記事一覧
最上級のボクシング興行(その1)〜井上尚弥vsルイス・ネリ@東京ドーム
淀川長治さんが、永六輔に「東京で一番おいしいステーキを探して食べてきなさい」と言ったそうだ。永さんは、帝国ホテルでステーキを食べ、「とても美味しかった」と淀長さんに報告した。すると、淀川さんは永さんを某社社員食堂に連れて行き、ステーキ定食を食べさせた。そして、「君は東京で一番いいステーキと一番ひどいステーキを食べた。これから、どんなステーキが出てきても、君は自分の価値観でものが決められるね」と。
亀戸餃子から亀戸天神へ〜ゴールデンウィーク最終日
二年前に義父の墓参帰りに亀戸餃子を訪れたことを書いた。ゴールデンウィーク最終日の朝、思い立ってお墓のある船橋法典まで出かけた。
お墓参りの後は、近くにある「楽天地天然温泉 法典の湯」に立ち寄る。墓参が主なのか、スーパー銭湯が本当の目的か。。。。
GW最終日ということもあって、疲れを癒そうとする人で大盛況である。さっぱりしたところで、ランチをどうするか。駅前の「讃岐饂飩 まるは」は入店待ちの人が
大阪から来た名店〜うどん「根津 釜竹」で釜揚げをいただく
「大吉原展」の会場、東京藝術大学の最寄り駅は上野あるいは根津。ならば根津のあの店でランチを取ろう。うどんの名店「根津 釜竹(かまちく)」である。
大阪・羽曳野のあったうどん店「釜竹」の二代目が東京に進出、あっという間に名店として有名になった。「食べログ」によると、出店は2005年。もう20年近くが経過した。
11時半の開店だが、到着したのは11:05、既に10名以上の方が開店を待っている。昨日
東京藝術大学大学美術館は“大“賑わい〜「大吉原展」が示すもの
東京芸大の美術館で開催されている「大吉原展」。本展を知ったのは、皮肉にも本展がネット上等で問題視されていたという報道だった。
例えば4月25日の朝日新聞「『大吉原展』に開催前から批判 負の歴史の見せ方は」という記事の中には、<「女性の性暴力の歴史に触れていない」「吉原を美化している」といった批判が上がった>と書かれている。どうも、開催前の広報の仕方にも問題があったようだ。
私は“吉原“が好きで
クリント・イーストウッド初監督作品〜怖〜い「恐怖のメロディ」
2022年に文藝春秋に掲載された、小林信彦「わが洋画・邦画ベスト100」。洋画については、配信されているものは殆ど観たと思っていたが、「恐怖のメロディ」(1971年)が未見だった。(U-NEXTで配信中)
クリント・イーストウッドの初監督作品、主演も本人である。
イーストウッド監督作品は、「許されざる者」(1992年)、アカデミー作品・監督・主演女優・助演男優賞受賞の「ミリオンダラー・ベイビー
ラジオネタをもう一つ〜NHK「ヤマザキマリラジオ」に萩尾望都登場
ヤマザキマリととり・みきの「プリニウス」(新潮社)が、第28回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しました。おめでとうございます!
