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羊
2023年8月4日 06:39
すっと伸ばした先で触れたあなたの指先気付かぬように絡まり近づく吐息束の間の逢瀬に身を委ねる心のままに真実を知るこのままという願いとは裏腹に気だるさと残り香だけが時を知らすなぞってもなぞっても形のないあなたの温もりわたしもまた静かに現実の扉を開ける
2023年2月22日 13:16
夕暮れに手を伸ばした君が君に届きそうなそんな気がしたからいつまでたってもその距離は近づかないようで君が見ている空は大きくて僕はただ君に伝えたかった夕暮れにこのままでこのままで君が先に繋いでくれた君の手が夜が来る前に伝えよう君がそうしてくれたように君に届けようこの夕暮れみたいにただ
2022年12月3日 19:39
「これ、壊しちゃった、ごめんなさい…」差し出したのは二つに割れた湯呑。「なんで謝ってんだ?」「だって、いつも使ってるからお気に入りかと思って」静かに湯呑を見つめる目線がゆっくりと動いていく。「怪我は?」「怪我?」「洗ってるときに割れたんだろ?」「うん」「あっ、これは別件で…」「別件?」「たいしたことはないから…」「そっ…詮索する気はないけど、消毒くらいしとけよ」徐に立ち上
2022年11月25日 17:23
泥々に破綻した欲情君の傷口に刷り込み続ける激情その口をこの口を塞いでしまいたい見上げた空はふざけてるくらいにすがすがしく沸々とあふれ出す衝動をあざ笑い何もしない伸ばした手は何に触れることなく結局はすぐ側にいる君の手がまた教えてくれるひとりにはなれないとひとりではないことを
2022年11月13日 19:41
失くしてしまったあの日の感性いつからか大人の顔で世界を知ったように生きて良識と狂気の狭間でかろうじて生き残ってそれでも今を生きようと格好のいい言葉を並べ立てありもしない情熱を愛と言う言葉で囲いすぐ そこにある本音に蓋をし常識のレールがまっすぐとこの先の未来を作る誰のための優しさなの死にたいならば死ねばいいその苦しみは後に残る人だけが知っている
2022年4月3日 19:26
その笑顔を何度も見ていたかった。穏やかなその声はいつまでも優しくまるで今でもそばにいてくれているようでぽっかり空いたその部分は今もそのままで埋まらないけれど追いかけていたその時間をようやく振り返ってもいいかなと思えるようになって言いようもない寂しさや切なさや哀しさをを感じることが怖くてずっと目をそらしてきたけれどふいに訪れたあなたの笑顔は変わらずに美し
2022年3月26日 15:19
そっと包むように撫でていく深くどこまでも際限がない奥底で拡がってやがては飲み込んでいく溺れてもなおこの手を伸ばし求めゆく終りなき欲望さえ包んでしまう苦しくはないただ鼓動を震わせ全身で受け止めるその吐息さえ逃さずに捕まえて描くのは美しくも深いその声ただその声に抱かれてこのまま沈んでしまいたいまるでそこに太陽
2022年3月21日 08:05
咲くも咲かぬも決めるのは自分自分の咲き方で咲けばいい咲かぬのもまたその花の咲き方咲こうと思って咲いている花はいないただ花は咲く時が来れば枯れてその命をまた繋ぐため次に咲く花のためただ花は咲く疑わず迷わずただ自分の咲き方で咲くも咲かぬも決めるのは自分咲くのなら咲けばいいその時の自分のやり方で
2022年2月26日 18:06
きっと誰もがいつの時代でも誰かのために生きているだから寂しくて泣いてしまってもだから苦しくて諦めてしまってもそれはきっと誰かの生きる意味になるのかもしれないこれはけっして独りよがりではなくうぬぼれでもなくそうありたいと望む願いだからわたしはわたしを生きる誰かのために自分のために続くその魂のために
2022年2月25日 11:54
望む光とは裏腹に世界は沈んでいく誰もがただ願っているだけなのに深い深い沼の底にすべてが沈むまで時に世界は進んでしまう望まないその先へその欲望が誰かのための叫びとなってすべてが違う相容れないからとそれを互いに正義だと悪だとわめきあい命を忘れてしまうそれでもそこに咲く花があるはずだそこで足を止めてそこで心を鎮めどうかどうか
2021年12月19日 21:06
君が夢中になって追いかけていたからまだ幼くて届かなかったから守りたくなってしまった正しいことそれは誰のためそう触れてしまったからわかってるこの先は苦しいのかもしれないけれど君は確かに今愛されているからもう少しあと少しだけそのわがままは幸せを砕くからもういいんだよ君が笑っているからそのまま
2021年12月18日 21:26
お湯を注いで3分待てば、ラーメンが食べられる。そんな魔法を知ったのは小学4年。けれどそれよりももっとずっと昔に食べ損なったカップ麺があったような気がする。寒い冬の日だった。今にも雪が降りだしそうな冷たい空気が空腹に染み込んで、余計に体を冷やした。いつもなら寄り道をして帰るのに、寒すぎて遊ぶことさえできなかった。どうしてあんなにあの日は寒かったんだろう。今、思い出しても指先からひんや
2021年12月6日 23:20
語るように歌うように描くように日々を綴る気づかなければ世界はシャボン玉のように薄い膜で囲われてそして消えていくだからなくさないように壊さないように優しく大切に世界の形を作るのは自分だから思うがままに底なし沼のような恐怖で苦しめる利己的な暴力と盲目となった正義が何度も押し寄せてきても綴る確かに生きてる証をこの先の誰かへと繋げるため
2021年11月5日 22:52
元ちゃん、覚えてる?あなたがわたしを元気にしようと連れていってくれたあの場所。綺麗だったね。自分の住む街の夜景がこんなに素敵だったなんてわたしはその時まで知らなかったよ。空にはこぼれそうな星が煌めいて夜の街に流れていくようなそんな時間だったね。時々ね、元ちゃんのことと、あの場所につれていってもらった時のことを思い出すのよ。2人とも若かったね。だって大学生よ。青春よ。誰かを好き