TOKYO四畳半キャンプ C-005世間という神様の正体についてNo.5

大学時代。一番面白かったのはP商会という会社のバイトだった。ある日軽音の部室に行くと貼ってあったチラシ。当日現金支払い可能、飯付き、拘束時間全て給料有り、みたいな内容。あやしい。。。それがきっかけだった。

大学からチャリで五分ほどのところにある真っ黒な建物。中に入るとおびただしい数のビデオ。エロいものからエロくないものまであって圧倒される。

行くとすぐに面接され、一通りの簡単な質問が終わって社長がふいにぽいっとテーブルの上に置いたのが100万円の束2つ。僕はすかさず立ててみて、「おお!立った!立つけど頼りないっすねえ!」とか「これでビンタしてみていいですか?」とか「100万円の束をパラパラ漫画みたいにすると涼しくなるか?」とかやって遊んでたら採用されてた。どうやら社長、バイト候補が札束を見たその瞬間の反応で採用不採用を決めてたようで、後にも先にもこれを超えるバイト採用方法を見たことがないし、そのあと僕が連れて来る人はみんな採用するけど、紹介した重みはきっちり乗せられた。誰かが羽目を外すと僕に全部乗って来る、みたいな。その分給料もよかったけども。

仕事は主に、倒産する直前のお店に深夜に乗り付けて朝が来るまでに現金買い付けでよいやさーって全部運び出して、倉庫に戻って全部クリーニングしてパッケージングし直して別のところへ出荷。新店オープンの時にはタテカンを立てては警察に追いかけられる、みたいなやつはかわいいもので書けない内容の方が多い。倒産で泣いているオーナー夫婦を裏から逃し、ざわめくバイトに金を握らせて手伝ってもらったり、なぜかバイトの同窓会が始まってしまってそんなパーティの中で撤収の仕事をしたり、新店オープンのオーナーが絶好調で僕らまでいい目を見させてもらったり、悲喜交々を直に見せてもらったこの時期の経験はとても貴重なものだった。

その後、社員の先輩はエロCD-Rで一発当てたと聞くが、そのあとどうなったんだろう?僕は社長からスカウトされてたけど、まんまと楽器メーカーに受かっちゃったのでごめんなさいした。元気かなあ、社長。東京湾に沈んでないといいなあ。。。

で、就職して初任給を見て愕然とする。
やばい、、、バイトの方が遥かにずっと稼げてた。。。。。。

今思うと、世間から一番遠かったのはバイトをしてる間だったのかもしれない。法律的にはほぼほぼアウトの世界で、ガチで生きてる人たちと交わる。原田宗典の「十九、二十」という小説の中身とよく似た感じの生活で、概ねエロ本がエロビデオになったくらいの差だった気がする。よく覚えてないけど。

僕の中のグレーゾーンを目一杯使う方法論はこの時の影響がでかい。概念的には、グレーを広げながらじわじわ白くしていくのが仕事だと思ってる。今の資本主義社会では。まあねえ、世の中白黒だけじゃすまないんだよね。

みたいな。ほぼほぼグレー。

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ばたーさん

楽器メーカーにえらく長く勤めたあと退職。その間、並行してテクノロックバンドで歌ったり、〇〇ゲリラなどの企画をやったり、〇〇〇再生委員会をやったり。最近は四畳半キャンプをしつつ、次のための準備をしてます。週二回くらい12:00頃に更新。

TOKYO 四畳半キャンプ

45歳 会社員 兼業ミュージシャン?が 長期に渡る鬱の期間を脱して?無事??会社を脱出し 東京に移住して四畳半でキャンプ生活をはじめた
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