【連載 Bake-up Britain:舌の上の階級社会 #45】ロースト・ビーフ(4/4)
狂う牛、揺らぐ愛国主義華美さや複雑さを省き、オーブンで焼くだけのロースト・ビーフ。日曜日の礼拝に行く前に肉をオーブンに入れ、帰ってきたら焼けているからとか、家庭にオーブンのない労働者階級や貧しい人々は町や村のパン屋に肉を預けて、礼拝の帰りに受け取って家族で食べたからとか、サンデー・ローストの起源に諸説はあっても、われわれコモナーズ・キッチンの目から見れば、結局肉の塊を口にする機会などよほど恵まれていないとそうはないという単純な事実を、少し文化的に色づけてもっともらしく言ってい