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家庭の誕生

家庭の誕生

本多真隆、家庭の誕生−理想と現実の歴史を追う、筑摩書房、2023年11月10日発行

人は一人では生きられない。多くの人や共同体(コミュニティー)に支えられ、また支えながら私たちは生きています。
最も、近くの共同体は家族。
しかし、近くにいるからこそ考える機会が少なかったり、つい即時的な効果−例えば関係性の改善など−を求めてしまうかもしれません。

リハビリテーションや医療福祉の現場で、ほとんど必

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〜客観性の落とし穴から考えるケアのあり方とは〜

〜客観性の落とし穴から考えるケアのあり方とは〜

医療や福祉、教育などの職業について客観性とケアのバランスについて考える1冊。クライアントの声や表現が大切であることを忘れずに評価を行う必要性- 客観的指標の限界を認識し、個々の質的な内面に向き合う重要性について教えてくれる。

・そもそも、客観性とはどのようなプロセスを経て誕生したのか?

・客観性が及ぶ世界はどのように変化してきているのか?

・客観性を踏まえどう考えていけば良いのか?

このよ

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コミュニティー(共同体)の起源とは_共感革命

コミュニティー(共同体)の起源とは_共感革命

組織や社会について「何が」、「なぜ」必要かを人類史から学ぶ1冊。

社会的所属を喪失していない人は、必ず何らかの共同体に属している。それは、例えば仕事やサークル、コミュニティーやボランティアなど。
それらの持続可能性を高めたり、例えば収益性を高めたりするのに、さまざまな組織開発や人材開発、組織づくりなどの手法が世の中には溢れている。

例えば、焚き火をすることや、会議をする際にチェックインをする、

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共感革命より_言葉と音楽によるコミュニケーションの違い

共感革命より_言葉と音楽によるコミュニケーションの違い

人類は言葉を使うようになって脳が大きくなり、その結果として集団を形成し社会生活を営めるようになった。いわゆる認知革命だ。

しかし、元京大総長の山極先生によると、認知革命の前にもっと大きな革命があったのではないかと。それが、共感による革命だと。

人類は、脳が大きくなったら言葉を使うようになったと良く言われるが、どうやら逆らしい。200万年前から脳は大きくなり始め、7万年前に言葉を獲得した。つまり

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2023年に読んだ本

医療・福祉系
・臨床と宗教 → オススメ
・腸と脳
・社会保障再考
・運動しても痩せないのはなぜか
・生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある
・苦海浄土
・リハビリテーション
・ケガをしない家づくり

社会系
・人権と国家
・格差の起源
・社会とは何か
・社会思想史講義
・人類の起源
・菊と刀 → オススメ
・客観性の落とし穴

教養系
・利他とは何か
・般若心経
・熟達論→ オ

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彼岸花が咲く島,李琴峰,第165回芥川賞受賞

彼岸花が咲く島,李琴峰,第165回芥川賞受賞

女性だけが許される不思議な「言葉」や、「風習」がある島の物語。

その島では、神職を担う限られた女性しか島の「歴史」や「しきたり」を知ることを許されない。

子供を産むかどうかは女性が決め、産んだ後は育てたい人が育て、島全体で子供は島の宝という風土の中でみんな暮らしている。家族という言葉がない。

なぜ、女性だけが担う言葉や役割があるのか、なぜ家族という言葉がないのか。

読み進めていくにつれて、

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銃・病原菌・鉄(上巻)、著:ジャレド・ダイヤモンド

銃・病原菌・鉄(上巻)、著:ジャレド・ダイヤモンド

冒頭、このような問いで始まる本書。
1万3000年にわたる人類史から解説されていく。

現代社会の問題の根本に関わる問いでであり、種としての人類について学ぶ1冊。

この書籍を読んで、特に印象的だった部分は3点。

共通の祖先を持つ農耕民族による狩猟採集民族の虐殺

一つ目は、「第2章_平和の民と戦う民の分かれ道」で述べられている、共通の祖先から枝分かれしたモリオリ族とマオリ族の衝突。
モリオリ族

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いつでも安全な道に戻れる選択肢を残しておこうとすると、一生選択しないままで終わる。
#ビジョナリーカンパニーzero

【贈ることの嬉しさ】
贈与には返礼が後続する。
贈与を受け取ってくれるということは、その相手がこちらとなんらかの関係性、つまり『つながり』を持つことを受け入れてくれたことを意味する。
こちらの好意や善意は、必ずしも受け入れられるとは限らない。
だから、受け取ってくれると嬉しい。

【自分へのご褒美の空虚さ】

モノは、誰かから送られた瞬間に、この世界にたった一つしかない特別な存在へと変貌する。贈与とは、モノを『モノではないもの』へと変換させる創造的行為。

僕らは、他者から贈与されることでしか、本当に大切なものを手にすることができない。

ゆっくり、いそげ

ゆっくり、いそげ

現代の「論語と算盤」と感じた書籍で、何回も読み返したい本です。
執筆者は、東京の西国分寺でクルミドを営んでおられる「影山知明」さんです。

書籍をお持ちの方は、振り返りとして、
まだお持ちでない方は、これを機に購入されると、素敵な機会になると思います。

現時点(2021_1_2)で、とても印象に残る部分をまとめました。
一部、僕の解釈も含まれています。
まとめきれていない部分は、出来次第追加して

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