現代詩「フルーツジュースでおしゃべり」
まず顔を洗おうよ、保湿はしっかりね、スキンケアだけはきちんとしないと後悔するから。
このハトムギの化粧水、安いのにすんごいいいんだよ。やっぱり売れてるんだね。
あ、ニキビができてる。オロナイン効くよ。
化粧はしてもしなくてもいいよ。
顔洗って、スキンケアして、話はそれからしようよ、まだしないで。
そのあと、そのあと。
ねえ、話しようよ、嘘ついてるなんて私にはわからないし、私が嘘ついてもあなたにはわからないし、嘘かほんとかなんてどうでもいいから、話そうよ。
ねえ、話そうよ。あなたと話したいんだってば。
あっ、話したいってなんかえらそうでごめんね。
しゃべりたいんだよ、話し合いじゃなくて、一緒にしゃべりたいんだよ。
ひたすらふたりで真実でもない嘘くさいでも「本音」しかもう、あなたから聞きたくないんだってば。
世の中、くだらない人ばっかだよね。
人のミスや揚げ足ややらかしたこといつまでもうるさい人ばっかだね、いやんなるね。
でもそんなつまんない人、もう私もあなたとも何の関係もない人たちしかいないじゃん。
しゃべろうよ、なんでもいいから。
食事なんて作らなくてもいいし、食べなくたっていいよ。最近、アタシも胃が弱くていっぱい食べれないしさ。
この部屋には私とあなたしかいない。
この部屋には私とあなたしか、いないんだから。
アルコールはやめとこ。
アセロラジュースとフルーツジュースとレモンジュースと牛乳ならあるから、しゃべろうよ。
可愛いコップに可愛い半透明の色したフルーツジュース注いで。
フルーツジュース飲みながら、2人で。
離そうよ、話そうよ、放そうよ、しゃべろうよ。
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