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思考の抽出と感情のワーク

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手を動かしながら考えるだけ考え抜く、そんな日常です。
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2023年9月の記事一覧

生まれた時点で親孝行は終了している

生まれた時点で親孝行は終了している

 幼少期に純粋で無条件の愛情を親から受けた子どもは、それだけで十分に親孝行をしていると思うので、大人になって「孝行」として何かを返そうとする思考は基本的には必要がないと感じます。無条件の愛を注ぐ親の視点に立つと、共依存とまでは言いませんが、子どもがいるからこその感情を享受しているように感じるのです。

 同時に、幼少期に「無条件に愛する経験」を親に与えられなかった子どものみ、生きている間に無条件の

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<2025.9.27へ>「必要な経験をください。もしまだあるとするのなら。それを私にください。」

<2025.9.27へ>「必要な経験をください。もしまだあるとするのなら。それを私にください。」

 一つの組織にいるとどうしても視野が狭まっていくし、自分も独善的になっていることに良い意味で警鐘を鳴らしつつ、常に明日と明後日で価値観を変え続けられていることに感謝をする日々の記録を。

 そこには使命感を持ったプロのカウンセラー、圧倒的に信頼ができるコーチ、非常に優秀な社外のビジネスパートナーであり友人、大切なパートナー、尊敬できる誠実な同僚や友人、そういった人達の存在の誠実さと本当の意味での優

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LLM関連の構造理解(論文要約) "Looped Transformers as Programmable Computers"

LLM関連の構造理解(論文要約) "Looped Transformers as Programmable Computers"

 良書であればある程、引用文献や引用論文を更に芋づる式に掘り起こしたくなるのですが、数理系やデータサイエンス系は中々骨が折れるので、漸く今年の1月の研究論文に追いついてきました。AI×ビックデータみたいな話をいまだにされるのですが、大規模言語モデルからすると時代遅れ過ぎていて、改めて前提知識も踏まえた整理をするための要約(意図的な忘却の為の記録)。

"Looped Transformers as

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アート鑑賞の記録[20]ー"彼は私には理解できない言語で、何か美しいことを言った。"

アート鑑賞の記録[20]ー"彼は私には理解できない言語で、何か美しいことを言った。"

  ベートーヴェンの弦楽四重奏第15番の第3楽章が流れていました。この楽章の名前は『Heiliger Dankgesang eines Genesenen an die Gottheit, in der lydischen Tonart』で、この楽章には美の究極形が凝縮されているように感じます。私も好きな曲で、映像作品は常にすべてを見るまでは分からないと思いつつ、集中力の欠如なのか興味の無さなのか

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意図的な忘却とクラウド的な共有知

意図的な忘却とクラウド的な共有知

 睡眠と運動さえ担保すれば脳のメモリは一定の容量と処理速度を持っていると感じますが、保存容量の制限はあるため、最近は情報を「意図的に」忘却することが脳を最適化させるという仮説を検証しています。現在の私の脳は、SSDのような高速なフラッシュメモリ性能ではなく、HDDの磁気ヘッドのように意図的にヘッドの位置を動かし適切な情報を保持し続ける必要があると感じています。IQ検査の数値と記憶力は大して結びつい

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視覚を超えた対話

視覚を超えた対話

 静寂に包まれたギャラリーの中で、私と対話相手とで、目でなく、手で感じる彫刻を発見することができました。デジタルな自然が、触れること、形、そしてデジタルなサインの間の曖昧な境界を行き来させてくれます。

美的実在論は、真実の本質を描き出します。芸術の魂は、色彩だけでなく、その中に宿るメッセージを通して語りかけてきます。環世界的な視点でものごとと向き合う時間は、新しい世界を形作ります。一方、構造主義

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ラーニング/アンラーニングリスト

ラーニング/アンラーニングリスト

 自分が思い描く景色のために、ここ1-3年以内に必要とするスキル/経験の整理。政策保有株式の採算性についてのアセスメントや、買収・出資先のPMI関与、グリーンファイナンスの経験や事業のカーブアウトなどもっと詳細な財務的経験も必要としつつ、最低限のスキルとして整理。

 細々書きつつ、ケインズが言うアニマルスピリッツを最も大切にしながらも来年の自分がこれを見た時に「何書いてるんだ恥ずかしいなコイツ」

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アートの力ー美的実在論の記録

アートの力ー美的実在論の記録

という解釈が非常にしっくりきました。美は心理学的な構築物でないとすれば、ルッキズム的に秀でている人間が、それだけでは美学的には失敗していることも多い(=醜悪である)のも当然であると感じます。美と美学的成功はよく混同され、正確には美という言葉に形式美を包含することが誤りであり、アート及び人間的、自然的美とは大きく乖離することを認識しておく必要があります。(ガブリエルは自然的美の考え方には立っていない

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ライ麦畑の先に見る景色

ライ麦畑の先に見る景色

 シニアコンサルタントやパートナーとして働き始めたら言いたい、言われたい科白です。加えて”面白そうな仕事、潤沢な予算、そして自主性と自制のできるメンバーが揃っている自律的組織なら断る理由がない”。そんな組織があればと思いつつ、そこを目指してつくっていく過程と苦悩と犠牲を尊重できるように。予算は獲得するもの、そしてそこに初志貫徹があること。

 彼女の発する言葉には、人々がどのように自分の人生を歩む

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アートとしての「現代の襤褸」/楽器修理の継ぎ接ぎと新しい美意識。

アートとしての「現代の襤褸」/楽器修理の継ぎ接ぎと新しい美意識。

 襤褸の文化がとても好きです。「ボロ」の語源でもあり、「らんる」とも呼びます。日本の襤褸(らんる)文化は、資源が限られた時代ならではの持続可能な生活の一環として、布を再利用する習慣から発展しました。古布を層にして縫い合わせることで、暖かさを保つ方法だったそうです。

 襤褸と現代では稀な美意識について

 襤褸の中でも特に、「さし継ぎ」や「刺し子」といった美しさと機能性を併せ持った技術が発展してい

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