花川博義 〔皮膚科専門医〕

皮膚科の医師です。 健康はみんなのもの。 一口サイズの健康情報を日々発信いたします。 …

花川博義 〔皮膚科専門医〕

皮膚科の医師です。 健康はみんなのもの。 一口サイズの健康情報を日々発信いたします。  専門:アトピー性皮膚炎、乾癬、にきび、美容皮膚科、皮膚外科、膠原病、心療皮膚科、対人援助、老年医学、介護医療。 趣味:漫画を描くこと。 愛読書:歎異抄。金沢大学を経て、現在、真生会富山病院勤務

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  • 執筆奮闘記

    医学情報の執筆を志したものの、生みの苦しみ、書く苦しみ、一日一日が奮闘の日々です。読んで下さる方があると思えば、励みになります。

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    万人の願いは「健康で長生き」でしょう。新型コロナ、インフルエンザ、糖尿病、高血圧、高脂血症、がん、肺炎、リウマチなど、幾多の苦難を乗り越えた人に待っているものは「認知症」です。健康で長生きした人が遭遇する認知症とは。その対策は?

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    一介の皮膚科医ですが、二階に住んでいます。 医師として学んだ情報を発信いたします。 ビタミンDは、骨、筋肉、血管、脳の健康に関係しています。

  • 亜鉛の巻

    一介の皮膚科医ですが、二階に住んでいます。 医師として学んだ情報を発信いたします。 亜鉛は髪の毛、皮膚、爪などに影響を与えます。

  • 汗とアトピー の巻

    アトピー性皮膚炎は謎多き病気です。 今回は「汗」の視点から、その謎解きにせまります。

記事一覧

夜間のおしっこを減らすには、お酒、塩分、果物を減らそう

◆朝の尿は「夜間の尿」 夜中に何度もトイレに起きる「夜間頻尿」は、大変つらいですが、 その原因に3つあります。 「夜間の尿が多い」 「膀胱に尿をためれない」 「眠り…

夜中のトイレを減らすには、夕食後の水分を減らそう

おしっこの悩みで最も多いのが、「夜間頻尿」、 すなわち、夜中何度もトイレに起きることです。 夜中のトイレの原因に3つあります。 「夜間の尿が多い」「膀胱に尿をため…

「トイレの花子さん」より怖い「夜中のトイレ」

◆夜中のトイレ 「トイレの花子さん」は、都市伝説の怖い話です。 それに負けずとも劣らないのが「夜中のトイレ」です。 おしっこの悩みで一番多いのが頻尿(何度もトイ…

過活動膀胱:急に膀胱が収縮する

おしっこの悩みで最も多いのが頻尿(尿の回数が多い)であり、 その次が尿もれです。 その背景に「過活動膀胱」が潜んでいることが多々あります。 過活動膀胱とは、尿が十…

〔執筆奮闘記18〕つかみは「風が吹けば桶屋が儲かる」

◆話のつかみ 話の「つかみ」に、「風が吹けば桶屋が儲かる」が使えます。 「つかみ」とは、話の前の、関心を引きつける言葉のことです。 「ガッテン」の例でいうと、 「…

〔執筆奮闘記17〕情報のメインディッシュは1つだけ

◆人気健康番組の秘訣 「医学情報を発信します」と言って、一番奮闘しているのはネタ探しです。 なぜ「ガッテン!」は何十年も続いたのか。 見ていて気づいたことは、メ…

尿もれ予防は「地べたの生活」

◆しゃがむ生活 「尿もれ」の原因の最たるは骨盤底筋のおとろえです。 加齢によることが大きいですが、 和式から洋式に移行しつつある生活様式も軽視できません。 和式に…

男性のおしっこ後の「チョイもれ」対策

◆おしっこのあと、チョロッともれる 「尿もれ」は女性に多い病気ですが、男性はないのではありません。 男性特有の、排尿後の「チョイもれ」があります。 おしっこをし…

