enfoque / 革小物職人

エンフォケ/enfoqueといいます。主にヨーロッパ産の革を使い、手裁ち、手縫いで革小…

enfoque / 革小物職人

エンフォケ/enfoqueといいます。主にヨーロッパ産の革を使い、手裁ち、手縫いで革小物などを製作するヒトです。 普段の製作風景や数年暮らしたスペインで見た風景なども綴っています。 https://www.tallerenfoque.com

マガジン

  • スペイン バレンシア -Valencia-

    過去、日本の生活をリセットし、スペイン バレンシアにて長期語学留学、数年暮らしたバレンシアの街での暮らしやお祭りを風景写真と共に書いたまとめ

  • 革手縫い製作風景

    モノづくりや考えなど、普段の製作風景写真と共に書き綴ったまとめ

  • アンダルシア -Andalucía-

    スペイン アンダルシア地方のいくつかの街を旅した記録、それぞれの街の風景写真と共に書いたまとめ

  • 革手縫い道具&材料

    革手縫いの際に使用する、わたしの道具や材料革、手縫い糸などのマテリアルを写真と共に書き綴ったまとめ

  • マドリード -Madrid-

    スペイン マドリードの旅、街歩き、郷土料理のことをマドリードの風景写真と共に書いたまとめ

記事一覧

固定された記事

少しの創造力と遊び心 -Bag charm-

製品かといえば、そういうわけでもない… オブジェ、サンプルか… カタチを考えたり、革の質や癖、仕上げの精度など細部に気を使い作っていると、脳も身体も疲れが溜まっ…

162

春祭り -Feria andaluza en Valencia-

桜の花が散り、葉桜となる4月の終わり頃… 以前、暮らしていたバレンシアで4月末から5月初旬の約10日間ほど開催されていた"Feria Andaluza de Valencia"というお祭りのお…

咲き始めの桜と世界遺産のお城

つい先日、4月頭のお城周辺の桜は、ほぼ蕾、2分咲き&早咲きは5分咲きぐらいという情報だった。 満開予想時にはちょっと行けない… 週末満開予想前後は雨予報となっていた…

定石を踏むか、踏まないか... -Card case-

まだSNSなど全く存在していなかった、わたしが若僧だった頃… 夜の社交場などで、たまたま出会う大人たちから名刺を戴く事もあった。 営業部長、美容師、グラフィックデザ…

マテリアルとツールと遊び心のミルフィーユ -Fragment Case-

服や鞄、小物で"ファスナー"、"ジッパー"、という呼び方をするが、ズボンと言う場合には"チャック"がしっくりくる。昭和生まれの男やさかい… "チャック"… という言葉は…

スペイン グラナダ 中心街とアルバイシン地区 -Centro y El Albaicín-

スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅、遂に最終回… 前回、前々回の記事で訪れた"アルハンブラ宮殿"を後にグラナダの中心街へ移動する。 そろそろお昼時、どこ…

131

スペイン アルハンブラ宮殿 -Palacios Nazaríes-

スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅、前回のアルハンブラ宮殿"ヘネラリーフェ"から次へと移動… "ナスル朝宮殿"へと進みたいところだが、わたしと同居人のナ…

125

スペイン アルハンブラ宮殿 -Palacio del Generalife-

今までいくつか書いて来た"アンダルシア州のいくつかの街を周る旅"、実際最初に訪れた街は、このGranadaからだった。チラホラ書いていたけど… 昔懐かしゲーム盤の"スター…

心を揺り動かすモノ作り -artisan-

モノ作りの世界での職業における呼称、作家さん、クリエイターさん… そういう呼称で呼ばれることもある。自分としては作家さんとは思っていなく、クリエイターさんは、よ…

洗練させたいという欲求 -Refine-

より良いモノにする、改善する。make it better… 確かにそう思っているけれど、今のわたしの脳ミソくんは違うと言う。 洗練・洗煉… 物を洗ったり練ったりして仕上げる…

独創的な表情と漆の光沢 "黒桟革" -KUROZAN-

手縫い革小物職人エンフォケ… 有名タンナーを訪ねる。 "黒桟革"という伝統ある唯一無二の革を創り出している坂本商店さん。 革を扱う人なら知らない人はいないであろう…

コルドバの歴史地区 -El centro histórico de Córdoba-

スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅。 前回、パティオ祭りにて美しい花で飾られたいくつかのパティオを訪れた後に、旧市街であるコルドバの歴史地区へと向か…

コルドバのパティオ祭り -Fiesta de los patios-

スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅、再開。 前回の旅の続き、マラガ(Málaga)からスペインの新幹線 AVANTに乗り約1時間、"コルドバ Córdoba"へ。 ちょうど…

フランスの職人技と創造性 -savoir faire-

ちょいちょいスーパーメゾン エルメス(Hermès)の話をしている。 その職人技術とエレガントで創造性豊かなオブジェに魅了されることはあるが、エルメス信者ではない… お…

クウジュ セリエという言う勿れ? -Le point sellier-

改めて乗馬の鞍を見てみると、カッコいい形… 手縫いだろうか? 馬の鞍にも乗馬、競技、競馬など形の違いがあるが、今の時代ミシン縫いで作られているモノあると思うがどう…

