腹巻き猫

ハラマキスト。元報道番組ディレクター。主に自然災害やカルト宗教事件などを取材。コロナ禍…

腹巻き猫

ハラマキスト。元報道番組ディレクター。主に自然災害やカルト宗教事件などを取材。コロナ禍の2020年に子宮体がんの手術を受ける。抗がん剤治療の副作用や、合併症による失明の危機など闘病記を執筆中。ハラマキ通信は気まぐれ不定期更新です。

マガジン

  • ハラマキ通信

    腹巻きを愛するハラマキストの独り言です。気が向いた時だけの不定期更新です。

  • カルト宗教が牙をむく時

    カネの臭いを嗅ぎつけ豹変するカルト宗教の本性に迫る取材ノート。オウム真理教の教祖・松本智津夫が残した“洗脳の時限爆弾”タイムリミットは限りなくZEROを示している。

  • 大仏開眼への道

    coffeeはブラック。ハンバーガーやフライドポテトは好きじゃない。そんな私がなぜ?1型糖尿病はなぜ怖いのか。網膜手術に眼球注射、眼球防衛隊と共に立ち向かいます。

  • 子宮体がんになって考えた

    2020年に子宮体がんの手術を受けました。基礎疾患に1型糖尿病を抱えているため、その後の抗がん剤治療では想像もしなかった合併症を経験することになったのです。不屈の闘志で生きる、初老女の闘病記です。

  • 眼底に潜む 老いと病

    抗がん剤の治療を終え、今度は失明の危機に直面。もうバイクに乗ることはできないのでしょうか。どんな困難が待ち受けようともあきらめない初老女の闘病記。

最近の記事

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子宮体がんになって考えた~「閉経」の話をしよう

【はじめに~子宮体がんになって考えた】 私は報道番組で「がん企画」を担当する度に ~がんの治療は早期発見が大切です~ という原稿を必ず書いてきました。 しかし2020年、55歳の時に私自身が子宮体がんになり手術をしました。 今思うことは、がんは早期発見が大切。 「だから生理のこと、閉経の話をしよう」 女性同士、仲良しでも「月経」の話は意外としにくいものです。 しかし、月経は体の変化を知らせる重要なシグナルです。場合によっては命に関わる病気かもしれないのですから、大切なパー

    • ハラマキ通信 リフィルの森の迷い子 筆記具考

      今夜は終電ギリギリかなと腕時計を見ると、時刻は7時40分を過ぎたところで止まっていました。あわてて駅の階段を降りると電車の到着まで10分近くある。ああよかった。 腕時計の電池はどうして示し合わせたように切れるのかしら。ふたつ持っている腕時計をわざわざ少し時期をずらして電池交換しているのに、針が止まってさあ電池切れだともう一つの時計を出すとかなりの高確率でこちらもすぐに事切れるのです。これはやつらの策略なのだと私は疑っています。 さらに明らかな悪意があると感じるのがボールペンの

      • カルト宗教が牙をむく時・11~ 遺骨を手にする者 教祖のDNAとウソ

        オウム真理教 骨肉の争い 2024年3月13日。東京地裁は国に対し、松本智津夫元死刑囚の遺骨を実の娘である二女に引き渡すよう命じる判決を言い渡しました。 2018年7月に死刑が執行された松本死刑囚。その遺骨引き渡し先について最高裁は二女と判断し確定しています。しかし遺骨を保管している国は「宗教的に利用される可能性がある」として二女には渡さず保管し続けてきたのです。 遺骨がこのまま二女ら遺族に引き渡されるかどうかわかりませんが、国による“保護”がなくなることで新たな宗教被害者

        • ハラマキ通信 河川敷でトモダチに出会った

          日が傾きかけた多摩川の河川敷。突然背後からブンッ! と重たい羽音と共に黒い影が通り過ぎて、私の前に舞い降りました。カァ~! 一声高く鳴くと、首をかしげて私の顔を覗き込むように見ています。 あれ、何が怒らせるようなことをしたかしら。カァ~! おぉ~? カアッ おっ… 私は一言二言カラスと鳴き交わしたところで思い出しました。 あなたはこの前のカラスなの? ちょうど二週間前の同じこの河川敷で私は一羽のカラスとお喋りをしながら写真を撮らせてもらいました。芥子色のコートに茶色のカメ