尿もれ対策:骨盤底筋を意識して筋トレしよう

◆筋肉を意識すると筋トレ効果が上がる 尿もれ対策には、骨盤底筋を鍛えることが有効です。 筋トレは、トレーニングすべき筋肉を意識するほど効果があることが分かってい…

尿もれ対策「ボールはさみ」で美脚になろう

◆膝が開いてしまう 骨盤底筋がおとろえると、尿もれを起こしやすくなります。 過去の記事『骨盤の筋肉がおとろえていませんか?』に、 骨盤底筋のおとろえ度をチェックす…

尿もれ対策にワイドスクワット

◆大は小を兼ねる 「尿もれの悩み」 人に相談できない、病院も行きづらいことでしょう。 主たる原因は、骨盤底筋のおとろえです。 全身の筋肉は30歳を過ぎるとおとろえ始…

尿もれには「ギューーーーーッ」と「キュッ、キュッ、キュッ」

◆骨盤底筋の筋トレ 骨盤は底のない桶のような構造をしており、 その底にハンモックのように張っているのが骨盤底筋です。 骨盤底筋は、骨盤内の、膀胱、子宮(女性の場合…

骨盤の筋肉がおとろえていませんか?

「人は筋肉と共に老いる」 私の持論です。 「脳トレ」より大事なのは「筋トレ」でしょう。 もちろん、脳は大事であり、血管も大事、腸も骨も大事ですが、 筋トレをすれば…

おしっこのニオイで分かる健康状態

◆尿の原料は血液 健康診断の定番は血液検査です。 血液によって、さまざまな健康状態を知ることができます。 しかし、度々血液検査をするわけにはいきません。 毎日して…

黄色い尿はOK、赤や白く濁った尿はNG

◆尿で健康が分かる 尿はどのように作られるのでしょうか。 尿は腎臓で作られますが、その原材料は血液です。 腎臓で血液中の余分な水分と老廃物をこしとり、尿が作られ…

スマホによる猫背は、尿もれ予備軍

◆猫背で尿もれを起こしやすくなる 猫背とは、背中が丸く曲がり、首が前に出た状態を言います。 スマホが普及した今日、猫背の人が増えた印象があります。 イスに座って…

夜間のおしっこを減らすには、お酒、塩分、果物を減らそう

夜間のおしっこを減らすには、お酒、塩分、果物を減らそう

◆朝の尿は「夜間の尿」

夜中に何度もトイレに起きる「夜間頻尿」は、大変つらいですが、
その原因に3つあります。
「夜間の尿が多い」
「膀胱に尿をためれない」
「眠りが浅い」
の3つです。

1番目の「夜間の尿が多い」についてですが、
通常、夜間の尿は、1日の尿の総量の3分の1以下です。
ここで注意点ですが、朝一番のおしっこは「夜間の尿」に含まれるということです。

朝の尿がなぜ「夜間の尿」かとい

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夜中のトイレを減らすには、夕食後の水分を減らそう

夜中のトイレを減らすには、夕食後の水分を減らそう

おしっこの悩みで最も多いのが、「夜間頻尿」、
すなわち、夜中何度もトイレに起きることです。

夜中のトイレの原因に3つあります。
「夜間の尿が多い」「膀胱に尿をためれない」「眠りが浅い」の3つです。

今回は1番目の「夜間の尿が多い」にスポットを当てます。

◆通常、夜は尿が作られない

夜間の尿が多いことを「夜間多尿」と言います。
夜に尿がたくさん出れば、トイレに何度も起きるのは当然と言えましょ

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「トイレの花子さん」より怖い「夜中のトイレ」

「トイレの花子さん」より怖い「夜中のトイレ」

◆夜中のトイレ

「トイレの花子さん」は、都市伝説の怖い話です。
それに負けずとも劣らないのが「夜中のトイレ」です。

おしっこの悩みで一番多いのが頻尿(何度もトイレに行く)です。
頻尿は、「昼間頻尿」と「夜間頻尿」とがあります。

「一度トイレに起きると、そのあと寝つけない」
「夜中、何度もトイレに目が覚め、熟睡できない」

日中のトイレも大変ですが、夜中、何度もトイレに起きると、
その悩み深刻

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過活動膀胱:急に膀胱が収縮する

過活動膀胱:急に膀胱が収縮する

おしっこの悩みで最も多いのが頻尿(尿の回数が多い)であり、
その次が尿もれです。
その背景に「過活動膀胱」が潜んでいることが多々あります。

過活動膀胱とは、尿が十分にたまっていないのに膀胱が収縮することをいいます。
過活動膀胱かどうかをチェック法があります。

◆過活動膀胱の質問票

この1週間の症状をお答えください

質問1
朝起きてから寝るまでに、何回くらい尿をしましたか
7回以下(0点)

