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MtF のトランスセクシュアル。 自身のブログ 梢おばさまのトランス日記(http://blog.livedoor.jp/kozuesug/)からの転載を主体にします。 そちらもぜひご訪問ください。 自称は「おばさま」。

最近の記事

「男/女であること」を見る

鶴田幸恵「性同一性障害のエスノグラフィ」を入手しました。で、序論とか最初の章をざっと読んだあたりです。以前紹介した「正当な当事者とは誰か」もこの本に入っていますね。方法論を述べた序論のあとの、具体的な話になる「性別判断における外見を「見る」仕方」の感想ですけども、確かにね~おばさまの経験と照らし合わせて、面白く感じていました。要するに「パス」の話なんですが、著者は純女さんなので、逆に言うと「自分が「女」と判断されるのは何でなんだろう?」という根源的な問いから始まっているが興味

    • 鶴田幸恵「性同一性障害のエスノグラフィ」

      半年くらい前に買って最初の第一部「外見以上のものを見る―「女/男であること」を見る」まで読んで、忙しくて放置して忘れてましたね。というわけで最初から通読。 いやね、要するに「人々の方法論」エスノメソドロジーというのは、現象学だから、「Why」をエポケーして「カッコに入れて」、「How」を見る、というあたりの面白さ、だと思うんですよ。そういう面白さがやはり第一部は強くありますね。以前も書きましたが、MtFのパスの問題を取り上げて、性別を判定する「手がかりによる判定」に先立つ「

      • みさねこさんへ

        メッセージのやり取りだと、思うところがきっちり書けないと思うので、note で書きます。誰に読まれても私は気にしないし。 年末からいろいろと考えてきましたが、私の結論は、 トランスを卒業する という方向で固まりました。それが私のとって、一番しっくりする結論です。ですので、今後はトランス関連の話題には一切かかわらないことにします。 というか、私の今の状況を自分で冷静に考えてみたときに、私が何らかの意味で「トランスジェンダーであるか?」というと、もはや違う、としか言いようが

        • 特例法制定当時の界隈(5)

          おわりに 「はじめに」でも少し触れましたが、先日映画「I Am Here ~私たちは ともに生きている~」を見たのですね。「トランスジェンダリズム宣言」から見ると、著者のうち三橋順子氏と畑野とまと氏が出演していましたね。まあ、あと古い方は、虎井まさ衛氏と山本蘭氏。でもね、畑野とまと氏で始まり、中盤のおいしいところで三橋順子氏。そして後半、御病気の山本蘭氏を、監督自身が車椅子を押して....というような構成の映画でした。 ごめんなさい、不快でした。あれほどGIDの問題について

        「男/女であること」を見る

          特例法制定当時の界隈(4)

          マネーの「性自認」さて問題の概念「性自認」。「gender identity」の訳語とされますが、別な訳語として「性同一性」があります。俗に「心の性」と呼ばれますが、大概の個所でこれは「簡単に言って」とか枕詞が付きますから、かなりの俗解と使う方は意識して使うケースが多いのですが..... まずはジョン・マネー「性の署名」での定義を見るのがいいんでしょうね。まあ、訳語は「性同一性」の方が私の論旨には都合はいい(苦笑)ですが、ここは譲りましょう。 性自認(Gender Ide

          特例法制定当時の界隈(4)

          特例法制定当時の界隈(3)

          「トランスジェンダリズム宣言」 では、問題の本「トランスジェンダリズム宣言」(社会批評社・2003年)をしっかり、やりましょうか。編著は米沢泉美氏で、メインのライターはいつき(土肥いつき)氏、筒井真樹子氏、三橋順子氏。加えて「コラム」で参加するのが、畑野とまと氏、森田MILK氏(G-フロント関西の代表)、阿部まりあ氏(京都の女装系イベント玖伊屋スタッフ)、佐藤文明氏(戸籍研究家)、中島豊爾氏(インタビュー:岡山病院。ガイドライン策定の委員長)の面々。 ですから、三橋順子氏、

          特例法制定当時の界隈(3)

          特例法制定当時の界隈(2)

          TS原理主義 確かに、特例法によってメリットを受ける人、受けない人が出ます。これは法律というものの、どうしようもない側面です。具体的な法律では、定義して線引きをしないと、何もできないのです。 ですから、特例法の内容があきらかになるにつれ、その恩恵を受けられない人々は、不満に思うのは仕方のないことです。やはり法律にできること、というのは、かなり限りがあることです。「差別をなくそう!」は理念としては正しくても、社会を委縮させてしまえば元も子もありません。どんな考えであっても、「

          特例法制定当時の界隈(2)

          特例法制定当時の界隈(1)

          はじめに 皆さまのご要望にお応えして、私が知っている限りで、特例法の成立や当時のコミュニティの状況などについて、思い出を書くことにします。実際、私の感覚では、今のトランスジェンダリズム活動家の「反特例法」っぷりを見るにつけ、特例法の上程とその成立に向けての時期(2002~2003年頃)に、「特例法反対」に流れた人々の姿が、完全に重なるのですね。 しかも、たとえば先年公開された映画「I Am Here ~私たちは ともに生きている~」を見るにつけ、「おや、この人たち、全然何も

