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内浦穂高
2024年5月17日 20:15
【おしまい2】青空が崩れ落ちてゆく巨大な質量を持ったパズルのピースが無数に降り注いでくる僕らが信じたあの空は 剥き出しの白いデータだった。ハンドルは火の輪に形を変え ワイパーは蛇に姿を変え車を離れて宙を這う噴水のように白線があちらこちらで吹き上がる鏡はありのままを写し草木は大地をミイラにした荒唐無稽な光景に悲しむ人は誰もいない人々は酒を不要とし、紫煙
2024年5月4日 21:29
貴女の表情には永遠に無垢なる少女が宿っている。3歳頃の純心な不可侵の笑みを宿している母の笑顔はブーケの笑顔少女の笑顔はプリンセス紫色のドレスを纏いミッキーのぬいぐるみをねだる。白髪の老婆の月輪に蒼き香りのウェディング花嫁の涙のその奥には夕焼けに寄せ合うヒストリー僕は歴史の旅人で 貴女の世界の流浪の民貴女の笑顔は永遠だ永遠を僕が保証する遠い思い出に僕がいて 言
2024年5月11日 21:02
さぁさぁ皆様 ご一緒に調子を合わせて腹上死論理も狂気も騒々しいなら高貴な箒で大掃除さっさっさ さっさっさグラジオラスは大通りを避けてこっそりと抱擁し動悸は徐々に高揚に 最後にはそっと腹上死道徳心ほど毒々しい恍惚心こそ尊いもういい もういい 早々にお出かけしましょう ご一緒に同時に陽気に腹上死正気の沙汰の腹上死幼児のように無垢な情死上質な情死
2024年5月4日 13:15
カルガモがおしゃべりしながら散歩してるぴょこぴょこ ぴょこぴょこ 空の下肩を並べて歩いてる 顔を見つめて歩いてる風がそーっとやって来て 葉っぱもわいわい歌いだす木陰で蟻が楽しくピクニック今の僕はみんな友達マガモたちがおしゃべりしながら泳いでるぱっちゃぱっちゃ ぱっちゃぱっちゃ水の上列を作ってすいすいと 少し早めのプール開き光がすーっと差し込んで 葉っぱのこころを
2024年4月30日 18:43
キミゆけば 明日の私はまた1人キミも同じくまた1人 花残り月も去る今日日明日の戦は個々のもの抗う術などなくしても風に吹かれてキミよ行け時には夕陽に立ち止まり夜の明かりに語らって昨日の談笑に涙し飄々と今日を生き残れ公園のベンチは今広く大の字になり空を仰ぐ紺色の草木が身を包み夜風が昨日を空に映すおやすみキミよ また会おう明日の先でまた会おう
2024年4月22日 11:55
メロディが風に吹かれて跳ね回る。昨日の僕が知らなかった うららかな歌を連れてくる。彩雲が鳥を形造り 雄々しい翼が空に舞う。鳥の背中で少年は青藍に笑みを投げかけた。電線に止まる鳥たちは 空に描かれた五線譜。弾むリズムは朗らかに 大地を駆ける春のトリル。風のタクトの思うまま 揺れる菜花に相乗りしてあっちにこっちに風まかせ昨日の自分も今日の自分も明日の自分も気分次第
2024年4月12日 20:32
酒に深淵が暴かれる時両目は奥行きを見つめ続けて、意識は天と融和する。もう僕に泥酔の感覚はなく、ただ麻酔のようにタナトスを流し込みながら死神を肺に招待しているに過ぎない。ガタガタと自分が崩れ落ちていく音を感じるが、不思議と不快感や不安はなかった。土砂まみれの瓦礫の真ん中から光が溢れ神々しい解放の兆しが魂を浄化させるのを感じる。今わかった。崩れ落ちてゆく自分は死体になってい
2024年3月21日 22:11
あれだけ特別だった君の誕生日がなんでもない日になりました。カレンダーに輝く文字が虚しく胸を張っていたけれどもそんな現実はまるで元からなかったかのようになんでもない空っぽの平日を過ごしました。あと2年もすれば君の誕生日は薄れてゆき「あぁ、そういえば」とふと思い出す落ち葉のような記憶に変わりゆくのでしょう。お誕生日おめでとうございました。
2024年3月20日 20:50
忘れ去られた深海の中 少女がそっと手を伸ばす。翼のようにしなやかな白皙の腕が蒼を纏う。優しい波にさらわれて、僕は海底と同化する。潜り込んだゆりかごの世界 僕は大地に背を向けた。重力が刻を飲み込んで水圧の中に消失した。海中に響くアルペジオが螺旋階段を形作る。音の粒子は光を放ち 歩みの世界を彼女に示唆する。少女は陽射しに導かれ大地を目指して海を舞いいかなる白より嫋やか
2024年3月17日 11:54
1人の孤独は世界の孤独 時が止まった部屋の中の孤独カラカラの腹に紫煙の殴打コーラとウォッカが喉を横断空腹とは孤独の別名称倦怠感だけが僕にメンション陽射しは退屈を浄化せずに無機質にぼうっと輝き続ける。口に広がる煙草の味無音の昼下がり 誰もいない町。無味無臭こそが心の死。あぁ、刺激。刺激。心の火!!退屈よ!!お前の目論見通りにはさせない!!私の生命を見く
2024年3月8日 21:34
一滴の涙が僕の胸を突く心の水面に ぴちゃっ と波及し 溶解し 重なり合う涙の味は少女の味 桃色の頬の熱の味遺伝子の彼方からこだまする 37.0 ℃の白い吐息少女の匂いが僕を抱き少女は僕に包まれる硝子に浮かぶ 綿の雪茶色い尻尾が地を張って脈打つ大地がせめぎ合う血潮の生命は今にあり 遠い未来へと血を送る。再び、涙を結晶化して凍土の中心から、また濡れてきて
2024年3月4日 23:14
思い出が僕の心を押しつぶす。遠い 遠い 無邪気な空そこから溢れ 逆流した 何千トンもの思い出があの日の景色が あの笑顔が走馬灯のよう駆け巡り戻れぬ日々がのしかかる。貴女の笑顔は今いずこ貴女の心は今いずこいや もういない いないんだ僕の世界にはいないんだ。過ごした日々は消えやしない消えやしないから なお寂しいいっそはじめから なかったらいいえ、やっ
2024年3月1日 23:07
コスパ コスパ んなもの度外視ウォッカのお供に煙草スパスパ一夜に何万叩こうが、この夜こそが我が全て。落伍者極めりゃ武人と同じ明日にはあるかもわからぬ我が身。生きてもなんにもならぬなら死んでもなんにもならぬなら円よりも強きペンにて記す、駄犬が吠え散らかした日々。キャンキャンキャンキャン またキャンキャン醜く気高い駄犬の遠吠え負け犬が摩天楼を噛む。負け犬は
2024年2月22日 19:00
聖者ムルィカはパンを食うパンが好きだからパンを食う食えないものにはこだわらないこだわらないから怒らない聖者ムルィカは黄昏れる夕陽に照らされねむたそう余計なものは見つめずに風に撫でられうっとり顔聖者ムルィカは柔らかい目を合わせずとも怒らない興味がないから怒らない自分の世界を愛してる聖者ムルィカはなにもしない。好きなこと以外なにもしない。食ったり