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うつ病改善のためにできること

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うつ病から回復するためにできる健康法や、受けると役に立つ治療法、コミュニケーションのヒントなどをまとめて紹介します。 うつ病から回復するために脳機能を鍛えるとか、食事を改善する… もっと読む
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#うつ病

身体を観察するのは脳を観察するのと同じ

身体を観察するのは脳を観察するのと同じ

身体に意識を向けると,身体がしっかりと感じられて,気持ちが穏やかになる部位があります.こういった部位を「身体のリソース」と呼びます.

例えば太ももや足の裏,背中など,地面や椅子に接触している部位は安定を感じやすい傾向にあります.

「身体のリソース」に意識を集中すると,対応する「脳の部位」を意識することになります.

身体で感じていることは,実際には脳で感じています.つまり,身体のある部位に意識

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「べき思考」の解除

「べき思考」の解除

自分で自分を苦しめる思考の偏りの一つに「べき思考」があります.すべての思考の偏りに共通する対策方法は「偏った思考パターンと逆の思考パターンを考え、二つの視点から物事を見てバランスを取ること」です。この記事では「べき思考」から抜け出すためのテクニックを紹介します.

「〇〇すべき」という考えが出てきたとき,

「○○しなくてもいいけど,〇〇できたらいいなぁ」

ぐらいに考えると,無理をしようとしてい

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自我状態の柔軟性

自我状態の柔軟性

人は自分の自我状態を使い分けて過ごしています。.例えば会社での自分と友人と話している時の自分は異なった自我状態です.

学校で明るい生徒が家庭訪問の時におとなしくなるのも学校での自我状態と家での自我状態が競合し、どう対応して良いか決めあぐねている状態となります.

自我状態の中には最も大きな基盤となる「素の自分」が存在します.

「素の自分」があった上で、会社での自分や友達と一緒にいる自分など、自

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【読書メモ】ポリヴェーガル理論入門

【読書メモ】ポリヴェーガル理論入門

トラウマやうつ病を克服しようとして,「考え方を変えよう」「気にしないようにしよう」と努力することがあると思います.ただ,実はトラウマやうつ病は身体の生理的な反応であり,考え方や気の持ち方を変える以前に,身体反応を正常化させるために神経系を調整する必要があります.

トラウマを体験した人が抱えている状態について,神経生理学的な説明を行っているものとしてポリヴェーガル理論があります.

この理論によっ

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【読書メモ】脳を鍛えるには運動しかない

【読書メモ】脳を鍛えるには運動しかない

運動が脳機能を向上させることについて,神経科学を元に解説している本です.この記事では主に,うつ病からの回復に役立ちそうな内容をまとめました.

ストレスという概念を再定義するストレスは身体の均衡を脅かすものだ.脳でいえば,ニューロンの活動を引き起こすものはなんでもストレスとなる.ニューロンが発火するにはエネルギーが必要で,燃料を燃やす過程でニューロンは摩耗し,傷ついていく.ストレスという感覚は,基

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緊張を解くと疲れにくくなります

緊張を解くと疲れにくくなります

身体が緊張していると血液の循環が悪くなります。脳に酸素が巡りにくくなるので、結果的に疲れを感じやすくなります。

では緊張を解くにはどうすれば良いでしょうか。

まず緊張していることに気づくことが大事です。瞑想やマインドフルネスといったテクニックで気づく能力を上げるのも良いですが、身体を動かして確かめるのがオススメです。

筋弛緩法のように、意図的に身体の一部に力を入れ、その後力を抜いて脱力すると

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良質な脂肪は脳の働きを良くします

良質な脂肪は脳の働きを良くします

毎日の食事の中で、脂肪は「皮下脂肪になって太るから」とか「血液がドロドロになるから」という理由で過剰に摂取しないよう気を付けるのが良いとされています。その一方で、積極的に摂取したほうが良い脂肪もあります。それはオメガ3脂肪酸です。