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〔執筆奮闘記18〕つかみは「風が吹けば桶屋が儲かる」

〔執筆奮闘記18〕つかみは「風が吹けば桶屋が儲かる」

◆話のつかみ

話の「つかみ」に、「風が吹けば桶屋が儲かる」が使えます。

「つかみ」とは、話の前の、関心を引きつける言葉のことです。
「ガッテン」の例でいうと、
「しみの原因は指と骨です」
「難聴の原因は毛が少なくなることです」
「つやのない毛、切れ毛の原因は空洞化です」・・・などです。

「謎めいた言葉」「意外な問いかけ」、時には「逆説」が、
視聴者や読者の心をがっちりつかみ、本題へと興味を誘

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〔執筆奮闘記17〕情報のメインディッシュは1つだけ

〔執筆奮闘記17〕情報のメインディッシュは1つだけ

◆人気健康番組の秘訣

「医学情報を発信します」と言って、一番奮闘しているのはネタ探しです。

なぜ「ガッテン!」は何十年も続いたのか。
見ていて気づいたことは、メインメッセージが少ないということです。

たとえば、葉酸という栄養素が大切だということを、
45分の番組で訴えていました。
言い方を換えると、葉酸というマニアックなテーマ一つで、
45分間引き延ばしたとも言えます。

しかし、見てても飽

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尿もれ予防は「地べたの生活」

尿もれ予防は「地べたの生活」

◆しゃがむ生活

「尿もれ」の原因の最たるは骨盤底筋のおとろえです。

加齢によることが大きいですが、
和式から洋式に移行しつつある生活様式も軽視できません。
和式に比べて洋式の生活は、しゃがむことが少ないため、
下半身の筋肉をあまり使わないからです。

和式の生活スタイルと言えば、畳の部屋に夏はちゃぶ台、
冬はコタツが置いてあり、ざぶんを敷いて座るという生活です。
立ったり座ったりで、おのずから

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男性のおしっこ後の「チョイもれ」対策

男性のおしっこ後の「チョイもれ」対策

◆おしっこのあと、チョロッともれる

「尿もれ」は女性に多い病気ですが、男性はないのではありません。
男性特有の、排尿後の「チョイもれ」があります。

おしっこをしたあと、ズボンを治して、歩き始めたとき、
チョロッと出てしまうことがあります。
40代から起こりやすくなり、中高年の多くの男性が悩まされています。

おしっこを膀胱から外に出すまでの管を尿道と言います。
尿道の長さは、女性が3~4cmに

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尿もれ対策:骨盤底筋を意識して筋トレしよう

尿もれ対策:骨盤底筋を意識して筋トレしよう

◆筋肉を意識すると筋トレ効果が上がる

尿もれ対策には、骨盤底筋を鍛えることが有効です。
筋トレは、トレーニングすべき筋肉を意識するほど効果があることが分かっています。

骨盤底筋は普段使わない筋肉であり、
意識することが難しいと言われています。
骨盤底筋に意識を向けてみましょう。

骨盤は、底のない桶のようなものであり、
その底にあたるのが骨盤底筋です。
骨盤の前に恥骨という骨があります。
手で

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尿もれ対策「ボールはさみ」で美脚になろう

尿もれ対策「ボールはさみ」で美脚になろう

◆膝が開いてしまう

骨盤底筋がおとろえると、尿もれを起こしやすくなります。
過去の記事『骨盤の筋肉がおとろえていませんか?』に、
骨盤底筋のおとろえ度をチェックする13の質問があります。
その1問目が「座っているときに膝が開いてしまう」です。

