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Bicerinの料理教室 〜ズッパイングレーゼ〜

以前ご紹介したペレグリーノ・アルトゥージのレシピ本『La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene』に載っているドルチェで、フィレンツェの豪商メディチ家のパーティで振る舞われたとてもクラシックなお菓子です。

このお菓子を作るのに欠かせないのがアルケルメス!
詳しくはこちらの記事でもご紹介致しましたが、古くから修道院で作られるこの真紅のリキュールが欠かせません。
Amazonなどでも手に入りますし、お菓子作りがお好きなようでしたら、是非一本手元に置いておくことをお勧めいたします。

さて、今回ご紹介するズッパ・イングレーゼですが、イタリア語を訳すと「イギリス風スープ」という少し変わった名前です。
この名前がついたのは二つの理由があります。

まずは「イギリス風』について。
このドルチェの起源は16世紀と言われており、今のトスカーナ州フィレンツェの名門メディチ家がイギリスの貴族をもてなすために作ったと言われています。
というのもイギリスには同じような作り方をする「トライフル」というデザートがあり、ゲストが故郷を偲べるように、おもてなしの一環としてお出しした!というのがBicerin的な最有力説。
そのため「イングレーゼ」がついているんですね。

ズッパ=スープ について。
日本では通常スープのことをズッパと訳されることが多いのですが、実は細かく紐解いていくと、パンなどにスープなどを染み込ませたものもズッパと呼び、パンを使わないスープのことをミネストラとして呼び分けるのが歴史的には正しいようです。
そのため今回使われている意味としては、リキュールを染み込ませたサヴォイアルディを使うため、「ズッパ」となったようです。


・ 牛乳 500g
・ 砂糖 85g
・ コーンスターチもしくは薄力粉 40g
・ 卵黄 4個分
・ バニラエッセンス 少々


・ サヴォイアルディ(ビスケットで代用可)250g
・ アルケルメス 少々


・ デコレーション用フルーツやチョコチップ等


カスタードクリームを作ります。
まずは牛乳を鍋で沸かし、バニラエッセンスを加えます。沸騰直前で火から下ろしておきましょう。
次に卵黄と砂糖を泡立て器でよく混ぜた後、あらかじめフルイにかけておいたコーンスターチもしくは小麦粉を加え、さらに混ぜます。
ここに先ほど温めておいた牛乳を少量ずつ咥えながら、さらによく混ぜます。
牛乳を全て混ぜ終わったところでこれをザルで濾すことで、さらに滑らかになります。
ここで、この卵液を牛乳を沸かした鍋に戻し、中火にかけながらゴムベラで混ぜ続け、卵液全体が沸いてきたらバターを加えさらに1分ほど混ぜる事で、なめらかなカスタードクリームになります。


サヴォイアルディをバットに広げ、アルケルメスを垂らし、サヴォイアルディに満遍なく染み込ませます。


お好みの器に盛り付けます。
アルケルメスの染みたサヴォイアルディを器に敷き詰め、上からカスタードクリームを敷き詰めます。さらにサヴォイアルディ、カスタードクリームを交互に敷き詰めましょう。
お好みで2〜3段づつ重ねたら、最後にお好みのフルーツやチョコレート、刻んだナッツなどを飾り付けて、冷蔵庫でしっかり冷やせば完成です。

カスタードクリームを作るのが少し大変ですが、それ以外は小さなお子様と一緒にできるとても簡単なものでますので、是非ご家庭でも挑戦してみてくださいね!

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