          特例法制定当時の界隈(1)

          能町みね子「結婚の奴」

          思いついて能町みね子さんの話を書いたことから、それじゃあ、ちょっと最近の本も読もうか?と買った本.....ゲッ!なんてこの本ササりまくるのかしら?? 「能町みね子主義」とか言いましたけど「能町みね子教」になりそうですよ。 能町さんと私、やたらと共通点が多いのですよね。年はあちらが17も下、というのが羨ましい限りですが、ね。この方あたりの生まれだったら、私も特例法ができた若いうちにさっさとトランスして、SRS を受けてたんじゃないでしょうか。で、この方もアセクシャル傾向が強い

          能町みね子「結婚の奴」

          性自認とは何か?

          noteオリジナル記事です。 性同一性障害(GID)は、gender identity disorder の訳語ですから、キーになるのは「gender identity」という単語です。これは「性自認」という訳語で定着しています。しかし...この「性自認」、 自分の性をどのように認識しているのか,どのような性のアイデンティティ(性同一性)を自分の感覚として持っているかを示す概念です。 「こころの性」と呼ばれることもあります。 と、一般に定義されるわけなのですが、実はこれ

          性自認とは何か?

          性別移行のリスクとデメリット

          元記事:http://blog.livedoor.jp/kozuesug/archives/52330726.html コロナワクチンの副反応でオドかされている今日この頃、ですから医療というもの自体の「メリット」「デメリット」の比較衡量について考えることがあるわけです。医療によってQOLが「改善」する面があるのはもちろんですが、「運が悪かったね」と思うしかない、確率的に避け得ないリスクや、「効き目・改善」の反面、思ってなかったデメリットもあるわけです。何事もそうですが、いい

          性別移行のリスクとデメリット

          今は私みたいなのはレア?

          *元ブログ側にはない記事も、書かないと....自己紹介を兼ねての過去話です。 「性転換は、恥ずかしいか?」を書いていて思ったんですよ。今更の「自分語り」したくなった理由って、やっぱり 今は私みたいなのはレア という想いもあるんです。たとえば、 40歳で大阪医大のジェンダークリニックを初診で訪れたときに、最初から女装で完パス状態。ホルモンなしで、そのまま女性で通るけど、ニューハーフでもなくただのパートタイマー という人、今いないでしょう? 「今いない」のがもちろん、良

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          GID中核群

          元記事:http://blog.livedoor.jp/kozuesug/archives/52331343.html おばさまは医療の専門家ではありませんから、あくまでもトランス文献での「扱われ方」と自分の体験だけで書こうと思うのです。まあ、私の考えとしては、単に臨床的に「性別適合手術(SRS)に向いた症例を、GIDのサブタイプとして呼ぶのなら、中核群」であり、「性別適合手術(SRS)を希望しないグループ」を「周辺群」と呼ぶ、くらいの定義で十分だとは思うのですよ。単なる操

          GID中核群

          能町みね子主義

          元記事:http://blog.livedoor.jp/kozuesug/archives/52331836.html 新聞見てたら、「相撲通 能町みね子さんと見る政界秋場所」という記事が目につきました。 のうまち・みねこ 1979年北海道生まれ、茨城県育ち。ラジオやテレビのトーク番組でも活躍し、大相撲の本場所開催中はNHKで解説を務める。「週刊文春」で「言葉尻とらえ隊」を連載中。近著に連載をまとめた「そのへんをどのように受け止めていらっしゃるか」(文春文庫)の他、「結

          能町みね子主義

          性転換は、恥ずかしいか?

          元記事:http://blog.livedoor.jp/kozuesug/archives/52332392.html 1. スティグマ(烙印)ド直球で問いたいです。 でも話のマクラは、伊藤文學氏のオハコの思い出話ですからゲイの子の話ですけども、 悲劇的な出来事もあってね。九州の高校生がデパートの本屋さんで『薔薇族』を万引きしちゃって、親を呼ばれちゃったの。万引きしたっていうことよりも、『薔薇族』だということを親に知られた事がショックだったんだろうね。その高校生はトイレに

          性転換は、恥ずかしいか?

          Change.org でホルモン療法薬事承認キャンペーン

          元記事:http://blog.livedoor.jp/kozuesug/archives/52332911.html ずっとこの件で厚生労働省や製薬会社と交渉していた gid.jp、「日本性同一性障害・性別違和と共に生きる人々の会」が、Change.org でのキャンペーンを開始しました! Change.org: 性同一性障害に対するホルモン療法が保険適用になるよう薬事承認に協力してください いや実際、ちょっと手詰まり状態になっていたようです。ここで皆さんのお力を借り

          Change.org でホルモン療法薬事承認キャンペーン