革の手縫いに欠かせない菱錐 -Diamond awl-

わたしは革小物製作の際に、ヨーロッパ目打ちという道具と菱錐等を使って縫い穴を開けて行く… ひとつひとつ穴を開ける、とても地道なことをやっている。ご苦労様… 最初…

少しの創造力と遊び心 -Bag charm-

少しの創造力と遊び心 -Bag charm-

製品かといえば、そういうわけでもない… オブジェ、サンプルか…

カタチを考えたり、革の質や癖、仕上げの精度など細部に気を使い作っていると、脳も身体も疲れが溜まってくる。 それは、ただの加齢よる…もの?
あまり深く考えず、ちょっと遊び心を持って作るような…
真剣に楽しく作れるモノ… 何かあらへんか。

マイクロバッグと呼ばれる物があるが、それよりも小さいサイズでバッグにアクセサリー感覚で着ける

もっとみる
春祭り -Feria andaluza en Valencia-

春祭り -Feria andaluza en Valencia-

桜の花が散り、葉桜となる4月の終わり頃…

以前、暮らしていたバレンシアで4月末から5月初旬の約10日間ほど開催されていた"Feria Andaluza de Valencia"というお祭りのお話。スペインには、桜の木なんてなかったけどね…

何でアンダルシア?と思ったが、バレンシア地域の アンダルシア文化団体連盟(FECACV)という団体が主催するお祭りだった。
他の地方と連携し、国内文化を紹

もっとみる
咲き始めの桜と世界遺産のお城

咲き始めの桜と世界遺産のお城

つい先日、4月頭のお城周辺の桜は、ほぼ蕾、2分咲き&早咲きは5分咲きぐらいという情報だった。
満開予想時にはちょっと行けない… 週末満開予想前後は雨予報となっていたので、咲き始めと曇り空であったが、お出掛けついでにお城へ行ってきた。
(後に、雨予報の日々が曇りや晴れに変わるんやけどね…)

お城は世界遺産の姫路城、"あぁ知ってる、行ったことある"って方も多いと思うので、軽い呟き程度と咲き始めの桜や

もっとみる
 定石を踏むか、踏まないか... -Card case-

定石を踏むか、踏まないか... -Card case-

まだSNSなど全く存在していなかった、わたしが若僧だった頃…
夜の社交場などで、たまたま出会う大人たちから名刺を戴く事もあった。
営業部長、美容師、グラフィックデザイナー、代表取締役社長!?などなど、その肩書きを見て、憧れたり、驚いたり。。。

良いこと、悪いことも教わったり、一つの営業ツールであることも分かってはいたが、"名刺が語る"… そんな格好いい大人たちに憧れることもあった。

一般的な

もっとみる
マテリアルとツールと遊び心のミルフィーユ -Fragment Case-

マテリアルとツールと遊び心のミルフィーユ -Fragment Case-

服や鞄、小物で"ファスナー"、"ジッパー"、という呼び方をするが、ズボンと言う場合には"チャック"がしっくりくる。昭和生まれの男やさかい…

"チャック"… という言葉は、いつ何処からいらしたのか?
今更、気になってその語源を調べてみた。

先ず最初、アメリカの発明家が靴紐を結ぶ不便さから"ファスナー"の開発を始め、後に軍服に使用され量産されて広まり…

その後、アメリカの他社が"シューッ"とい

もっとみる
スペイン グラナダ 中心街とアルバイシン地区 -Centro y El Albaicín-

スペイン グラナダ 中心街とアルバイシン地区 -Centro y El Albaicín-

スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅、遂に最終回…
前回、前々回の記事で訪れた"アルハンブラ宮殿"を後にグラナダの中心街へ移動する。

そろそろお昼時、どこかで飯食いたい…

ゴメレス坂を歩いて下り、ヌエバ広場の南側に出た角地の老舗バル。
定番の摘み系が多い感じだったが、多少なり煮込み料理などもあったので、このバルでサクッと食べることに。

昼時のカウンター席は常連客の特等席という感じで

もっとみる
スペイン アルハンブラ宮殿 -Palacios Nazaríes-

スペイン アルハンブラ宮殿 -Palacios Nazaríes-

スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅、前回のアルハンブラ宮殿"ヘネラリーフェ"から次へと移動…

"ナスル朝宮殿"へと進みたいところだが、わたしと同居人のナスル朝宮殿の入場時間は、旅の数週間前、事前に公式サイトでチケット購入した段階で入場時間を選択している。

ナスル朝宮殿は人数制限があり、入場時間を決定しておく必要がある。
(特にハイシーズンなど、ナスル朝宮殿の当日チケットはすぐに完売

もっとみる
スペイン  アルハンブラ宮殿 -Palacio del Generalife-

スペイン アルハンブラ宮殿 -Palacio del Generalife-

今までいくつか書いて来た"アンダルシア州のいくつかの街を周る旅"、実際最初に訪れた街は、このGranadaからだった。チラホラ書いていたけど…
昔懐かしゲーム盤の"スタートへ戻る" … そんな感じで。。。(笑)

