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【エッセイ】鉄鍋蒸し焼き〜緑細長茄子〜[家庭料理](1177文字)

緑細長茄子を鉄鍋蒸し焼きにしました。

緑茄子は比較的さっぱりした味だったように思いますし、紫細長茄子は濃厚だったので、緑細長茄子はどんな味かと、とても楽しみにしていました。

茄子は、ナス科ナス属・インド原産。

緑長茄子は、普通の紫色の茄子に含まれる、ポリフェノールの一種でアントシアニン系色素の「ナスニン」が含まれず、葉緑素が作られて緑色になるタイプの長茄子で、東南アジアでは割りと一般的だそうです。

長茄子は、20〜25cmの長さ(大長茄子と呼ばれるものは、30〜40cm)になる細長い茄子の総称で、特に細長いものを細長茄子と呼ぶようです。

緑細長茄子は、生ではやや硬め、加熱すると、果皮はしっかりしていますが、果肉がとろけるような食感になります。

果肉は甘味や旨味のある濃厚な味。

焼き茄子・煮物・揚げ物等、いろいろな料理に使え、煮物にする場合には、果皮に濃い色が含まれないため、他の食材に色移りしない良さがあるとのことです。

さて、調理です。

鉄鍋の内側にオリーブオイルをたっぷり垂らして、枝のついている先の部分だけ切って、へたをつけたままの横方向に半分に切った、緑細長茄子3本分を並べ、鉄鍋の蓋をしました。

鉄鍋を強火で熱してパチパチ音がしてきたら、弱火にして36分間、火にかけました。

39分間焼く予定でしたが、軽く焦げる匂いがしてきたので、切り上げることにしました。

鉄鍋から茄子の淡い良い香りが漂ってきました。

火を止めて、5分間蒸らしてできあがり。

鉄鍋の蓋を開けたら、緑細長茄子の果実は焼けてもちゃんと緑色で、やや濃く暗い色になり、たいていの茄子のように果実の表面に細かい皺が寄らず、太く、くっきりした皺が縦に横に走っている状態でした。

他のたいていの茄子ほどには潰れませんでした。

というわけで、盛り付け。

お味は。

とても美味しかったです!

噛むと、果皮が硬くて苦くて、中から、とろーりとした甘い果肉が飛び出してきて、口の中で「さっぱり・濃厚」と「硬い・柔らかい」と「甘い・苦い」が混ざりあって広がり、最後は硬い果皮が残りました。

今まで食べた茄子の中でも、果皮は硬いほうで、果実は一番柔らかかったです。

「生クリームをクレープで包んだ感じに近い」
と夫。

「上手い!」
と私。

「皮が硬いのだけど、中がとても柔らかいから、包んでいる皮の硬さに意味がある、みたいな」
と夫。

「皮の感じがスカーレット茄子みたいね」
と私。

「似ているところがあるね、緑細長茄子のほうが好きだけど」
と夫。

思ったよりも複雑な味がして、美味しい茄子でしたが、私は果実がもっともそもしているほうが好みではあります。

それにしても、茄子の種類毎に、味も食感も全然違うから、面白いですね。

茄子好きの私は、いろんな茄子を食べられて幸せです。

緑細長茄子の鉄鍋蒸し焼き、とても美味しかったです。

ありがとう、ごちそうさまでした!

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