“伴奏者”としてのプライド
伴奏をするピアニストの中には「伴奏」という言葉に対して否定的な感覚を持っている人もいるようです。その背景にはどうも「伴奏」という言葉のニュアンスが「添え物、主役にくっ付いているおまけ」のようなあまり好ましくないものという観念があるでしょう。それは国語的に言って必ずしも妥当ではない一方で、実際に「伴奏(者)」が軽んじられる文脈と共にこの言葉が発せられる場面に何度も遭遇すれば、そうした忌避感が生まれてしまうのも致し方ないことだと思います。代替表現としては「共演(者)」が望まれる