CEO

歴史オタクの上に、時々ミリオタ、たまに世界放浪者、自称中東ウォッチャーです。

CEO

歴史オタクの上に、時々ミリオタ、たまに世界放浪者、自称中東ウォッチャーです。

最近の記事

ロシアのウクライナ侵攻の理由は本当にNATO加盟問題なのか?

4日前、ロシア軍が突如ウクライナに侵攻しました。 圧倒的な戦力差にも関わらず、ウクライナ軍は奮戦し、今日まで首都キエフ、第二都市ハリコフを守り向いています。 また、多くのウクライナ国民も又祖国を守るために立ち上がりました。 最初は彼らを見捨てるかに見えたアメリカ・EUをはじめとした国際社会もついにその姿に動かされてウクライナに対する軍事支援に踏切り、同時に国際金融からのロシアの排除など、かつてない強力な圧力をかけつつあります。 今全世界がウクライナに目を向けているといっても過

    • 第一次世界大戦後にドイツがハイパーインフレになった本当の理由

      第一次世界大戦後、ドイツのハイパーインフレで大変なことになったことはよく知られていますね。 ドイツのハイパーインフレの原因は、戦争で大量の国債を発行し、通貨を増やし過ぎたことが根底にはありますが、実はそうなった原因はそれだけではありません。 ましてや一部のハイパーインフレ論者がいうような、一昔前のアベノミクスやリフレ政策のような国債のマネタイズの為でもないのです。。 もちろん原因は1つだけでなく、複数の理由があるわけですが、今回はその一つである、中央銀行の通貨発行権を外国に

      • 歴史は繰り返す、の後に来るもの

        昔から歴史は繰り返す、というのはよく言われます。 かのマルクスの「歴史は2度繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」というルイ・ボナパルトのクーデターに対する皮肉なんかが有名ですが、類似の表現は古今多様にあり、ある意味経験則としてずっと慣用的に使われてきた文句なのでしょうね。 さて、歴史があたかも螺旋のような発展的循環の様相を呈している、つまりヘーゲルの弁証法で言うところの「事物の螺旋的発展」というのは、大きな流れから行ってまさにその通りなのですが、その螺旋は必ず

        • 日本企業はiPhoneを作れなかったのではなく、Appleだけが最初からiPhoneを作ろうとしていた

          何故日本企業はiPhoneを作れなかったのか? ハイ、このお題、よく経済誌とかで日本企業disり、GAFAバンザイ的な文脈で出てきますよね。 実際に日本企業はiPhone的なものは全く作れなかったし、結果として大衰退して目も当てられない状態になってしまったので、後講釈で色々な人が、色々なことが言ったりするのは仕方がありません。 因みにこの問いに対する、自分の答えはこれです。 「Appleだけが、最初からiPhoneを作ろうとしていたから」 いやいや、いくらなんでもそん

        ロシアのウクライナ侵攻の理由は本当にNATO加盟問題なのか?

        • 第一次世界大戦後にドイツがハイパーインフレになった本当の理由

        • 歴史は繰り返す、の後に来るもの

        • 日本企業はiPhoneを作れなかったのではなく、Appleだけが最初からiPhoneを作ろうとしていた

          これからの時代に必要なのは、MAGIシステムみたいな会社なのかも

          よく人間の可能性は無限、とか言いますね。 子供の頃はよくその手の話を聞いたものですが、歳をとって来ると色々としがらみも増え、肉体的精神的な衰えもあって、選択肢が狭まり、可能性とかという言葉とはとんと縁がなくなっていきます。 そしていつしか毎日同じルーチンも繰り返しとなり、そのスピードがだんだん遅くなってやがて死を迎えることになります。 でも本当にそうなのでしょうか? 人間の潜在的な可能性というのは、実はそのスペックだけ見ると自分が思うより、遥かに大きなものです。 例えば人の

          これからの時代に必要なのは、MAGIシステムみたいな会社なのかも

          空間オーディオに対応したNetflixがマジで凄すぎるんですけど

          Appleの空間オーディオに遂にNetflixが対応したので、早速試してみました。 空間オーディオとは分かりやすく言うと、対応機器を使うと、普通にヘッドホンで聴いていても音声が左右からではなく、どう見てもたくさんスピーカーがあるかのように、別のところから音が聴こえるようになるという仕組み。 これがともかく凄いです! 例えば普通なら左右のヘッドホンから聴こえるはずの音が、何故か正面から聴こえたりします。 ここまでならまだ分かるんですが、ここで顔を右に向けると、今度はその音

          空間オーディオに対応したNetflixがマジで凄すぎるんですけど

          厨二病は知性への目覚め?