そのヤマザキマリが萩尾望都をゲストに迎えたNHK「ヤマザキマリラジオ」が5月2日に放送され、5月9日までradiko・NHKラジル★ラジルで配信されています。
この二人の対談が2時間近く聴くことができる番組、様々なトピックに会話が飛び跳ねていきます。
なお、以前にも書
「村上RADIO」特別編、まだradikoで聴けますよ(あと数日)〜小澤征爾さんの遺した音楽を追って
月1で放送されている「村上RADIO」(TOKYO FM/JFN38局ネット)ですが、4月は2回の放送。4月29日、“昭和の日“の祝日は、特別編として“小澤征爾さんの遺した音楽を追って“と題して、2月に他界された小澤征爾さんの追悼番組が放送されました。
村上さんは、「小澤征爾さんと、音楽について話をする」(新潮文庫)というインタビュー本を上梓されていますが、お二人の親交を通じたエピソードも挟みな
Netflix版「三体」は流石の脚色〜舞台は中国からイギリスへ
中国テンセント版に続いて、3月から配信されたNetflix版の「三体」。この二つのドラマ化は、まったく違うアプローチだった。
原作となった小説「三体」については、こちらの記事を参照して欲しい。そして、テンセント版のドラマは今年の1月に記事にした。
今回の主題はNetflix版である。
WOWOWおよびU-NEXTで配信されているテンセント版は、基本的に原作に忠実である。それ故、原作を読むだけ
「帰って来た 橋本治展」〜GWに神奈川近代文学館へ
GWである。遠出することもなく、おとなしくしている。2日に1回はジムに行き、ウォーキングする。かつてはエアロビクスのレッスンに参加していたのだが、都合の良い時間のものがなくなり、単に歩いているだけである。
4月29日、祝日スケジュールで臨時レッスンが午前中にあり、本当に久方ぶりに参加してみた。ついていけるか不安だったが、結構体が覚えていて、なんとかこなした。一風呂浴び、自由が丘から東横線で元町・
「思い出横丁」、私は一択で「ささもと」〜ますます国際的に
大学に入った年、新宿 西口の「思い出横丁」に連れて行かれ、初めてホッピーなるものを飲んだ。その“思い出“もはるか遠くになった頃、「思い出横丁」に出入りするようになった。鰻串の「カブト」、食事を取るなら「つるかめ食堂」、そして「ささもと」。
今では「ささもと」一択。とは言え、コロナ禍以降、すっかりご無沙汰していた。春になり、コートも脱ぎ、ついにジャケットも必要なくなった今こそ、「ささもと」再訪の時
父と息子のつらい物語〜「アイアンクロー」フリッツ・フォン・エリックの“鉄の爪“
小学生の頃、プロレスに夢中になった。「プロレス入門」という本を買い、隅から隅まで何度も読んだ。当時の外国人レスラーの多くにはニックネームがつけられていた。
“鉄人“ルー・テーズ、“人間発電所“ブルーノ・サンマルチノ、“アラビアの怪人“ザ・シークなど、子供心に興奮をかき立てる異名が並んだ。“荒法師“ジン・キニスキーなどという、意味不明のものもあったが。
そして、“鉄の爪〜アイアン・クロー“フリッ
私自身は消化不良だったけれど〜「オッペンハイマー」は映画館で体験すべき
ようやくという感じで「オッペンハイマー」を観た。既に多くの映画評があふれているので、私ごときが付け加えることはないのだが、備忘録的な感想を。
まずは映画館で体験すべき作品だと思う。その辺りはクリストファー・ノーラン監督もかなり意識したのだと思う。核兵器の威力・恐ろしさを、あの画面、そして音響が、一種のモチーフとして働きかけてくる。
オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)と精神科医で共産主義者
まさに眼福を得る〜「四月大歌舞伎」玉三郎と仁左衛門
「四月大歌舞伎」夜の部は、片岡仁左衛門と坂東玉三郎の共演「於染久松色読販」(おそめひさまつうきなのよみうり)。
“お染の七役“として知られる演目で、一人の女形がお染・久松を始め、早替わりも駆使しながら七役をこなす。橋本治著「大江戸歌舞伎はこんなもの」(ちくま文庫)によると、かつて歌舞伎の世界において男女は区別されていた。もっとも、すべて男性で演じられるので、立役と女方という意味ではあるが。
女
エジンバラからロンドンの旅(おまけ)〜雑感いろいろ
(承前)
東京にいると、インバウンド観光客の増加を肌身で感じますが、エジンバラ・ロンドンも相当な数の観光客がいました。イースター休暇明けではありましたが、まだ学校は春休みだったせいもあるのでしょう。国内からの旅行客も多くいたでしょうが、海外からイギリスに短期的に訪れた人は2023年で4千万人程度のようです。同年の訪日外国人旅行者数は2500万人程度とされています。
週末だったせいもあり、エジン
エジンバラからロンドンの旅(その10)〜我々はなにを食べたか
(承前)
エジンバラ・ロンドンの旅行記、最終回は私たちが何を食べたかを記録します。どの店も満足いくクオリティだったので、お勧めできます。旅行に行かれる方は、参考にしてください。予約は必須ですが、今はオンラインでできます。
3人以上で食べていますが、我々は一人一皿〜前菜・メインという注文の仕方はせずに、基本的に皿をシェアするスタイルです。3人だと前菜2皿、メイン1〜2皿(普通の方よりは少食です)