屋上階より

私の言葉の供養場です。

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午後2時

僕は未だベッドから身体を起こせずにいる。 ただ呆然と、ほんの少し開いたカーテンの隙間を見つめるばかりだ。そこから射し込む光で、今日は天気が良いことが分かった。 …

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明くる

どうしようも無い闇が、私を覆った。 黒く光った森を連れた“それ”は、私の身体中に纏わりつき、眼を隠す。 温く濁った瞳の奥。枯れた木々が囃し立てる耳の奥。咳切れた血…

屋上階より
4週間前
7

早朝に鳴く

アラームを止めようと伸ばしたあなたの腕が、私の顔にかかる。 そのまま抱き締められ、貴方の胸元の、柔らかな香りに包まれた時、私は心底、生きているのだと、穏やかな睡…

屋上階より
2か月前
7

無題5

皆様、暫くぶりですね。 お元気でしたか。「まぁまぁ」なら、上等です。 漸くカレンダーに、脳味噌を使って向き合わなくてはと思い立った11月が終わり、12月ももう約1週間…

屋上階より
5か月前
3

今日も、よく生きたと、自分の腕を抱き寄せた。 今日はもう、ゆっくり眠りについて。 明日はまた、忙しなく1日を生きる。 誰かの優しさに気付けないまま、垂れ流れる孤独を…

屋上階より
9か月前
9

きらきら

全部全部、消えちゃえ!って思った。 髪の毛は右側が上手く巻けなくて、新しく買ったリップは今日のメイクとちぐはぐで、左目の二重がほんの少し、いつもより狭かった。 …

屋上階より
9か月前
8

無題4

あぁ苦しい。痛くて堪らない。 気分を上げる為に爆音で聴いていた音楽も、今は微量の音すら神経を逆撫でするから、私は無音室のような部屋で1人「これ」を書いている。 社…

屋上階より
10か月前
1

「僕、死にたいと本当に思った事、一度も無いんです」 血管も透けるような青白い肌の少年は、私にそう言った。何か言葉を発する度に首を横に動かす癖は、発言するというこ…

屋上階より
10か月前
9

ミッドナイトカット

手首に這っている。それは今も変わらず。 消し去りたくて掻きむしったら、新しい赤が糸を引いただけだった。 愛した日々も、人も、物も、消えては産まれるこの世界で、私は…

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ネトフリ感想文「太陽の子」を観て

面白かった。 戦争を題材にした映画を「面白かった」というのは御門違いな気がして未だに気が引けるし、適当であると思えないのだが、これには幾つか理由がある。 まず一つ…

6

花を結う

遥か頭上、その雲は流星の如く細く儚い。 口に含んだ檸檬水の、柔くも鋭い光に、私の意識は明瞭になる。 眼前の男が昔吐いた言葉は、この世が如何に平和なものであるかを…

7

無題3

聞いて下さいな、さっき更新した「無題2」。 あんなに前向きな感じで書いてたでしょ? 一変、心がどんより、しんどくなってきてしまったのですよ。まったく本当に急なもん…

7

無題2

ふざけんなって思いますよ。 何に対してかは分かんないんですけどね。 いつもそんななんです。何に対して怒っているのか、何に対して悲しんでいるのか、明確な理由は無いの…

5

Blue.

寝転んだ床に押し付けた頬が、緩やかに冷えていく。 目線の先にある携帯の画面は、今も暗いままで、私は何が表示されることを望んでいるのだろうか。 頭の右側が鈍く痛む…

5

Lie、僕を殺して

崇高な群青色の空を見上げた彼女が放った一言は、僕のこれからを呪うには充分だった。 繋いだ掌は僕らには眩しすぎたようで、離した先にあるのは空虚な冬の風だけだ。 僕…

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肌に穿つ

限られた小さな箱の中で泳ぐ、金魚の尾鰭。 赤い絵の具を水に落とした時のように揺れるそれを、私はただ茫然と眺めていた。 貴方の触れた、肌の痺れに甘やかされて、今日も…