オメガ3脂肪酸は脳のはたらきを良くする効果があります。例えばうつ病の人は脳の働きが弱っているのですが、オメガ3脂肪酸を摂取することで脳の働きが改善され、症状が改善され

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気にしすぎを防ぐため自分に問いかける

気にしすぎを防ぐため自分に問いかける

街を歩いているときでも一人でいるときでも、どんなときにも使えるテクニックを紹介します。

例えば、街中で他人が自分のことを観察して悪口を言っている時や、一人でいる時も過去のことや未来のことに気を取られている時にも使えます。過去のことを考えるのも未来のことを思うのも、現在すべきことがおろそかになる原因になるので不要な思考はなるべく減らしたいものです。

何か気になることが出てきたとき

①「それを気

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「元気よく話しましょう」という難題

「元気よく話しましょう」という難題

最近、職業適性検査や就活セミナーを受けたのですが、「面接では元気よく話しましょう」というアドバイスをいただきました。私は、自分が元気よく話せているかどうか確認するために、iphoneで自分の声を録音して聞いてみました。しかし、どれだけ声を張ろうと明るい調子で話そうとしても元気あるような声には聞こえませんでした。どうすれば元気のある声を出せるようになるのか知りたくて、臨床心理士の人に相談しました。い

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【読書メモ】 「いつも忙しい」がなくなる心の習慣

【読書メモ】 「いつも忙しい」がなくなる心の習慣

~忙しさを感じる人は根底に不安を持っている~

それほど忙しくないのに忙しいと感じ、忙しい感を撒き散らす人もいれば、1人で何役分もこなしてとても忙しいはずなのに余裕すら感じさせる人もいます。両者には主観的な忙しさの感じ方に違いがあるように思います。では、忙しいと感じるのはなぜでしょうか。実際の忙しさと主観的な忙しさのズレはどこから産まれてくるのでしょうか。

そういった疑問についてわかりやすく解説

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やりたくないことをやらないでください

やりたくないことをやらないでください

本屋さんで立ち読みしていたアドラーの本に書かれていたことなのですが、うつ病の患者さんとアドラーさんとの会話の中に役に立ちそうなアドバイスがありましたので紹介します。

アドラー「やりたいこと、好きなことをして過ごしてください」
うつの人「やりたいことはありませんし好きなこともありません」
アドラー「ではやりたくないことをやらないでください」

うつ病の人は好きなことをやってくださいと言われても、そ

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自分の性格特性を知る【ビッグファイブによる性格テスト】

自分の性格特性はどのようにして知ることができるのでしょうか。巷には性格検査や心理テストがありふれていますが、近年最も信憑性が高い性格分類はビッグ・ファイブと呼ばれる5因子モデルです。ビッグ・ファイブは次の5因子を指標として用いて、人の特性を評価します。

1.開放性 (Openness):

アイディアや知的好奇心、想像力の豊かさを計る指標

2.誠実性(Conscientiousness):

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アドラー心理学の目的論をうつ病治療にどう活かすか

アドラー心理学の目的論をうつ病治療にどう活かすか

一時期流行ったアドラー心理学。アドラー心理学の考え方の中に、目的論といって「今の態度や行動は過去に原因があるのではなく、今現在の自分が近い未来になってほしいことを実現するために作っているんだ」と考えるものがあります。例えば「うつ病の人は失敗を避けたいからからうつ病になっているんだ」という考え方です。

この目的論の考え方は他人に向けて使うものではないと思います。自分で,自分に対して使うものだと考え

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「病気は神からの贈り物である」ってどういう意味?

「病気は神からの贈り物である」ってどういう意味?

病気やうつ病について書かれた本を読んでいると、よく、「病気は神からの贈り物です」とか、「うつ病は天からのギフトです」そして、「だから病気に感謝しましょう」とか、「病気になったことを喜びましょう」という主張を見かけます。

更には「うつ病になったことに感謝することが病気を治す必須条件です」という特殊な条件付けを見かけて驚いたこともあります。どういう理屈でその考えに至ったのが不思議でならないです。「病

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