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久しぶりに分厚い本が読めたので
もう脳みそが溶けはじめているのではないかと思うほど集中力がない。若かりし頃の集中力には到底かなわないにしても、本気をだせばもうすこしいけるのでは…そんなラインもとうに過ぎてしまった。もうここからは、過去への復帰とか維持とかそういうのではなくて、ないところからつけていく筋トレが必要なのだろうな、と開き直った頃合いである。齢四十近くになり、比較的健康体、一般的な仕事をしていてもこれなのだから、人間の
もっとみる話し合いができない夫婦がいてもいい
話し合わないという選択肢
「あなたがしてくれなくても」いいドラマだったなぁと思いました。私にとってはとても説得力のある最終回でした、ということは書きましたので、ここからは考察ではなくて、ぐっと私個人の気持ちに引き付けた上での雑感です。
このドラマ自体というよりは、もっと前から感じていたことについてなのですが、最近、夫婦間の問題について話題になるとき、言語化してしっかり話し合いお互いに理解しあっ
「あなたがしてくれなくても」とてもよい最終回でした!
「あなたがしてくれなくても」最終話迎えました、とてもよかったですね。セックスレスというところに興味があって、普段はあまり見ることのないドラマというものを見ましたが、終始自然に入りこめて、最終話もとてもうまい終わり方だったと思います。最終回に否定的な感想が結構あったみたいなことを聞いたので、自分としてはいいものを見せてもらったなぁと思った気持ちを書き残しておきたいと思います。それにおれは、ドラマとい
もっとみる【漢詩⑯】清明節はいつも雨《清明》
4月5日は清明節でした。お休みの前の日は大風だったのですが、窓辺から唸る木々を見ていると、同僚が「雨が降るね」というんです。なんでわかるの?と聞くと、にやりと笑って「”明時節雨紛紛”だからね。」と。きざかよ。
この季節のはいつも雨が降るんだそうです。それこそ、千年以上前の杜牧の頃からずっと。
杜牧は千年後も同じ雨が降っていると想像したことがあったでしょうかね。わたしは、今目の前で降っている雨が
【漢詩⑮】風が春をかたちづくる《咏柳》
初春の歌、ぎりぎり滑り込みでしょうか。先週は一気に暖かくなったのですが、今秋また寒さがすこしぶり返しています。
この歌はヤナギを題材にして、春を詠んでいる歌ですね。碧玉で着飾ったような万条のヤナギの枝が下がっている。この美しい新緑の枝を誰が切り出したのか。二月の春風だろう。春風を剪刀=ハサミのようだと例えているのが美しいですね。
丝绦は繁体字だと絲縧になるみたいなのですが、なじみがないです
【漢詩⑭】鳥たちが春の陽の枝を争う《銭塘湖春行》
春なので、春の歌を探しました。こちらです。
例のごとく(?)簡体字の部分は、相当する日本語の漢字に適当に置き換えました。浙江省の有名な西湖を題材にした早春の歌です。昔は銭塘湖と呼ばれていたんですね。一段目が景色、二段目が春に集う鶯とツバメ、三段目が草花、四段目が再び景色とぐるっと一周春を愛でている感じです。
文頭の孤山というのは西湖の北側の小さな島です。当時はお寺があって湖の景色が見渡せ
日本語の文法なるほど
ことの発端
しばらく前に、私は日本語の文章がいまいちうまく理解できていないのでは、という話を書きました(文章を読む技術について)。そのときから気になっていて、このたび日本語の文法についての本を一冊読みました。新書を一冊読んだっていうだけの話ですが、なんとなく疑問に思っていたところがもりもり解説されていて学ぶところは多かったので、感想を書いておきます。
参考にしたのは、原沢伊都夫『日本人のた
DeepLで外国語を学ぶ
いやすごい技術だよ、と思うのはDeepLであります。数年前にAlphaGoなどが流行ったときに、門外漢ながらざっとDeep learningの画像認識などに触れて、大変すごいねとは思ったけれども、それからたった5年ほどでここまで来るとは思いませんでした。そしてDeepLは私が外国語を勉強するのを大変助けてくれます。
半年(一年?)くらい前にEnglisterというサービスができて、これはすご
【推敲⑩】何度目の改心だろう立ちすくむショートケーキにフォークをむける
「清く正しく」はなんか定型フレーズをそのまま入れてしまったのですが、どちらかというと正しく(うまく?)生きようと決心は、まっすぐ凜と立っているショートケーキのようなものだけど、それはフォークを入れるとすぐに崩れてしまってどうしてもうまく食べられない。しかも、もう人生も重ねてきて、どうせうまく食べられないだろうと予感で身動きがとれなくなってしまう、というような気持ちを詠みたいなという。
あ、これ
カン・ハンナさんの『まだまだです』読みました。
カン・ハンナさんの歌集『まだまだです』を読了しました。カンさんについてはNHK短歌の短歌写真部の主催の方ということは存じ上げていたのですが、歌を知らず気になっておりました。本屋さんで平積みになっていたので新しい本かと思いましたが、2019年なんですね。素晴らしかったです。これぞ短歌の正しい使われ方だな、と感じたので、ここにちょっと書いておきたいです。
この感想は、本を読みはじめて比較的すぐに
文章を読む技術について
今日もなんということもない日記です。
ずっと気になっていることがあって、それは自分の読書力についてです。最近、長く複雑な文章を読むのがむつかしいと感じます。年齢による集中力の衰え(そんな歳ではないですが)も一部にはあるのだと思いますが、それだけが原因ではないようです。むしろ若さによる力業で覆い隠していた部分に、ぼろが出てきたようです。今まで原因がはっきりせずに、漠然とした不安を感じていたので