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レビューとレポートとおすすめ記事

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学芸出版社の本に寄せられたレビューや、著者の皆さんの文章、書籍関連イベントのレポートなどをざっくりまとめます。
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2017年12月の記事一覧

ポートランドが、ポートランドたりえている理由|林厚見|【ブックレビュー】

ポートランドが、ポートランドたりえている理由|林厚見|【ブックレビュー】

本書の冒頭に登場するジョン・ジェイに僕が会ったのは14年前。東京ではむしろ場末ともいえる場所でパンクのライブが鳴り響くパーティにたまたま出くわして入ってみたら、それは意外にもルイ・ヴィトンのパーティで、それを仕掛けた“かの有名な”ジョンがいたのだった。まだ何の実績もない僕に対していきなり「来週オフィスに来な。話そうぜ」と言った彼の印象は強烈だったが、そこに表れていた“あの街”のノリを当時は知らなか

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地域×クリエイティブ×仕事――淡路島発ローカルをデザインする|江副直樹×服部滋樹|【イベントログ】

地域×クリエイティブ×仕事――淡路島発ローカルをデザインする|江副直樹×服部滋樹|【イベントログ】

 瀬戸内海最大の島・淡路島で、豊かな地域資源を活かし起業や商品開発をサポートするプロジェクト「淡路はたらくカタチ研究島」。2012~2015年の4年間に、島内外から多彩な講師を迎え、多様な講座を実施。「農と食」「観光」をテーマに、島ならではの仕事を数多くつくりだしてきました。
 そして2015年、4年間の活動をまとめた集大成となる書籍『地域×クリエイティブ×仕事 淡路島発ローカルをデザインする』が

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パブリックをどう動かすか|馬場正尊×藤村龍至|【イベントログ】

パブリックをどう動かすか|馬場正尊×藤村龍至|【イベントログ】

書籍『PUBLIC DESIGN』やウェブサイト「公共R不動産」で新しい公共空間の扉を開こうとする馬場正尊。埼玉県鶴ヶ島市、川越市、大宮地区で公共施設マネジメントに取り組む藤村龍至。まったく異なる方法論で「パブリック」に対峙する2人が語る、硬直したパブリックの動かし方、人口減少時代の建築家の役割とは。(2015. 4. 21 東京・co-lab西麻布にて)

馬場正尊(写真右)
Open A 代表

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白熱討論!団地読み解きLIVE|【イベントレポート】

白熱討論!団地読み解きLIVE|【イベントレポート】

10月26日に開催した『団地図解』出版記念イベント、おかげさまで大変盛況でした。まずは、吉永恵里さんがおまとめくださった秀逸な実況をこちらからご覧ください。

2017/10/26 「団地図解」出版記念トークin東京 #団地図解https://goo.gl/27ZHDg

「団地らしさって何だ」千里青山台団地と金沢シーサイドタウンという、地形条件(斜面地/埋立地)や設計主体(団地係/建築家)など

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日本とポートランドのエリアリノベーション|馬場正尊×山崎満広|【イベントログ】

日本とポートランドのエリアリノベーション|馬場正尊×山崎満広|【イベントログ】

2016年5月に蔦屋書店代官山店にて開催された『エリアリノベーション』と『ポートランド』のW出版記念イベントでの、両著者・馬場正尊さんと山崎満広さんによるクロストークのログです。日本の地方都市とポートランド、それぞれの変化のメカニズム、あるいは制度や仕組みづくりの工夫に、どんな共通点や相違点があるのでしょうか。

馬場正尊(写真右)
Open A代表/東京R不動産ディレクター/東北芸術工科大学教授

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ポートランドの変化のメカニズム|山崎満広|【イベントログ】

ポートランドの変化のメカニズム|山崎満広|【イベントログ】

2016年5月に蔦屋書店代官山店にて開催された『ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる』出版記念イベントでの、著者・山崎満広さんによるトークのログです。これまで「全米で一番住みたい街」にたびたび選ばれてきたポートランドに、クリエイティブな人が集まる秘密とは――。

山崎満広ポートランド市開発局 国際事業開発オフィサー。
1975年生まれ。95年渡米。南ミシシッピ大学大学院修了。経済開発機関等へ

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僕らが描き始めた都市の未来|馬場正尊|【イベントログ】

僕らが描き始めた都市の未来|馬場正尊|【イベントログ】

2016年5月に蔦屋書店代官山店にて開催された『エリアリノベーション』出版記念イベントでの、編著者・馬場正尊さんによるトークのログです。行政主導の「都市計画」でも市民の良心に依存した「まちづくり」でもない新たなエリア形成の手法「エリアリノベーション」とは――。

馬場正尊Open A代表/東京R不動産ディレクター/東北芸術工科大学教授。
1968年生まれ。早稲田大学大学院建築学科修了後、博報堂入社

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コミュニティを生み出し、可視化させるローカルメディアの力|仲俣 暁生|【ブックレビュー】

コミュニティを生み出し、可視化させるローカルメディアの力|仲俣 暁生|【ブックレビュー】

数年前から町中の書店で、さまざまな地方の小さな媒体をみかけるようになった。
それらはフリーペーパーだったり有料だったりし、発行主体も個人や少人数のチームだったり、出版以外の企業や自治体だったりと多種多様だ。
かつて「ミニコミ」と呼ばれ、最近では「リトルプレス」と呼ばれるたぐいの小規模な出版物が多いが、なかには数万部も発行されているものもある。

私自身、5年前に出した『再起動せよと雑誌はいう』(京

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団地は今こそ面白い! 団地読解の手習い in 和歌山|【イベントレポート】

団地は今こそ面白い! 団地読解の手習い in 和歌山|【イベントレポート】

12月3日は、『団地図解』刊行記念イベント@和歌山・本屋プラグさんでした!  これまでの東京・大阪イベントとは打って変わって、超ローカルな場所で団地を解剖した本イベント。結果として、また新たに大胆な団地(団地係)の見方が生まれてきた回でした。

蜜柑援農のチラシが貼ってある店内。さすが和歌山

今回はまず、設計手法詳解の前に、団地ってそもそもどういうものなの??という基礎解説から始まりました。さす

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