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人生図書館

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夫婦によく、間違えられる。

学生時代から、ずっとバイトをしているカフェ。
私は、そこの店主と、よく夫婦に間違えられる。
店主の大崎さんは、40代くらいなんだけども、とても若く見えるというのはあるかもしれない。
いや、私が老けて見えるだけなのかもしれない。

「親の顔より見た大崎さんの顔」というくらい、シフト入ってるからかもしれない。
大崎さんは、シレッとそこにいるような雰囲気の人で、長いこと一緒に働いてきたけど、そこまで踏み

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未来の私から過去のあなたへ

時は202X年。noteというSNSが出来て十周年。
ひっそりと十周年を祝いつつ、十年前の私に向けて、問いかけてみる。
まだ、noteをしらなかったあの頃の私に。

私に、書いたハズのノートなのに。なぜか、四半世紀前のあなたに、届いてしまったらしい。そう、時の概念どころか、noteの枠すらもこえて。

――――四半世紀前、つまり2000年初頭頃。まだ、中学生の私に、高校生のあなた。

私が大学に入

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似てる

似てる

「お父さんに似てるね」

そう、言われるたび、心が苦しくなった。

「でしょ?僕の自慢の息子なんですよ」

”父さん”は、そう言ってくれる。
事実、誰よりも、下手したら母さんよりも、僕を可愛がってくれるのは確かではある。
だが、僕らの関係は、母さんが大好きな”同士”だ。

そう、血が繋がっていないんだ、僕らは。
確かに、義理の親子ではあるんだけども、そして僕のような存在を邪険に扱う人だって無数にい

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