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専門家目線になる漢方薬の使い分け⑧ 子どもの風邪・発熱に
春になり、日差しは暖かく感じられるようになりましたが、朝夕と冷え込み、体調を崩しやすい時期でもあります。
春休み、お子様が急に体調を崩すこともありますよね。
お子様の風邪に最もよく使われるのは「麻黄湯」です。
今回は麻黄湯について少し詳しくご紹介いたします。
麻黄湯
麻黄湯は、数ある風邪薬の中でも最も『実証』タイプに使われる漢方薬です。
以前、陰陽の分類について説明ましたが、大人と子ど
中医学の応用④症状別の考え方〜『不眠』
『睡眠障害』とは、満足な睡眠がとれていない状態を自覚することで、睡眠時間が短くても本人が満足し日中の生活に支障がないようなら睡眠障害ではありません。
逆に、寝ている時間が長くても、睡眠が浅く日中も眠たい、夢ばかりみて寝た気がしないなど、睡眠に不満があれば対処が必要となります。
睡眠リズムと陰陽
中医学では睡眠のリズムを陰陽のリズムとしてとらえています。
睡眠リズムは、主に五臓の『心』がコン
中医学の応用③・症状別の考え方〜『疲れやすい』〜湿滞タイプ
毎日疲れる、からだがだるい・・そう感じる時の3つ目は『湿』が原因となっているものです。
湿滞タイプ
様々な原因で体内に『湿』が多すぎるために、気の流れが悪くなっている状態で、、余分な水分をかかえるためからだが重だるく、血管を圧迫したり神経伝達を圧迫して全身のはたらきが低下する状態です。
2つの湿滞タイプ
湿滞タイプは、主に2つのタイプに分けられます
●湿阻気機タイプ
:余分な湿が気の流
中医学の応用②・症状別の考え方〜『疲れやすい』〜気滞タイプ
今回ご紹介するのは、気の流れがスムーズでないために全身にエネルギーが行き届かず、『疲れ』として感じるタイプです。
中医学では、これを『気滞(きたい)』と言います。
『気滞タイプ』
過度の緊張・ストレス・自律神経の失調などにより、気の流れがスムーズでないためにエネルギーが全身に行き届かず、疲労・倦怠感を感じるものです。
ずっと疲れている状態というよりも、突然、あるいは疲れたり疲れなかったりす
中医学の応用①・症状別の考え方〜『疲れやすい』〜気虚タイプ
『中医学の基礎』を以前ご説明しましたが、その知識をもとに具体的に症状がある場合の、考え方、漢方薬の選び方をご紹介していきます。
今回は、『疲れ』について。
40代、50代になると、若い頃はなんともなかった日常生活が、『やけに疲れる』と感じる方も増えてきます。
コンビニやドラックストアでも、エナジードリンクや滋養強壮剤がよく売れていますよね。
エナジードリンクを利用して、カフェインと糖分でか
専門家目線になる漢方薬の使い分け⑥〜花粉症〜
そろそろ本格的に花粉症のシーズン到来ですね。
ドラックストアなどでも、花粉症の薬が勢ぞろい!
病院でしか処方できなかった『抗アレルギー薬』も、ドラックストアや通販で購入できるようになり、花粉症の症状コントロールもしやすくなっています。
が、抗アレルギー薬には「眠気」や「口の渇き」といった副作用も起こることが多く、花粉症よりも薬の副作用の方がつらいという方もいらっしゃるでしょう。
また、西洋
専門家目線になる漢方薬の使い分け④〜桂枝茯苓丸と加味逍遙散
今回は、桂枝茯苓丸と加味逍遙散を比較してみましょう。
この2つは、どちらも『活血』=血のめぐりをよくするはたらきが期待できますが、根本的な原因として
●加味逍遙散
:肝の気のめぐりが悪くなっている(ストレス・自律神経の乱れなどで)・精神的な症状が目立つ場合
●桂枝茯苓丸
: 血瘀の状態がある=古血のたまり
血瘀の原因としては、若い頃に手術をした、出産、日常生活の不摂生などいろいろな原因
わかりやすい!漢方薬〜くすり箱に入れておきたい漢方薬⑨安中散
胃の痛みや、冷えが強くて痛い場合におすすめなのは「安中散」です。
以前ご紹介した、『芍薬甘草湯』もいいのですが、胃〜お腹の冷えによる痛みには安中散の方が効果的!
ストレス性の胃腸症状にも使われ、特に検査をしても異常はないけれど胃の痛みや胃がもたれるといった症状がある場合にも使われています。
安中散
市販の胃薬で、漢方薬が入っているものは、ほとんどが安中散が基本として作られています。
安中