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がんばっている人が報われる、はちょっと辛い。
「がんばっている人が報われる組織がいい」
かつて勤めていた会社で、ひとりのメンバーが話していたことだ。当時は、ぼくも同感だった。がんばって成果を出した人が報われる。高いポジションに就けたり、報酬が高くなったり。そういう仕組みがあるのが良い組織なんだと。
会社だけではなく、ぼくが通っていた学校でも「がんばっている人が報われる」という価値観は通念だった。勉強や部活で何か成果を出したいならば、がんば
大切な人がする大切な人の話。
大切な人がする、大切な人の話をきくのがすきだ。たとえば友達がしてくれる恋人や親友の話は、自分と一緒にいるときの友達とはすこし違った一面を垣間見ることができておもしろい。
先日、あかねさんが書いたエッセイをよんだとき、まさにそう感じた。
その話を書いたあかねさんとは、ライティングスクールで出会った。わたしにとっては頼れるお姉さんだ。不安な気持ちをぶつけると、応援の言葉を返してくれる、強い味方のよ
いまわたしは、靴ひもを結び直している。
だれかと並んで歩いているとき、靴ひもがほどけることは稀にある。
そういうとき、わたしはその場に立ち止まり、上体をかがませ、急いで靴ひもを結び直す。その間、隣を歩いていた人は前へと進んでいる。わたしは結び終わると、小走りでその人へと追いつく――。
わたしは今、靴ひもを結び直しているのだと思う。
今年の1月末につとめていた会社をやめて、そのあと転職した先は、3か月でやむを得ず辞めることになった。
いつまで経っても、わからない
今日友人と呑んでいて「人に興味がありますよね」と言われた。
確かに、ある。
その抽象的なことばは、何を意味しているのか。振り返って思ったのは、「どこまでいっても、人は分からん」「でも、分からんけど、掘っていくのは面白い」と言う2つのやや矛盾する認識を持ち続けることだと思う。
誰かの話を聞いて、その人を理解することは面白い。聞くほど、「仮説」として「こう言う人なのか」というイメージは深まっていく
飛び立つタイミングを失った蝉
今年に入って、まだ蝉の鳴き声をきいていないように思う。転職してから、東京の真ん中にいる時間が長かったからだろうか。それとも、6月からはじまった突然の暑さに飛び立つタイミングがわからないのだろうか。
飛ぶタイミングは重要だ。蝉には下界で過ごせる期間がたった1週間しかない。ここぞというときを選びたいのだろう。それは6月下旬では、時期尚早なのかもしれない。
夏生まれのわたしは、もうすぐ25歳になる。
「気持ち短めで」と言いがちな人間
1ヶ月半ぶりに髪を切った。美容室帰り特有の、ほんの少し薬品っぽくも心地いい香りが、鼻腔にまだ残っている気がする。髪がいくらか無くなって、突如として始まった猛暑のこもるような熱気も軽減された。
「気持ち短めで」
椅子に座り、「今日はどうしますか」と訊かれると、おおよそこのように答えている。魔が差して、大幅に短くしたくなる日を除いては。年に数回訪れるこういう日は結局のところ、散髪後に
「コーラはかき混ぜるとうまい」 それが伯父のさいごの言葉だった。 【KUKUMU】
「おじさん」と発音できなかったのか、周りの大人がそう呼ばせたのか、きっかけは覚えていないけれど、小さい頃、私は伯父のことを「おいちゃん」と呼んでいた。
母の兄で、四十代半ばになっても独身のまま、親元を離れなかったおいちゃん。天然パーマで体格が良く、四角いメガネレンズの奥の目付きは鋭かったから、一見なかなか怖そうに見える。実際、口も酒癖も悪くて喧嘩っ早かった。
だけど姪っ子・甥っ子にあたる私と弟に
違いを認め合える仲こそ。
相性のいい人について考えている。
一般的に「相性がいい人」とは、価値観が同じであったり、近しかったりする人のことを指す。趣味が合うとか、金銭感覚が似ているとか、笑いどころが同じであるとか。
それを否定するつもりもないし、納得する部分もあるのだが、必ずしも同じであったり、似ていたりする必要はないと思うのだ。むしろ「違い」があって当然で、その違いを認め合える仲こそ「相性がいい」と呼ぶのではないだろ