          多かれ少なかれ思春期には厨二病とか高二病みたいな、何か拗らせたような言い回しが妙に気になる時期があるものです。 この手の黒歴史は大人になってみると気恥ずかしいものですが、更に年代が進みオッサンになってみると、実はある種の知性の目覚めだということに気がつきます。 人間が他の生物と異なり高い知性を持つのは、他の生物が持たない言語を持っているせいです。 言語とは単なるコミュニケーション手段ではなく、経験や暗黙知まで含めた全ての知識体系を社会に共有、継承する手段であり、この積み重ね

          厨二病は知性への目覚め?

          IT化を阻む本当の理由ってやっぱり現場だよね

          業種や会社によって違いますが、一日8時間週5日間働くというのが日本社会の労働の典型的なパターンでしょう。 ところが機械というのは、基本的に24時間365日働きます。 ということは、サービスをIT化すると人がいなくても24時間稼働するサービスがつくれることになります。 SAAS型と呼ばれているビジネスの大半がこのような形態です。 しかし既存のビジネスをIT化しようとすると、これが大きなネックになります。 その結果、人の稼働時間にシステムを合わせざるを得なくなり、例えば登記情報

          IT化を阻む本当の理由ってやっぱり現場だよね

          週間版【今日の歴史】(4月15日〜4月21日)100年戦争を終わらせたフランス国民軍の勝利

          100年戦争と言えばジャンヌダルク。 ジャンヌダルクによるオルレアンの解放は有名ですが、実際に100年戦争が終わったのはオルレアン解放戦から20年後のことで、その原動力となったのが初めて編成された国民軍の力によるものでした。 当時の軍隊の主力は戦争の度に貴族が雇用する傭兵隊が主力で、褒賞はもちろん戦地での略奪が彼らの主たるインセンティブでした。 リッシュモン大元帥は貴族の徴税権を奪い、これを原資に募兵した国民軍を主力とするという兵制改革を実施しました。 折しも長引く戦争が徐

          週間版【今日の歴史】(4月15日〜4月21日)100年戦争を終わらせたフランス国民軍の勝利

          週間版【今日の歴史】(4月8日〜4月14日)敵の敵は味方

          イギリスとフランスと言えば歴史上一貫してずっとライバル。 しかし、そこに第三の敵が登場するとなれば、一転共闘してきたのが近代のヨーロッパ史の骨子と言えます。 第三の敵とはいうまでもなくドイツ。 プロイセンによりドイツが統一されたのは1871年のことで、日本の明治維新とほぼ同時期のことです。 近世以降のイギリスとフランスの対立は基本的に植民地の争奪を巡るもので、最初はアメリカ大陸、次いでアフリカの分割を巡って争い、1898年に両軍がスーダンのファショダでぶつかった時は危うく戦

          週間版【今日の歴史】(4月8日〜4月14日)敵の敵は味方

          週間版【今日の歴史】(4月1日〜4月7日)紅海の出口を確保せよ!

          世界104カ国を訪問したことのある私ですが、過去2回も渡航ビザを取得しながら遂に訪問の機会なく今に至る国があります。 それはアラビア半島の南端にあるイエメン。 かつては幸せのアラビアと呼ばれ、シバの女王で有名な古代シバ王国として栄えた歴史のある国なのですが、このところほとんど切れ目なく内戦が続いている国です。 そもそも部族国家で全くまとまりのない国なのですが、大元の原因を作ったのは例によってイギリスが南部を中途半端に占領し、植民地にしたこと。 欧米の植民地統治技術は、分断統治

          週間版【今日の歴史】(4月1日〜4月7日)紅海の出口を確保せよ!

