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【エッセイ】鉄鍋蒸し焼き〜万願寺唐辛子〜[家庭料理](1075文字)

今まではフライパンで炒めていた万願寺唐辛子を、初めて鉄鍋蒸し焼きにしました。

万願寺唐辛子は、ナス科トウガラシ属で、大正末期から昭和初期にかけて、京都府舞鶴市万願寺にて、伏見系唐辛子とカリフォルニア・ワンダー系唐辛子の交配により誕生したと言われる京野菜で、地元では「万願寺」「万願寺甘唐」と呼ばれているそうです。

何故か、京都府で伝統的に生産され続けている野菜として、京都府の「京の伝統野菜」に準ずる野菜に指定され、また、舞鶴市・綾部市・福知山市のものが、歴史的に磨かれた特徴ある京都府の農林水産物の中で品質・量に特に優れているものとして、京都府の「ブランド京野菜」に指定されているそうです。

万願寺唐辛子は、大きめで、果肉が分厚く柔らかく、甘味があり、種の少ない唐辛子です。

さて、調理です。

鉄鍋の内側にオリーブオイルをたっぷり垂らして、14個の万願寺唐辛子を並べ、塩を振り、鉄鍋の蓋をしました。

鉄鍋を強火で熱してパチパチ音がしてきたら、弱火にして21分間、火にかけました。

20分のところで、それまでさかんにパチパチ音がしていたのに、急に音がしなくなり、万願寺唐辛子の新鮮な良い匂いが漂ってきたので、
「止め時?まだ早くない?」
と1分間迷ってから、火を止めました。

火を止めて、5分間蒸らしてできあがり。

鉄鍋の蓋を開けたら、万願寺唐辛子は、見た目が濃い緑色になっていたものの、皺も寄らず、全くしなりもしなかったので、
「もう少し加熱しても良いかな」
と思いました。

でも、初めてなので、とにかく食べてみることにしました。

というわけで、盛り付け。

お味は。

とても美味しかったです!

ちゃんと焼けていました。

噛むと柔らかく、適度な歯応えがあり、豊かな香りとともに綺麗に噛み切れました。

果物のような甘くて軽やかで瑞々しい味と微かな苦味の合わさった重層的な複雑な味。

オリーブオイルともよく合っています。

辛味はあまり感じませんでした。

たまにある辛味の強いものにも当たりませんでした。

食べた後に胃がぽかぽかして、喉にほんのり辛味を感じました。

唐辛子系のものを夜に食べると眠りづらくなるようです。

「私はもう少し加熱時間を短くしても良いと思う」
と夫。
「もう少し輪郭がしっかりしていても良いかな」

「パチパチ音がしなくなったらすぐに火を止める感じかな?」
と私。
「次回はそれでやってみよう」

柔らかすぎではなかったと思いますが、好みですね。

もう少し時間が短ければ、香りがもっと良いでしょうね。

次回が楽しみです。

万願寺唐辛子の鉄鍋蒸し焼き、とても美味しかったです。

ありがとう、ごちそうさまでした!


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