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午後2時

午後2時

僕は未だベッドから身体を起こせずにいる。
ただ呆然と、ほんの少し開いたカーテンの隙間を見つめるばかりだ。そこから射し込む光で、今日は天気が良いことが分かった。

学校を終えた子供達が傍の道を走っていく音。自転車の車輪が軋む音。立ち話に興じる主婦達の笑い声。
僕自身はというと、どうせ野垂れ死ぬだけの、駄作の中に生きている。

僕も少し前までは、一般の彼等と同じ、一般の自分であった。笑って、泣いて、怒

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明くる

明くる

どうしようも無い闇が、私を覆った。
黒く光った森を連れた“それ”は、私の身体中に纏わりつき、眼を隠す。
温く濁った瞳の奥。枯れた木々が囃し立てる耳の奥。咳切れた血の味に塗れた喉の奥。
遠くの山並に陽が昇り、暗がりが碧く燃えた。
濡れた枯葉の上、擦れた膝を抱いて蹲る私の、冷えた肩は小刻みに揺れる。
何処から走り続けて、此処に来たのか。
何から逃れて、此処に来たのか。
今となっては、分からない。
しか

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早朝に鳴く

早朝に鳴く

アラームを止めようと伸ばしたあなたの腕が、私の顔にかかる。
そのまま抱き締められ、貴方の胸元の、柔らかな香りに包まれた時、私は心底、生きているのだと、穏やかな睡魔に目を閉じた。
あなたが隣にいる間、私の思考が止むことは無い。常に脳の何処かがぐるぐると目まぐるしく動き、あなたの中の私を探す。
あなたが着ている私のスウェット、あなたが私の家で洗った下着、私の匂いの染みついた骨ばった長い指。全てに私の片

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無題5

無題5

皆様、暫くぶりですね。
お元気でしたか。「まぁまぁ」なら、上等です。

漸くカレンダーに、脳味噌を使って向き合わなくてはと思い立った11月が終わり、12月ももう約1週間も経ってしまいました。どんどんと日々の流れに取り残されているような気になって、焦るのは何故でしょうか。
何かを成したいと、心の奥底、どこかで思っているのでしょうけれど、寝てしまえばまた振り出しで、いつもの生活を全うするに至ります。そ

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生

今日も、よく生きたと、自分の腕を抱き寄せた。
今日はもう、ゆっくり眠りについて。
明日はまた、忙しなく1日を生きる。
誰かの優しさに気付けないまま、垂れ流れる孤独を掻き寄せたまま。
いつかの「私」をテーマにした発表も、今の私には軽すぎると感じられるようになったくらいには、様々な事象を過ぎてきたのだと思える。
誰かに抱き締められなくとも、誰かによく頑張ったと褒められなくとも、今のあなたも、私も、十分

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きらきら

きらきら

全部全部、消えちゃえ!って思った。

髪の毛は右側が上手く巻けなくて、新しく買ったリップは今日のメイクとちぐはぐで、左目の二重がほんの少し、いつもより狭かった。

彼氏のLINEは2時間返って来なくて、友達からの相談は溜まっていく。
でも誰も、あたしの声は聞こうとはしてくれない。

いいんだ〜、だってあたし、大人っぽいから。

誰よりも思考を練り上げて、誰よりも早く、大人にならなきゃって努めてきた

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無題4

無題4

あぁ苦しい。痛くて堪らない。
気分を上げる為に爆音で聴いていた音楽も、今は微量の音すら神経を逆撫でするから、私は無音室のような部屋で1人「これ」を書いている。
社会に準ずる事で得てきたものは、僅かばかりの金と、無駄に達者になった言い訳を言う頭くらいで、あとは、失ったものの方が大きいかもしれない。
学生時代、大人という存在は果てしなく大きいものに思えていた。この世界を牛耳っているのは無論大人達であっ

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鳥

「僕、死にたいと本当に思った事、一度も無いんです」

血管も透けるような青白い肌の少年は、私にそう言った。何か言葉を発する度に首を横に動かす癖は、発言するということに対する、この時期の少年が抱く独特の気恥ずかしさを隠す為の、精一杯の行為であった。鼻まである前髪の隙間から見える目は、猫のように吊り上がっていて、それでいて切長で。そこに嵌め込まれた真黒な瞳は、大人の妖艶さと、まだ少年らしい幼気な甘さを