          週間版【今日の歴史】(3月25日〜3月31日)黄金の床几戦争

          日本の三種の神器みたいな伝説の王位継承の証というのはファンタジーなどによくありがちですが、実際の歴史にはそうそうあるものではありません。 そういう数少ない王位継承の秘宝の一つを巡って戦争になったのが「黄金の床几戦争」 アフリカのガーナにあったアンシャンティ王国の王位継承の証を巡ってイギリスと4回も戦争したというのが凄いですが、何より凄いのはアンシャンティ王国は未だにガーナ共和国内の立憲君主国として未だに存在しているということ。 伝統の力を感じますね。 ☆ 3月25日 黄金

          週間版【今日の歴史】(3月25日〜3月31日)黄金の床几戦争

          週間版【今日の歴史】(3月18日〜3月24日)フランスを滅ぼしたテンプル騎士団の呪い

          利子と複利の発明は人類史上最大の発明と言われることがあります。 現在の私たちが謳歌している繁栄の多くは、資本主義の発展によるものですが、資本主義と利子とは切っても切れない関係にあるからです。 資本主義は近代ヨーロッパにおけるプロテスタンティズムを思想的なバックグラウンドにしていますが、中世ヨーロッパにおいても、利子により膨大な富を蓄えた人たちがいました。 それが、よりによって十字軍の末裔テンプル騎士団だったことから、その富は後に各国の羨望とそして嫉妬の的となることになりました

          週間版【今日の歴史】(3月18日〜3月24日)フランスを滅ぼしたテンプル騎士団の呪い

          週間版【今日の歴史】(3月11日〜3月17日)変態皇帝の最後

          ネロ、カリギュラ、コンモドゥス、カラカラなど悪名高いローマ皇帝の中で、一番最悪な皇帝は誰か?と問われれば、恐らくトップに君臨するのがヘリオガバルス帝(エラガバルス) 何が最悪といえば、ローマ皇帝だけでなく歴代帝王の中でダントツの性的倒錯者。平たくいえば超変態。 一説にはトランスジェンダーの祖として最近は一部で人気があるという話もなくはありませんが、個人的な性的な趣味を国政に持ち込まれたら人民はたまったものではありません。 速攻で暗殺されたのも、まあ当然といえば当然でしょう。

          週間版【今日の歴史】(3月11日〜3月17日)変態皇帝の最後

          週間版【今日の歴史】(3月4日〜3月10日)赤髭皇帝バルバロッサ

          ナチスドイツのソ連侵攻作戦として名高いバルバロッサ作戦。 それまでドイツは侵攻作戦に、白作戦(ポーランド侵攻)、黄色作戦(フランス侵攻)など単純な色の名前を用いていましたが、対ソ連戦だけは少しひねって赤髭(バルバロッサ)として知られる歴史上の人物の名前を作戦名に使いました。 しかし、肝心のバルバロッサ作戦が失敗したため、翌年の攻勢作戦は再び色に戻され青作戦(ウンターネーメン・ブラウ)と名付けられることになりました。 因みにこの青作戦の結果、スターリングラードでドイツ軍は大敗し

          週間版【今日の歴史】(3月4日〜3月10日)赤髭皇帝バルバロッサ

          週間版【今日の歴史】(2月25日〜3月3日)皇帝軍総司令官 一代の英傑ヴァレンシュタイン暗殺さる

          30年戦争のクライマックス、北方の獅子ことスウェーデン王グスタフアドルフ対傭兵上がりの皇帝軍総司令官、デア・フリートランデル(フリートラント公)ことヴァレンシュタイン。 この二人が対峙したリュッツェンの決戦では、グスタフアドルフがヴァレンシュタインを破るも、自らは戦死。 スウェーデン軍自体も大損害を被りその進撃は完全に停止しました。 こうなると権力を持ちすぎたヴァレンシュタインはもはや用済み。 1634年2月25日、皇帝の命を受けたと考えられる部下に裏切られ、暗殺されてしまい

          週間版【今日の歴史】(2月25日〜3月3日)皇帝軍総司令官 一代の英傑ヴァレンシュタイン暗殺さる