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        • 母の葬送
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          ハラマキ写真館 川崎工場地帯に現れる獣たち

          新しいミラーレスカメラOM-D E-M10Mark Ⅳ とはまだあまり親しくなれず接し方がわからないままです。お互いの距離を縮めようと、40-150mmのレンズをバッグに入れて川崎の工場地帯に出かけました。きょうから11月だというのに日差しが強く汗ばむ陽気です。JR南武線の浜川崎駅で電車を降りてのんびり歩き始めると、まだまだ小さな鉄工所もあって作業に追われていました。 JR鶴見線・昭和駅までおよそ1.5キロを歩くと、扇橋の上から巨大なプラント群が煙を上げているのが見えてきます

          ハラマキ写真館 川崎工場地帯に現れる獣たち

          大仏開眼への道15~鮮やかな色彩の記憶

          色褪せた世界 白内障の手術を受けたのは2021年3月のこと。元の水晶体が入っている袋の破損や機材の故障で手術が一時中断するなど、次々驚くようなトラブルに見舞われました。しかしなんとか手術を終えた後は白内障用の人工レンズのおかげで実に鮮やかな世界を取り戻すことができました。しかし視界を遮る暗い影が忍び寄っていたのです。 白内障手術から2年6か月が過ぎたある日、眼球防衛隊N医師の診察で… N医師「人工レンズに少し曇りが出ていますね 気になりますか?」 私「え?先生 眼の中にあ

          大仏開眼への道15~鮮やかな色彩の記憶

          ハラマキ写真館 in横須賀 風に吹かれて

          秋は突然やって来ました。アース・ウィンド&ファイアーの名曲♪Septemberを聴いて感傷的になる隙もなくOctoberはせっかちに乗り込んできたのです。秋の潮風に吹かれてクルーズ船に乗りたいな…と検索するとYOKOSUKA軍港めぐりのツアーを発見。 あしたの天気は晴れだ。早起きしたら…そうだ新しいカメラを持って横須賀に行こう。 10月12日の朝。 私は初めてバイクでも車でもなく、一人でのんびり電車に揺られ横須賀に向かいました。 クルーズ船のチケットは大人1800 円。桟橋へ

          ハラマキ写真館 in横須賀 風に吹かれて

          ハラマキ写真館 お別れいたします そして新たな関係が生まれる

          お別れいたします。 私はもう、大切なパートナーであるあなたを支えることが出来なくなってしまいました。 あなたの屈強なボディに魅せられてお付き合いを始めてから13年が過ぎました。鹿児島で桜島の噴煙を眺め、米ノ津から肥薩おれんじ鉄道にゆられて訪れた日奈久温泉。雪の由布岳でウサギの足跡を追いかけました。瀬戸内の島々では猫と戯れてシャッターを切ることさえ忘れるほどでしたね。ポルトガルの石畳、台湾の夜市、私の旅はいつもあなたと一緒でした。手のひらにずっしりと伝わる重厚感、グリップの感触

          ハラマキ写真館 お別れいたします そして新たな関係が生まれる

          ハラマキ写真館 寺ねこ姉さん 2014年

          滋賀県は湖東三山にある百済寺。入り口の右隅にご注目。秋風に吹かれ、静かに寝息をたてておられるのは…

          ハラマキ写真館 寺ねこ姉さん 2014年

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          ハラマキ写真館「猫集会in長崎」2017年9月