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ミッドナイトカット

ミッドナイトカット

手首に這っている。それは今も変わらず。
消し去りたくて掻きむしったら、新しい赤が糸を引いただけだった。
愛した日々も、人も、物も、消えては産まれるこの世界で、私は息をする。
全てが正しい、この世界で。
そこに、私は居ない。
私の人生に、続きがあるとするならそこは、どんな場所だろう。和やかな空気と笑い合える場所だろうか。忙しない哀しみに押し潰され、独り涙する場所だろうか。
そのどちらにせよ、抱きしめ

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ネトフリ感想文「太陽の子」を観て

ネトフリ感想文「太陽の子」を観て

面白かった。
戦争を題材にした映画を「面白かった」というのは御門違いな気がして未だに気が引けるし、適当であると思えないのだが、これには幾つか理由がある。
まず一つ目、「表情」。
今は亡き三浦春馬さんの、防空壕に避難したシーンだ。戦地から帰り、穏やかなひと時を過ごすと思われたのも束の間、空襲警報が鳴り、一同避難した。その際の、戦闘機の飛ぶ空を見上げている時の表情が、他シーンでの、母親役田中裕子さんの

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花を結う

花を結う

遥か頭上、その雲は流星の如く細く儚い。
口に含んだ檸檬水の、柔くも鋭い光に、私の意識は明瞭になる。

眼前の男が昔吐いた言葉は、この世が如何に平和なものであるかを、私に思い知らせた。
そうか、私は幸福な時代に生を受け、こうして時間を浪費しているのか。
垂れ流れている底無しの愛憎が渦巻いては、私の身体を引き摺ろうとして止まないのに。
血の滲んだ爪を噛む。黒く濡れた髪は振り乱れて、まるで鬼婆の様に。紅

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無題3

無題3

聞いて下さいな、さっき更新した「無題2」。
あんなに前向きな感じで書いてたでしょ?
一変、心がどんより、しんどくなってきてしまったのですよ。まったく本当に急なもんで、どうしてみようもなく、とりあえず上げなくてはと音楽を聴いています。
今回は理由がハッキリしているんだぁ。
かつて好きだった人、好きでいてくれた人が、突然「飽きた」と連絡を絶った人が、ついに離れてしまった。いや、私としてはね。ただ無心に

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無題2

無題2

ふざけんなって思いますよ。
何に対してかは分かんないんですけどね。
いつもそんななんです。何に対して怒っているのか、何に対して悲しんでいるのか、明確な理由は無いのに、どうしてか心が苦しくなっては潰れるんです。
どうにも鬱憤を溜め易い性格のようで、それを消化しにくいタチらしく、私はいつも窓際で煙草を吸いながらコーヒーを飲んで、音楽に包まれる事を選びます。あ、あと最近は料理を作ることも趣味になりました

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Blue.

Blue.

寝転んだ床に押し付けた頬が、緩やかに冷えていく。
目線の先にある携帯の画面は、今も暗いままで、私は何が表示されることを望んでいるのだろうか。

頭の右側が鈍く痛む。

痛いだけの恋なら、初めから教えておいて欲しかった。暗がりの中、ただ盲目に手を伸ばして、「愛であろう物」に縋り付いて。
本当はこうして、熱い抱擁を、柔らかな接吻を、欲しがっていただけだったのだろうか。
あるいは、もっとその根底。

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Lie、僕を殺して

Lie、僕を殺して

崇高な群青色の空を見上げた彼女が放った一言は、僕のこれからを呪うには充分だった。
繋いだ掌は僕らには眩しすぎたようで、離した先にあるのは空虚な冬の風だけだ。

僕が生まれてこのかた果てし無く連れ歩き続けている『孤独』達は、未だ消える事無く僕の足元に纏わりついていて、拭い去る気も毛頭無くしてしまっていた。
生を諦めようとした事は幾度かあったが、その度己の弱さに甘えて他人を求めた。

触れないでくれ、

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肌に穿つ

肌に穿つ

限られた小さな箱の中で泳ぐ、金魚の尾鰭。
赤い絵の具を水に落とした時のように揺れるそれを、私はただ茫然と眺めていた。
貴方の触れた、肌の痺れに甘やかされて、今日もこの夜を呪った。
静かな街の中、過ごす時間に差異は無くとも、2人と呼ぶには足りない経過の中で、一体何を見るのだろう。

捨てられないのなら触れないで。
触れるのならば全てを捨てて。

私が私である為に費やした全てのガラクタを、貴方は最も簡

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