいのは、「組」とは言っていますが、何らかの思想や信条を共有している組織や団体ではないということ。出入り自由、上下関係もありませんし一枚岩

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