居石信吾
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ポスト・ポストカリプスの配達員 総合目次
自己増殖する数京個のポストに飲み込まれ、文明は滅亡した。
果てしないポスト・ポストカリプス世界を、配達員〈サガワー〉の少年と配達員〈ポストリュード〉の少女が往く。
襲い来る怪物! モヒカン! アルティメット・カブ!
愉快痛快パワーワード娯楽SFアクション小説!
登場人物紹介
ヤマト・タケル
主人公。男。配達員〈サガワー〉。17歳。サハラでナツキを青ポストの中から発見し、世界の真実とアルテ
【完全版】死ンデレラ #パルプアドベントカレンダー2023
昔々ある所に、死ンデレラと呼ばれる娘が、継母と二人の姉と共に暮らしておりました。意地悪な継母らは死ンデレラを虐めて家庭用原子炉の死の灰の掃除をさせるので、彼女は死の灰被りと呼ばれているのでした。
ある日、王子様は長年争う帝国との決着をつける為、強者を選抜する武闘会を開くことにしました。
「死ンデレラ、貴女は留守番よ! だって貴女は何の取り柄もないからね!」
王国の子女たる者、自らを兵器と成し
溶け去りし日々のマキナ
暗転。
えーっと。
どこまで話したんだっけ。
そうだ、ロス・アラモスの老人達が世界をこうしてしまった所だったね。万物理論を超えた〈投影理論〉が世界から秘密を剥ぎ取ってしまった。秘密がない世界に耐えられなくなった人類は世界を弄り回す事にした。多分、そんな所だろうと思うよ。
余談だけど、投影理論が発表された当時、物理学用語としての〈ディスプレイ〉を実体のディスプレイと勘違いした陰謀論者共が
シンギュラリティ・クリスマス
窓の外から流れる「きよしこの夜」で目が覚めた。
今日も、クリスマスだ。
1999年の12月24日だったそうである。いわゆる「強いAI」、ニコラウスが発表され、当時の脆弱なネットに接続された瞬間にそれは起こった。
その瞬間の混乱が延々と続いているとも言えるし、混乱等何も起こらずただ新しいステージへ人類は進んだのだと言う人もいる。現状に不満を述べる事は自由だが、ニコラウスが市民へと付与する社
Twitterでは強がりましたが落選がクソ悔しくてのたうちまわっています
ぐわああああああ
来年こそ覚えてやがれよ!!!
ポスト・ポストカリプスの配達員 あらすじ&各話リンク
あらすじ かつて戦争を支えたインフラである自己増殖するポスト。だが事故により数京個のポストに飲み込まれ、文明が滅亡してから三百年。
果てしないポスト・ポストカリプス世界。そこは増殖するポストから出てくる物資によって支えられていた。だがポストからは怪物が出てくる危険もある。
ある日、ポストから物資を集める職業である配達員の少年・ヤマトは、伝説の青ポストから冷凍保存されていた謎の少女配達員・ナツキ
ポスト・ポストカリプスの配達員 第三話
「て、敵? なんで同じ種類の機体同士で争ってんだ……!?」
『ナツキ、搭乗を』
トライのコックピットが開放され、ナツキは俺に返事をせずにそのまま跳躍し収まる。
『重力制御開始。ダークマター圧縮効率102%。ダークエネルギー取得率70%』
トライが淡々とシステムログを述べる。周囲の景色が再び歪み始め、俺は慌てて退避する。砂に半ば埋もれていた宅配ボックスの殻を発見し、お守り代わりに頭から被った。
ポスト・ポストカリプスの配達員 第二話
「で、少年の名前は? サガワー? ってことはこの時代にもまだ佐川救世軍は存在するのかな?」
俺はその名が出てきた事に驚いた。佐川救世軍とはポストカリプス前文明に存在した民間軍事会社であったが、郵政省が国内の通信リソースを専ら軍事利用に割り振ってからは空いたニッチを埋めるように民間向け郵便事業にも手を出し巨大コングロマリット化した。
配達員とは佐川救世軍にあやかって呼ばれだした名だが、長い年月の
ポスト・ポストカリプスの配達員 第一話
自己増殖した数京個のポストにより、文明は崩壊した。今世界で最もポピュラーな職は配達員と撤去人だ。
俺は配達員の方をやっている。ポストに稀に入っている食料や水を探し出して、売り捌くのだ。ちなみに撤去人はポストを憎んでいるので丸ごと引っこ抜いてしまう。
俺が今いるここは、かつてサハラ砂漠と呼ばれていた場所だ。今は砂の代わりにポストがびっしりと屹立する。
ポストを一個一個調べて当たりがあったらス
#逆噴射小説大賞2022 セルフライナーノーツ
今年もwebパルプ小説の祭典、逆噴射小説大賞が終わった。今年からレギュレーションに小変更が加わり、投稿作が一人2作までに制限されたのでどうなるかなと思っていたら最終的に260超ものパルプ小説が集まり俺はシャッポを脱いだ。新規参加者もかなり見かけ、イベントとしての強さを感じた。
自分も二作投稿したので、それらの解説や反省点などを書いていこうと思う。
ちなみにヘッダー画像はAIに頼んだら出てきた
ピリグリムは月に触れる
大陸竜の卵が孵った夜、僕は生まれた。
ピリグリムと名付けられた竜と同じ名を頂戴した僕は、従竜師の老爺に育てられた。
「お前達は彼処まで行くんだ」
背棘丘の頂き。白い子竜を頭の上に乗せた僕の背中を叩きながら、老爺が指を差す。釣られて見上げた先には、昼間でも鮮やかに浮かぶ満月。そこから金色の光が時折降り注ぐのを見て、僕は尋ねた。
「師匠、あれは何?」
「あれはニニギだ。お前たちがいずれ成るものだ