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『繋(ツナガリ)』 (作 くうねる)
朝が来る。
僕は、ボディースーツの上から
こども服を着て、大声で挨拶をする。
「世界の皆さん、おはようございます!」
この街に着いて半年、
こんなに学校に行きたいと思ったことはない。
早く奴らに会いたいよ。
この街に着いてすぐ夏休みが来て、
学校のプールで奴らと泳いだ。
健太は、平泳ぎでカエルになったり、
康太はバタフライと言って蝶々になったり、
草太のクロールなんて、ハイハイしてる芋虫みたい
僕らの地球③「くにちゃんオン・ザ・ビーチ」
夏が近づいてくると僕たちは、おばあちゃんちにやってくる。
湖の近くにあるおばあちゃんちは、僕の家からは、かなり遠い。だから、去年までは、お父さんの車か、お母さんの自転車で来てたんだ。だけど今年は、自分で自転車に乗ってやってきた。
「おばあちゃん、こんにちは!」
「お帰り。ひろちゃん。」
おばあちゃんは、いつものように玄関を上がってすぐの居間で、火の入っていない冷たい火鉢を前に座って、ほほ笑