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2022年10月の記事一覧

ワークライフマージのすすめ

ワークライフマージのすすめ

仕事時間とプライベートは分けた方が良い。そういう記事が非常に多いですが、今回はそんな考え方に逆行する「ワークライフマージ」のお話です。

「ワーク」と「ライフ」は完全に切り離せるのか?仕事をしている皆様はそれぞれに内容が異なります。今回のお話の対象者は主にオフィスワーカーでクリエイティブな仕事をされている方向けです。
ただ、オフィスワーカーでクリエイティブ仕事をしていない人以外は少ないでしょうから

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【論文レビュー】ジョブ・クラフティング研究の最新動向:Tims et al.(2021)

【論文レビュー】ジョブ・クラフティング研究の最新動向:Tims et al.(2021)

本論文は、ジョブ・クラフティング(以下JC)に関する2016年から2021年に出版された論文を対象とした最新のレビュー論文です。JC研究の最新のトレンドを把握する上ではうってつけの存在と言えます。昨日、ざっと目を通しただけの状態で早合点した内容をtwitterで呟いてしまったことを反省し、まとまった文章にしてみました。フィードバックくださった高尾先生、どうもありがとうございました!

最新のJC研

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いよいよ日本語では国際潮流がわからなくなる時代がきた〜深く残る「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の後遺症〜

いよいよ日本語では国際潮流がわからなくなる時代がきた〜深く残る「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の後遺症〜

日本は世界的にもまれに見る翻訳国家と聞いたことがありました。

世界有数の市場になってからは、世界企業はこぞって対日本市場に向けて商品を投入するようになり、日本にいるだけで世界のトレンドを見ることも可能になりました。ただそれは戦後経済成功してからの40年程度で終わろうとしているようです。

昨晩、VoicyFESで対談したこんまりさんの旦那でもある、川原さん(たくみん)と話している中で、すでに日本

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【読書メモ】組織の視点に立ったマッチング型キャリア発達論!?:『キャリア・アンカー』(エドガー H. シャイン著)

【読書メモ】組織の視点に立ったマッチング型キャリア発達論!?:『キャリア・アンカー』(エドガー H. シャイン著)

シャインのキャリア論のポイントはやはりキャリア・アンカーにあると個人的には思います。改めて読み直すと理解を新たにできる箇所が随所にありました。

キャリア・アンカーができた背景キャリア・アンカーが概念として誕生した調査は、シャインがMITスローン経営大学院の修士課程の学生44名を対象として行ったものを基にしていることは有名です。この調査、継時的研究としてデザインされ、インタビューとアンケートをミッ

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【読書メモ】フィードバック面談のポイント:『人と組織の行動科学』(伊達洋駆著)

【読書メモ】フィードバック面談のポイント:『人と組織の行動科学』(伊達洋駆著)

上司からメンバーへのMBO面談や1on1など、ビジネス場面においてフィードバックが求められる状況は多くあります。しかし、職務を取り巻く環境の変化が激しく、また職務自体も複雑になっているため、マネジャーからメンバーへのフィードバック面談の難しさは増していると言えます。今回は、フィードバック面談のポイントについて見ていきます。

具体的なフィードバックには注意点もあるまずフィードバックのセオリーには、

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【論文レビュー】シャイン自身が語る、21世紀のためのキャリア・アンカー:Schein(1996)

【論文レビュー】シャイン自身が語る、21世紀のためのキャリア・アンカー:Schein(1996)

エドガー=シャインのキャリア論を理解したく、金井先生の解説本に頼りたい気持ちを抑えて、シャイン自身が書いた論文を読んでみました。本論文は、シャイン自身が提唱したキャリア・アンカーをレビューし、提唱した当初(1970年代)から論文執筆時(1990年代中盤)を比較し、かつ21世紀以降を想定しての人々のキャリア観の変化について述べておられます。

雇用社会の予測の正確さ!まず驚くのは、シャインが21世紀

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【読書メモ】次世代リーダーには変革型リーダーシップが求められる!?:『人と組織の行動科学』(伊達洋駆著)

【読書メモ】次世代リーダーには変革型リーダーシップが求められる!?:『人と組織の行動科学』(伊達洋駆著)

経営者や人事トップへの調査を行うと、ここ数年の最優先課題として出てくるものは次世代リーダー育成が挙げられています。今回は、次世代リーダー育成あるいは変革型リーダーシップについて見ていきます。

交換型リーダーシップと変革型リーダーシップリーダーシップに関する理論は非常に多いため細かくは触れませんが、
伊達洋駆さんの『人と組織の行動科学』ではリーダーシップの枠組みを交換型と変革型とに類別して解説され