座っていて膝が開いているとだらしなく見えます。
膝の開きと骨盤底筋は、どんな関係があるのでしょうか。

◆内転筋と骨盤底筋

膝を閉じる筋肉を「内転筋」

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尿もれ対策にワイドスクワット

尿もれ対策にワイドスクワット

◆大は小を兼ねる

「尿もれの悩み」
人に相談できない、病院も行きづらいことでしょう。
主たる原因は、骨盤底筋のおとろえです。

全身の筋肉は30歳を過ぎるとおとろえ始め、
更年期を過ぎるとそれが顕著になります。
骨盤底筋も例外ではありません。

骨盤底筋は尿道の出口をギュッと締めていますが、この筋肉がおとろえると、咳やくしゃみをしたときに「尿もれ」を起こしやすくなります。

骨盤底筋は小さくて自

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尿もれには「ギューーーーーッ」と「キュッ、キュッ、キュッ」

尿もれには「ギューーーーーッ」と「キュッ、キュッ、キュッ」

◆骨盤底筋の筋トレ

骨盤は底のない桶のような構造をしており、
その底にハンモックのように張っているのが骨盤底筋です。
骨盤底筋は、骨盤内の、膀胱、子宮(女性の場合)、大腸を支えています。

また、骨盤底筋は、尿道をしめる役割をになっています。
年齢とともに骨盤底筋が衰えてくるため、尿もれを起こしやすくなります。
尿もれなどの尿トラブルには、骨盤底筋の筋トレが有効です。

〔やり方〕
①あおむけに

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骨盤の筋肉がおとろえていませんか?

骨盤の筋肉がおとろえていませんか?

「人は筋肉と共に老いる」
私の持論です。
「脳トレ」より大事なのは「筋トレ」でしょう。

もちろん、脳は大事であり、血管も大事、腸も骨も大事ですが、
筋トレをすれば、脳も血管も腸も骨も鍛えられます。
どの筋肉も大事であり、鍛えなければなりませんが、
今回は「骨盤底筋」にスポットを当てます。

◆骨盤底筋とは

「骨盤底筋」という1つの筋肉があるのではありません。
骨盤底筋とは、骨盤を下から支える幾

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おしっこのニオイで分かる健康状態

おしっこのニオイで分かる健康状態

◆尿の原料は血液

健康診断の定番は血液検査です。
血液によって、さまざまな健康状態を知ることができます。
しかし、度々血液検査をするわけにはいきません。

毎日しているおしっこの原料は血液です。
血液は、通常、見ることができませんし、においも嗅げませんが、
尿なら別です。
尿の色やにおいによって、健康状態を推し量ることができます。

尿の色については別の記事を参照ください。
黄色い尿はOK、赤や

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黄色い尿はOK、赤や白く濁った尿はNG

黄色い尿はOK、赤や白く濁った尿はNG

◆尿で健康が分かる

尿はどのように作られるのでしょうか。
尿は腎臓で作られますが、その原材料は血液です。

腎臓で血液中の余分な水分と老廃物をこしとり、尿が作られます。
作られた尿は、尿管を通って膀胱に溜まります。
そして、尿道を経て体外に放出されます。

尿は血液の状態と、腎臓の働きを反映しています。
また、尿管や膀胱、尿道の異常は、尿に影響を及ぼします。
尿の色やにおい、量によってある程度、

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スマホによる猫背は、尿もれ予備軍

スマホによる猫背は、尿もれ予備軍

◆猫背で尿もれを起こしやすくなる

猫背とは、背中が丸く曲がり、首が前に出た状態を言います。
スマホが普及した今日、猫背の人が増えた印象があります。

イスに座ってスマホをいじる、いわゆる「スマホの姿勢」は、
背中が丸くなり、首が前に傾いて、猫背になってしまいます。
猫背によって、どんな健康被害が出るのでしょうか。

まず、頭の重量が首にかかることによる「首こり」「肩こり」でしょう。
さらに、「尿

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