          ハラマキ写真館「猫集会in長崎」2017年9月

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          ハラマキ通信 心に残る一枚の写真

          1976年 私の出発点自分が撮影した写真の中で記憶に残る一枚は、夕暮れ時の河川敷。 父から「お前にカメラを教えてやろう」と言われたのは確か小学五年生だったので1976 年頃の多摩川の風景です。 カメラの機種はCanon model 7 レンズは50㎜ 一眼レフではなく、レンジファインダーでした。フィルムはネオパンSS 白黒のASA 100…いまはISO というのよね。気圧もミリバールからヘクトパスカルに代わり、円周率も3.14ではなくなってしまったそうだけど、一般常識なんて

          ハラマキ通信 心に残る一枚の写真

          大仏開眼への道14~“目病み女”に風邪ひき男

          雨上がりの公園で アパートの角を左に曲がって十メートル先にある公園の入口をひょいと覗くと、いたいた。顔なじみの猫氏の姿を見つけました。 「猫氏ったら久しぶりだね、あらあら花粉症かな?それとも結膜炎?」 猫氏は肩を落とし眼をしょぼしょぼさせていました。自慢の毛並みもちょっとバサバサしています。猫風邪かな。 「ずっと雨ばっかりで大変だったね。猫氏も線状降水帯って知ってる?ずっと強い雨が降り続いたら川の近くに行ったらダメだよ。気をつけてね」 会話をしている間もずっと目をシバシバさ

          大仏開眼への道14~“目病み女”に風邪ひき男

          カルト宗教が牙をむく時・10~カネと暴力 裏の顔を告発する

          統一教会とエホバの証人土地や家屋を売り払い保険を解約し、家族が崩壊してもなお献金をするように強要。そして壺や教本など高額な教団の商品を次々購入させる“霊感商法”で莫大なカネを集めてきた統一教会。これまでも被害を訴え続けてきた人々の声は、2022年6月に安倍晋三元首相が殺害された事件によって多くの人に知られることになりました。 2023年2月末、「エホバの証人」についても大きな動きがありました。病気やけがの治療で必要な輸血を拒否させる、子どもに鞭を打つなどの暴力をふるうなど児

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          ハラマキ通信 2022年も苦難を乗り越え生き抜いた

          幸せな食卓には海苔がある2023年1月。まだ正月気分が抜けないある日の夕食、夫のアキオさんがカレーライスを目の前にして「海苔!」と言うとにんまり笑いました。 「きょうはカレーだから海苔はないよ」と言うのに、味を覚えたばかりの子どもみたいに海苔!海苔!と繰り返すのです。 まあ1回食べれば気が済むでしょう。カレーに海苔があうかあわないか。しぶしぶ一枚だけ軽くあぶって小皿に乗せました。すると。 アキオ「ええっ?おいしいこれ、海苔おいしいよ!カレーに合うすごく合う!」 海苔を出せ

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          ハラマキ通信 湯たんぽを抱えてみる夢は

          大寒波の節分会に思うテレビの天気予報はどの局も「大寒波」の見出しで解説していました。凍結による水道管の破裂、肉眼ではわかりにくい路面凍結のブラック・アイスバーン、気温の急な変化で心臓疾患などが起こるヒートショックと心配事ばかりです。滑って転んでまた骨折でもしたら大変。寝る時くらいは温かい布団でゆっくり体を伸ばしたい。 若くて馬力もあった20代の頃は仕事で徹夜や深夜帰宅する日が多かったので、奮発して布団乾燥機を買いました。タイマーで時間をセットしておけば真夜中にアパートに帰って

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          がんサバイバーの社会復帰 新たな闘いの始まり

          傷痕の癒着は悪の温床2022年12月6日、私は整体の綾子先生を訪ねました。一年間がんばった分の疲れをほぐしてもらいたかったのです。綾子先生はいつだってやさしく私のくだらない愚痴にも付き合ってくれますが、にっこり笑いながらも〝指導の手〟は決して緩めません。 「先生、最近寝ているときに足がよくつるんです。激痛で足つったままじゃ眠れないし。こっちのね、骨折をしたほうの右足首」 それは2018年1月に東京で大雪が降った日のこと。翌朝の大雪パニックに備えて芝公園のホテルを宿泊予約して

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