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【804回】安部公房「カンガルー・ノート」
僕が大好きな漫画に、ジョジョの奇妙な冒険がある。
合計120巻を超えるストーリーの壮大さ。そのような中で、生物の体に植物が関わってくる場面も登場する。
第4部の猫は、植物と同一化する。
第6部の主人公は、体から植物が生えてくる。
そういえば、手塚治虫「ブラックジャック」でも、体から芽が吹き出してくる少年の物語があったな。
何にせよ、体から植物が生えてくるという表現は異質である。恐怖がある。
そ
【803回】春こそ新年
朝6時。
洗濯物を干すために外に出る。朝の光と温度が、一日の始まりの香り。今日も生きている!命の確認をする僕を包み込んでくれる。
鳥が、急にこちらへ飛んできた。ピピピピピ。
鳴いている。
僕の方を向いて、ピピピピピ。
まるで手が届くような位置で、電線の上で、鳴いている。
僕もピピピピピと返したらいいのか?
言葉での返答が思いつかず、笑顔を返す。
鳥は首を傾げて去っていく。
朝はいい。毎日が新たな
【800回】勝田茅生「ヴィクトール・フランクル それでも人生には意味がある」
第2次世界対戦での、ドイツが行った歴史上最悪行為の虐殺が行われた「絶滅収容所」の体験を記した「夜と霧」の作者、精神科医・心理学者の「ヴィクトール・フランクル」
何度か、本を開いてみたが、どうしてもすっきり理解できない言葉がある。理解できないというより、忘れてしまう言葉。
「人生が私たちから何を期待しているのか」
自分の人生に何の意味があるのか。
自分の中へ中へ降りていって考えてしまう。答えはも
【797回】高松美咲「スキップとローファー 10巻」
前巻から、友人を連れて主人公の故郷に行くエピソードが描かれていた。
本巻は、その続きである。
主人公の故郷が、能登半島ではないか?と気になってはいた。その通りだった。
巻末に著者の思いが書かれていた。
著者の親族も地震に巻き込まれたこと。
著者が描いていた景色は消えてしまったこと。
この漫画の世界の能登は、地震もなく、同じ景色が続いていくと思う。
自身の大事な故郷を漫画で描いていたのに、現実では崩