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大学改革

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#教育改革

独自のカルチャーに”浸れる”環境が人を育てる。武蔵野大学EMCのイベントから考える、大学で学ぶ意味とは何か

独自のカルチャーに”浸れる”環境が人を育てる。武蔵野大学EMCのイベントから考える、大学で学ぶ意味とは何か

インターネット上に無料の学びがたくさんあるなか、大学で学ぶ意味とは何なのだろう?こういった問いは、メディアやネットの書き込みを見ていると定期的に目にします。私自身もたまに考える問いではあるのですが、今回、見つけた武蔵野大学のイベントはその答えの一つになるかもしれません。

スタートアップ界隈の”熱さ”を体現した大学イベント

では、どんなイベントなのかというと、「EMC SUMMIT −未来の前で

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ヒントは成蹊大の特設サイトにあり!? “学び方のレシピ”の集積から考える「学修者本位の教育」への向き合い方。

ヒントは成蹊大の特設サイトにあり!? “学び方のレシピ”の集積から考える「学修者本位の教育」への向き合い方。

「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」で示された「学修者本位の教育への転換」は、これからの教育の方向性を示す指針として、どの大学も大いに意識しているように思います。とはいえ、これをどのようにすれば教育に実装できるのでしょうか。多くの大学が模索段階だとは思うのですが、このたび成蹊大学が公開した特設サイトは、この難問を考えるうえで、いいヒントになりそうに感じました。

複雑に絡まり合いながら

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評価が変わると学びは変わる!?金沢工業大学のイベントから考える、これからの学習評価のあり方、伝え方。

評価が変わると学びは変わる!?金沢工業大学のイベントから考える、これからの学習評価のあり方、伝え方。

企業が内定を得ている学生の保護者に内定確認の連絡を入れる「オヤカク」というものがあります。最初に聞いたときはけっこうビックリしましたが、今は昔より大学生であっても親の影響力や発言権が強く、また親の子への関心も高いのでしょう。

今回、見つけた金沢工業大学のイベントも、親を意識した取り組みなのですが、こういうやり方もあるのかと興味深く感じました。またよくよく考えると、こういった取り組みを続けていくと

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時代は超効率重視?近大の調査から見えてきた、新たな学生の学びスタイルをどう受け止めるかについて考える。

時代は超効率重視?近大の調査から見えてきた、新たな学生の学びスタイルをどう受け止めるかについて考える。

コロナ・パンデミックがはじまって2年半が過ぎました。アフターコロナの社会はどうなるのか?みたいなことが話題にはあがるものの、コロナがどこかのタイミングできれいに収束して、コロナのない世界がはじまる、というのは、おそらくないように感じます。

グラデーション的に変化しつつ、気がつけばコロナがあまり気にならない、コロナと共存した社会になっていた……、そういうのが現実的なのではないでしょうか。であれば、

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オンライン授業に必要なのは監視か、信頼か。テレワークとは異なる、オンライン授業ならではの難しさ。

オンライン授業に必要なのは監視か、信頼か。テレワークとは異なる、オンライン授業ならではの難しさ。

オンライン授業が、コロナ後の大学教育にどんな影響を与えるのかは、大学関係者でなくても興味のあるトピックです。今回、取り上げる早稲田大学のニュースは、そんな大学のオンライン授業の今後を考えるうえで、しっかり議論した方がいいもののように感じました。こういったニュースを、大学そして社会がどう受け止め、どうやって未来への肥やしにしていくかが、大学教育を豊かにしていくうえで必須なような気がします。

ニュー

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オンライン授業の意味は、授業外にあり?コロナ収束後に向けて考えたい、見落としがちなオンライン授業の論点。

オンライン授業の意味は、授業外にあり?コロナ収束後に向けて考えたい、見落としがちなオンライン授業の論点。

先日、ハーモニープラスという学修成果や教育成果の可視化・分析ツールを提供する会社による、「現在の大学での授業」に関する調査の結果を見つけました。ここには、オンライン授業に対するアンケート結果も載っていたのですが、私が大学で見聞きするオンライン授業の評価と大きくは変わらず、何となくオンライン授業の評価というのは定まりつつあるのかなと感じました。一方で、評価が定まってきたからこそ、この種の授業を今後ど

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大学の在り方を根本から変える! 大学4年間を“学び続けるための最初の4年間”だと捉え直す。

大学の在り方を根本から変える! 大学4年間を“学び続けるための最初の4年間”だと捉え直す。

大学関連の仕事をしているとリカレント教育の重要性が年々高まっているのを感じます。18歳人口が減る大学にとって、社会人学生は新たな財源になるし、国はできるだけ多くの人に効率よく働いてもらいたい。人材が流動化し、実力主義になってきている世の風潮とも合致している。すべての思惑が合っているんだから、そりゃあ重要だと、みんなが言うのも頷けます。

でも、これだけ求められているのに、リカレント教育が盛り上がっ

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近い未来、名物Vチューバー先生は大学の宝になる、という話(吉備国際大)

近い未来、名物Vチューバー先生は大学の宝になる、という話(吉備国際大)

ものすごくおじさん的な物言いですが、ユーチューバーってすごく人気があるみたいですね。このユーチューバーの亜種ともいえる、Vチューバーがなんと大学の先生になったようで話題を呼んでいます。けっこう衝撃的ではあるものの、これ、実はすごく可能性があるように思うのですがいかがでしょうか。

教員として就任したのは、Vチューバーの朝霧けいさん。所属は、吉備国際大アニメーション文化学部なので、Vチューバーにぴっ

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今という時代に、学生視点でよりよき教育を考えることの大切さ

今という時代に、学生視点でよりよき教育を考えることの大切さ

大学がレジャーランドと揶揄されたのは、はるか昔のこと。今の学生たちは真面目だし、大学もそれに応えるように良き教育を追究しています。今回、見つけた記事にある、学生FD(ファカルティ・ディベロップメント)サミットは、そんな良き教育をつくるための取り組みの一つです。こういう活動に学生が主体的に関わるのって、とても大事なような気がします。

まず、そもそもFDとは何なのか、ですが、これは上の記事にも少し書

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