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【読書感想文】太宰治「人間失格」

こんばんは!
恥の多い人生を継続中。小栗義樹です。

本日は読書感想分を書かせて頂きます!
僕が好きな本、興味を持った本の感想文を書き、読んで下さった皆様にその本読みたいと思って頂けたなら、この試みは大成功だ!という企画です。

本日の題材は、、、ついに来ました。。。。

人間失格

太宰治の遺作であり代表作。恐らくですが、多くの方が感想文を書き、多くの作家が書評を残した作品なのではないでしょうか?

人間失格は、間違いなく日本の代表小説であり、今なお様々な解析・解説が生まれる、日本の伝統そのものと呼べるであろう作品でしょう。確か「こころ」と並び、日本で一番売れている文学書だったような気がします。

これ、感想文を書くのすごく悩んだんですよね。久しぶりに小説で感想文を書こうと思い、題材を考えたんですけど、ポッと「人間失格」が頭に浮かんだんです。人間失格。これは本当にエネルギーを使う作品なんですよね。また、多くの熱狂的なファンを抱えている作品でもあります。僕もその一人です。

久しぶりの小説感想文。一発目。リハビリしないでいけますか?

そんな事を考え、めちゃくちゃ悩みました。

ただやっぱり、やりましょう。復帰第1弾に、ふさわしすぎる作品であることは間違いないですし、ここでやらないと、人間失格を題材にするのが、かなり先のことになりそうです。

久しぶりに読みました。ペースで言えば2年に1回くらいのペースで読んでいると思います。初めて読んだのが中学2年生なので、かれこれ8回くらい読み返している計算になりますね。

進路に迷ったとき、人を疑い始めたとき、追い詰められたとき、苦しいとき、ついつい手に取ってしまうのが人間失格だったりします。

恐らく、読んだことがない人なんてほとんどいない作品だと思いますが、念のためストーリーを簡単にまとめます。

気を遣いすぎな臆病主人公が、俗にいう世間からひたすらいじめられ、そこから逃げようとすればするほど、どんどんダメ人間になっていくお話です。

とにかく描写がリアルなのですが、テンポと言い回しが秀逸すぎて、さくさく読めてしまうのが特徴です。太宰治の真骨頂が余すことなく発揮された作品だと言っていいでしょう。

人間失格の解説をするつもりはないですが、とにかくこの本は、人が抱えるあらゆる問題を内包していると思います。だからこそ、どんな人にも刺さると思いますし、いつも隣にあるけど気づかない、強烈な死の匂いみたいなものの虜になってしまう作品だと思います。

最高傑作であり問題作だと思ってもらえれば大丈夫です。

人間失格は、とにかく死の直前をうろちょろとさまよっている作品だなぁという印象を持っています。

人間ってここまで不幸になれますか?
こんなに人に怯えることができますか?
ここまで人に怯えた人間に会ったことはありますか?
その苦しみ、悲しみ、虚しさ、憐れみを想像できますか?

読んでいると、こうした考えを強烈に突き付けられしまい、読むのにかなりの覚悟いる作品です。

恐ろしいなと思うのは、文章を読んでいると容易にその場面を想像できてしまうという点です。しかも主人公の顔は、決まっていつも太宰の顔なのです。

太宰の晩年の作品は、その主人公の顔がいつも太宰本人です。なまじ半端に顔を知っているだけあり、よりリアルだし、より胸がえぐられた気分になります。

これは、太宰の持っている文章能力と思考能力が、ひたすら高次元にあるからこそ生まれる現象なのだと思います。要するに才能です。とにかく作中では、太宰がいつもひどい目に合っています。

人間失格はその作品群の中でも、特に太宰がひどい目にあっています。手と足を外側に適度に引っ張られ続け、どっちにいけばいいか分からない。あの焦燥感にも似た体験を延々と繰り返すのが人間失格です。

もっと具体的にいえば、お父さんとお母さんどっちのほうが好き?と聞かれた時に生まれる、あのなんとも言えない気持ちの最上位版をくらわされます。

太宰はそんな、人が言い表すことのできない気持ちを生むシチュエーションを文章に落とし込むのがとてもうまいです。とにかく微妙な、答えの出ない気持ちを小説を読むだけで体験することが出来ます。

人間失格は、とにかく救われたいという思いがこもっています。その救われたいという気持ちを叶える方法が、単に死ぬことではないのではないか?という問いを永遠に追い続け、さまよい続けるのです。

だからメンタルがやられます。答えなんてない。生きているうちか、死んでからか分からないけれど、とにかくその答えが見つからないと苦しくて仕方がないという、仏教と一神教を合わせたような作品だと思うのです。

だからって、こんなに苦しい方法で表現しなくてもいいのになぁとは思います。でも、それが太宰の魅力であることも事実なのです。

あの憂う感じが、太宰の作品に反映されることによって、唯一無二の作品として成立し、ひたすら太宰という道を開拓している。そんな気がしてなりません。

読めば読むほど読みにくくなり、時間がかかる小説です。あらゆる場所に新たな気づきが散りばめられています。そういう本って珍しいです。良くも悪くも日本という国を表しています。だからでしょうか、同じように日本を映し出した、こころと売上1位を争い続けているのは。

まだまだ書きたいことは沢山ありますが、今日はこういう路線で人間失格の感想文とさせて頂きます。グレートギャツビー同様、また改めて、別角度から、人間失格については感想を述べていきたいなぁと思っています。

ほとんどいないと思いますが、まだ読んだことがないという方がいらっしゃれば、これは間違いなくオススメです。人生で1回は読んでおいた方がいいと思います。

人間失格は古本屋さんに売っています。よければ買って読んでみてください。

この本は、プレゼントするわけにはいきません(笑)
すみません、まだ読まないといけない気がするので(笑)

あらゆる人の深層心理に刺さる、いわば聖書のような本だと思います。ぜひ、お近くの古本屋さんで購入してみてください。

といわけで、本日はこの辺りで失礼いたします。
また明日の記事でお会いしましょう。
さようなら~

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