記事一覧
【毎週ショートショートnote】文学トリマー
#毎週ショートショートnote #文学トリマー 「すみません」 「いらっしゃ~い」 「あの…大丈夫ですかね?」 「いいっすよ。ここに座ってもらっていいんで」 見た目チャ…
【毎週ショートショートnote】記憶冷凍
#毎週ショートショートnote #記憶冷凍 時々、夢を見る。 知らないところに立っていて、指一本動かせられない。 どうやら自分は、カチカチに凍っている状態らしい。 な…
【毎週ショートショートnote】真夜中万華鏡
#毎週ショートショートnote #真夜中万華鏡 深夜2時。 俺は頭を抱えていた。 (アレを超えるアレがどうしても生まれない…) 朝の9時までには、できあがった音源を提出…
【毎週ショートショートnote】放課後ランプ
#毎週ショートショートnote #放課後ランプ (こんなところにお店、あったっけ…?) いつもの帰り道、私は部活カバンをかけ直しつつ、その看板を見上げた。 「喫茶 放…
【毎週ショートショートnote】トラネキサム酸笑顔
#毎週ショートショートnote #トラネキサム酸笑顔 「その笑顔!いいねぇ」 真緑のバックスクリーン、焼けるほどの強い照明、目をしかめるほど眩しいライト。 この道30年…
【毎週ショートショートnote】文学トリマー
#毎週ショートショートnote #文学トリマー
「すみません」
「いらっしゃ~い」
「あの…大丈夫ですかね?」
「いいっすよ。ここに座ってもらっていいんで」
見た目チャラそうなお兄さんに促され、壁一面の鏡の前に座った。
「今日はどんな感じで?」
「じゃあ、この『文学コース』を」
「かしこまりましたぁ~、っしゃ!」
いきなりテンションが高くなり思わず吠えそうになった。
低い振動音と共に、長いこ
【毎週ショートショートnote】記憶冷凍
#毎週ショートショートnote #記憶冷凍
時々、夢を見る。
知らないところに立っていて、指一本動かせられない。
どうやら自分は、カチカチに凍っている状態らしい。
なのにちっとも寒くない。
私はなぜ、こんな状態になっているのか。
だがそう思っている間にも、体は少しずつ硬直していく。
私の心臓が止まるのも、時間の問題。
もしかしてこれは、何かのドッキリではないか。
あのプラカードを期待して
【毎週ショートショートnote】真夜中万華鏡
#毎週ショートショートnote #真夜中万華鏡
深夜2時。
俺は頭を抱えていた。
(アレを超えるアレがどうしても生まれない…)
朝の9時までには、できあがった音源を提出しなければならない。
だがどうも、音が降りてきてくれないのだ。
(こういうときは、どうすればいいのか)
俺は目を閉じ、腕組みをして考えた。
…。
気がつくと、窓の外は明るかった。
どうやらそのまま寝ていたらしい。
さて
【毎週ショートショートnote】放課後ランプ
#毎週ショートショートnote #放課後ランプ
(こんなところにお店、あったっけ…?)
いつもの帰り道、私は部活カバンをかけ直しつつ、その看板を見上げた。
「喫茶 放課後ランプ」
私はおそるおそるガラス戸をのぞき込んだ。
そこで目に飛び込んできたのは、猫。
まるで顔だけが人間の、猫。
何てことない感じで、紅茶らしき飲み物をカップに注いでいる。
すると突然、こちらを見た。
(ひゃっ!目が合っ
いつまでも「たかぎなおこ」
#推しのコミックエッセイ
最初の出会いは「150センチライフ」
私の身長は158センチで、つまるところどっちつかずな身長。
低い訳でもなく高い訳でもない、なんとも中途半端な大きさ。
だからという訳ではないが、私はものっすごい小柄な人とものっすごい長身の人を見かけると、ついつい見てしまう。
その熱視線の中身は、羨ましさのようなものがあるかもしれない。
よく小柄の人は、小さい事のデメリットばかりを
【毎週ショートショートnote】トラネキサム酸笑顔
#毎週ショートショートnote #トラネキサム酸笑顔
「その笑顔!いいねぇ」
真緑のバックスクリーン、焼けるほどの強い照明、目をしかめるほど眩しいライト。
この道30年という知見さんは、地味な出で立ちでありながら、被写体の魅力を引き出すことで有名なカメラマンだ。
「その笑顔、今までで一番だよ!」
知見さんが顔を真っ赤にしながら、興奮気味にシャッターを切りつづける。
(あの薬が効いてるんだわ)
【毎週ショートショートnote】春ギター
親父から譲り受けたフェンダーCC-60Sをおもむろに手に取り、西日差す片隅で、あの曲をおもむろにつま弾きだす…。
一番のサビが終わった途端、開け放たれた窓から大量の桜の花びらが吹きこんできた。
その光景にしばし見とれながら、俺は決まって思い出すことがある。
既に故人となった親父はこの曲が好きで、よく弾き語りをしてくれた。
そうしてきまって最後に、生涯で一番愛したというその人の名前を、最後のスト
わたしの本業しごとについて
私はかれこれ3年ほど、社員食堂の仕事をしている。
今回はそのことについて、書いてみようと思う。
きっかけは、前職で常につきまとっていた現実というあきらめと、こうありたいという理想の隔たりにやるせなさを感じたからだ。
それ以外にも、今の状況で精一杯できる職種ではないということも転職を後押ししたことの一つだと思う。
とにもかくにも、前職を全うしながら、ネットで求人を探し続けてたどり着いたのが、今の