新緑の季節、5月初旬、深夜0時発…
当時住んでいたスペイン、バレンシアの街からALSAの長距離高速バスにて、揺られ、揺られて、約8時間半… グラナダ到着。

高速列車でも行けるが、まずバ

もっとみる
心を揺り動かすモノ作り -artisan-

心を揺り動かすモノ作り -artisan-

モノ作りの世界での職業における呼称、作家さん、クリエイターさん…
そういう呼称で呼ばれることもある。自分としては作家さんとは思っていなく、クリエイターさんは、よそ行きの呼び方に感じる…

occupational identityの認識、わたしは何者か…となると、革を材料に手縫いでモノを仕立てる"職人"がしっくりくる。

いちいち反応せずに挨拶程度の言葉として流しておけばいいのに。
面倒な革小物職

もっとみる
洗練させたいという欲求 -Refine-

洗練させたいという欲求 -Refine-

より良いモノにする、改善する。make it better…
確かにそう思っているけれど、今のわたしの脳ミソくんは違うと言う。

洗練・洗煉…
物を洗ったり練ったりして仕上げるように、文章や人格などを練りきたえて優雅・高尚にすること。磨きをかけて、垢抜けしたものにすること。だと。
英語なら、refinement、refine、refinedとなるのか。

文章や人格、品質、方法など、余分なモノ

もっとみる
独創的な表情と漆の光沢 "黒桟革" -KUROZAN-

独創的な表情と漆の光沢 "黒桟革" -KUROZAN-

手縫い革小物職人エンフォケ… 有名タンナーを訪ねる。

"黒桟革"という伝統ある唯一無二の革を創り出している坂本商店さん。
革を扱う人なら知らない人はいないであろう、有名なタンナーさんである。

坂本商店さんは創業1923年、今年で100年を迎えた長い歴史を持つ。
代表の坂本弘氏と次の世代となる御子息の悠氏とは過去にお話させてもらった事が何度かあり、"また遊びに来て下さい"とお声をかけていただい

もっとみる
コルドバの歴史地区 -El centro histórico de Córdoba-

コルドバの歴史地区 -El centro histórico de Córdoba-

スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅。
前回、パティオ祭りにて美しい花で飾られたいくつかのパティオを訪れた後に、旧市街であるコルドバの歴史地区へと向かったところからとなる。
コルドバは世界遺産指定都市、歴史地区にはあちこちに世界遺産がある。

午前中パティオ祭りを堪能して、メスキータ周辺をぶらついてから昼食。
スペインのお昼は12時ではなく、14時からランチタイムとなる。
昼食後は旧ユ

もっとみる
コルドバのパティオ祭り -Fiesta de los patios-

コルドバのパティオ祭り -Fiesta de los patios-

スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅、再開。
前回の旅の続き、マラガ(Málaga)からスペインの新幹線 AVANTに乗り約1時間、"コルドバ Córdoba"へ。

ちょうど、この街で毎年5月初めに開催する"Fiesta de los patios" コルドバのパティオ祭りの時期。パティオはスペイン語で中庭という意味。
祭りという名であるが、たくさんの花等で飾られた個人宅のパティオ、庭

もっとみる
フランスの職人技と創造性 -savoir faire-

フランスの職人技と創造性 -savoir faire-

ちょいちょいスーパーメゾン エルメス(Hermès)の話をしている。
その職人技術とエレガントで創造性豊かなオブジェに魅了されることはあるが、エルメス信者ではない… お客様でもない… 町人風情のわたくし。

ラグジュアリーなオブジェはもちろん、フレグランス&ビューティとか…
新たな世界も拡大しつつある中、1837年の創業以来、ノウハウの伝承を大事に、職人技術を紡いで行く人たちも育て続けている。

もっとみる
クウジュ セリエという言う勿れ? -Le point sellier-

クウジュ セリエという言う勿れ? -Le point sellier-

改めて乗馬の鞍を見てみると、カッコいい形… 手縫いだろうか?
馬の鞍にも乗馬、競技、競馬など形の違いがあるが、今の時代ミシン縫いで作られているモノあると思うがどうなのだろう。

鞍の製作での手縫い技法をサドルステッチ(英/saddle stitch)と呼ぶ。
サドルステッチのフランス語は何と言うんだったけ?
何とかセリエ… Cómo se llamaba…

革の手縫い方法とフランス語… クウジ

もっとみる
革の手縫いに欠かせない菱錐 -Diamond awl-

革の手縫いに欠かせない菱錐 -Diamond awl-

わたしは革小物製作の際に、ヨーロッパ目打ちという道具と菱錐等を使って縫い穴を開けて行く…
ひとつひとつ穴を開ける、とても地道なことをやっている。ご苦労様…

最初の頃は道具の仕立て方を覚える、試すのに結構な時間がかかった。
道具の違いか? わたしの技術的な問題か? 理想とは違うことばかりで…
ちょいちょい… いや、定期的に途方に暮れていた。

知識も経験もない頃は、そんなことの連続ばかりだった。

もっとみる