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ともしび日記 10月12日

ともしび日記 10月12日

百葉堂の試着会、3日間のうち2日私も店頭に立って接客させていただいた。
初日は雨の中たくさんのお客さまにお運びいただき感激し、翌日も自分では考えてなかったコーディネートがあまりにもピッタリハマって感動した。
心が動きまくりの2日間。
最終日だけ出れずにとても残念だった。

お客様に直接お会いできて
百葉堂の着物を着てくださってるのを見れて

たいそう楽しかったのだが、同時に自分の店員としてのスキル

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【論文レビュー】日本人学生版キャリア・アダプタビリティ尺度:Lee et al.(2021)

【論文レビュー】日本人学生版キャリア・アダプタビリティ尺度:Lee et al.(2021)

キャリア・アダプタビリティの世界標準での尺度はSavickas & Porfeli(2012)です。同論文では、東アジア諸国の中では中国、台湾、韓国が参加していてそれぞれの言語での尺度ができているのですが、日本は残念ながら含まれていません。本論文では、韓国人学生と共に日本人学生を対象として調査を行い、キャリア・アダプタビリティが自己肯定感、自己効力感、生活満足度、キャリア意思決定と有意に関係してい

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【論文レビュー】尺度開発の信頼性・妥当性をどのように検証するのか?:池田・城戸・鈴木(2022)

【論文レビュー】尺度開発の信頼性・妥当性をどのように検証するのか?:池田・城戸・鈴木(2022)

心理統計を学ぶには、良い教科書から学ぶのが有効です。他方で、自分自身の研究に惹きつけて、あーでもないこーでもないと考えるためには、アクセプトされている良い論文から研究プロセスを学ぶのも効果的だなぁと思います。今回は、本論文を基に、尺度開発の信頼性および妥当性の検証プロセスについて学んでみました。

本論文は、レジリエンス尺度の中の一つである、Braun et al.(2017)のEARS(Empl

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ファミマの躍進で改めて考える、V字回復の立役者足立光さんの凄さ

ファミマの躍進で改めて考える、V字回復の立役者足立光さんの凄さ

いやー、足立さんは本当に凄い人ですよね。

足立さんがファミマのCMOになってから手掛けたファミマルも、着実に売上をあげてるんだそうです。

私自身はコンビニではお菓子とかアイスとかしか買わないので、ファミマルの惣菜とか意識することは全くなかったんですが、ファミマルがファミリーマート全体の売上を牽引していると言うから凄いです。

上記の記事は会員向け記事なんですが、無料部分でも読める部分で足立さん

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【論文レビュー】女性管理職を昇進へと促した上司のアクションとは?:高田(2013)

【論文レビュー】女性管理職を昇進へと促した上司のアクションとは?:高田(2013)

D&Iを進展する一環で、女性管理職の比率や人数をKPIに置いている企業も多くなってきました。ただ、充分に女性管理職の抜擢や育成が進んでいない企業もまた多いようです。本論文では、管理職に既に就いているか直前のポストに就いている地方銀行勤務の女性社員を対象として、何が昇進を促すのかに焦点を当てて考察を行っています。

効力感が大事女性管理職が少ないということは、女性社員にとって同性のロールモデルとして

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「#ちむどんどん」を読み解く鍵=「社会的包摂」と「沖縄コミュニティ」

「#ちむどんどん」を読み解く鍵=「社会的包摂」と「沖縄コミュニティ」

 2022年4月から放送を開始したNHKの連続テレビ小説「ちむどんどん」は、9月30日に最終回を迎えた。「ちむどんどん」に関しては、朝ドラの過去作品「ちゅらさん」「まれ」「半分、青い。」と比較した考察を以下のnote記事に書いた。本記事はその続編にあたる。

 「ちむどんどん」は、2022年が沖縄本土復帰から50年の節目であることから企画された朝ドラである。朝ドラでは伝統的に、戦争もしくは震災等

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【人事に効く論文】ダーク・トライアド、暗黒の三重奏に堕ちた人物には近づかないで!

【人事に効く論文】ダーク・トライアド、暗黒の三重奏に堕ちた人物には近づかないで!

1. 75秒で分かる論文の概要ダーク・トライアドと呼ばれる社会的に悪質な人格について検証した論文です。心理学部の学生245名を対象にアンケートやテストが行われ、ダーク・トライアドを構成する3要素であるマキャベリズム、ナルシシズム、サイコパシーに関して、以下の特徴が抽出されました。

ナルシシズムとサイコパシーは、外向性と開放性が高い傾向あり

ナルシシズムとサイコパシーは、自己顕示欲が強い傾向あり

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