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Seasons of Love 日本、アメリカ、そして世界

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社会のこと、世界のことについて、徒然なるままに語ります。
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#映画

タイタニックと教室の片隅の小さな私

タイタニックと教室の片隅の小さな私

25年前に大ヒットした映画「タイタニック」のリマスター版を観てきた。
映画の懐かしい映像に触発されて、25年前の自分がどこで何をしていたのか鮮明に思い出すことができた。この映画が公開された1997年、一緒に映画館に足を運んだ当時の友達とは、今は誰一人連絡先も分からず、どこで何をしているのかも知らない。現在の私の親友たちとはもう長いつきあいだが、1997年の頃はまだ知り合ってさえいなかった。そう考え

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カワイイはもう古い

カワイイはもう古い

サンフランシスコに20年暮らしている友人が、先日、ラインで私にこんな話をしてくれた。

CNNなどのニュース番組で海外の諸都市を紹介するコーナーで、数年前から「ロンドン、パリ、ソウル!」と読み上げられるようになった。以前だったら「ロンドン、パリ、東京!」の順番だったはずなのに。いつのまにか東京はソウルに抜かされていたんだ。

今の韓国には経済や文化を含めとても勢いがあるから、ソウルが世界から注目さ

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文学に生きる滑稽な人々について

文学に生きる滑稽な人々について

この日を待ち望んでいた!

大ヒット漫画「響―小説家になる方法」が9月14日ついに映画化された! さっそく観に行った。がっかりだった。多くの読者を魅了し、2017年のマンガ大賞にまで登りつめたこの素晴らしい作品を、どうしてこんなにつまらない映画に仕立ててしまったのかと、悲しみが胸に広がった。

原作漫画を読んでいない人がこの映画を観たら、おそらく何だか分からない作品だと思うだろう。

つまり、主人

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映画「デトロイト」を観て感じた、絶望の中にあるアメリカの希望

映画「デトロイト」を観て感じた、絶望の中にあるアメリカの希望

先日公開された映画「デトロイト」は、イラク戦争を描いたキャサリン・ビグロー監督の作品とあって、期待して観に行った。そして期待通りの絶望を味わった。1967年に起きたこの暴動のことは前から知っていたので、結末も知っていたが、あらためて突きつけられると、暗澹たる後味がある。

なので映画の感想として、私はあえて、アメリカの希望について語ろうと思う。

1967年と2018年とでは、アメリカはどう変化し

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