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真宗寺 お寺の掲示板

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お寺の掲示板 【No.38/柊原のお寺・真宗寺/2024.4月】

お寺の掲示板 【No.38/柊原のお寺・真宗寺/2024.4月】

お寺はいのちの学校です ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

今年の柊原小学校の入学式は4月8日だそうです。折しも花祭りの日。釈尊の誕生が天上天下の美しい花々で寿(ことほ)がれたように、子どもたちの輝く未来へお祝いを申し上げます。

またぜひ、「いのち」について学んだり、考えたりするお寺のことももう1つの学校と思って来てほしいなと思います。

真宗寺では、30年

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お寺の掲示板 【No.37/柊原のお寺・真宗寺/2024.3月】

お寺の掲示板 【No.37/柊原のお寺・真宗寺/2024.3月】

バットエンドはない。僕たちは途中だ。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

芥川賞受賞作家で、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹さんの小説にこんな言葉がある。

「生きている限りバットエンドはない。僕たちはまだ途中だ。これから続きをやるのだ」

どうして、又吉さんはこのような力強い考え方が出来るのだろうか。それは、彼の芸人としての哲学・笑いの鉄則が根拠にあるからだ。
「人生にはいくつも理不尽なことや辛いことが必ず

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お寺の掲示板 【No.36/柊原のお寺・真宗寺/2024.2月】

お寺の掲示板 【No.36/柊原のお寺・真宗寺/2024.2月】

絶餮棄欲 絶忿棄瞋 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

聖徳太子が定めた『十七条憲法』のなかの一節。

5条目の「餮(むさぼること)を絶ち、欲(ほしいまま)にすることを棄てて」と、

10条目の「忿(こころのいかり)を絶ち、瞋(おもえりのいかり)を棄てて」

の抜き出し。

インド発の仏教がいつの時代に日本へ伝わったかというと、諸説ありますが、552年説と538年説があります。年代を新しい方から記したのは語

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お寺の掲示板 【No.35/柊原のお寺・真宗寺/2024.1月】

お寺の掲示板 【No.35/柊原のお寺・真宗寺/2024.1月】

真宗に学ぶ以前勤めていたお寺で開催されていた「真宗入門講座」。そのキャッチコピーが「真宗に学ぶ」だった。そしてご講師が「《真宗を学ぶ》ではなくて、《真宗に学ぶ》ということが極めて大事なことなんです」とおっしゃった。

ある言葉と出会ったとして、その言葉からどのような心境が開かれてくるのか。その言葉が自己においてどのように実現されているのか。ここにあらゆる学問の力点がある。

仏教の学習とは、対象を

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お寺の掲示板 【No.34/柊原のお寺・真宗寺/2023.12月】

お寺の掲示板 【No.34/柊原のお寺・真宗寺/2023.12月】

いかなる生物生類であっても、怯えているものでも強剛なものでも、ことごとく、長いものでも、大きなものでも、中くらいのものでも、短いものでも、微細なものでも、粗大なものでも、目に見えるものでも、見えないものでも、遠くに住むものでも、近くに住むものでも、すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、一切の生きとし生けるものは、幸せであれ。

この言葉は『スッタニパータ』というお経にの一節で

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お寺の掲示板 【No.33/柊原のお寺・真宗寺/2023.11月】

お寺の掲示板 【No.33/柊原のお寺・真宗寺/2023.11月】

味というのは身をとおすということですね。
 つまり味は説明してみようがない。

宮城顗という先生の言葉。真宗はただの形而上学ではなく、真宗を内面化することの重要性が説かれています。真宗とは体験であり、運動であり、生活なのです。

別の言い方をすれば、「親鸞を学ぶ」という態度と共に、「親鸞に学ぶ」、「親鸞に(自己を)(人生を)学ぶ」という機軸が必要なのでしょう。

また、曽我量深という先生が『親

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お寺の掲示板 【No.32/柊原のお寺・真宗寺/2023.10月】

お寺の掲示板 【No.32/柊原のお寺・真宗寺/2023.10月】

読書の秋 文化の秋
     寺参りの秋 聞法の秋

「読書の秋」の由来を知っていますか?

そもそも秋は気温が穏やかで活動しやすく、集中力も持続しやすい季節で、夜が長く一人静かに過ごせる時間も増えて、読書もはかどる時季です。

加えて、秋には「読書週間」があります。
「読書週間」は、アメリカの「チルドレンズ・ブック・ウィーク」という、子供たちに本に親しんでもらおうという運動を参考に、「読書の力に

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お寺の掲示板 【No.31/柊原のお寺・真宗寺/2023.9月】

お寺の掲示板 【No.31/柊原のお寺・真宗寺/2023.9月】

ただいま悪人談合中! 
   他力本願まっさかり! 
      いざ人生を諦めろ!

一見、お寺の入り口にこんな言葉が書かれていたらギョッとするでしょう。「悪人」「他力本願」「諦める」……

これらの言葉の味わいについては、むかえるお彼岸の法要の際、ご法話としてお話しするつもりで、お読みいただいた方は、ぜひ有縁のお寺様に、これらの言葉はどういう意味ですかと聞いてみていただきたいなぁと思います。

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お寺の掲示板 【No.30/柊原のお寺・真宗寺/2023.7月】

お寺の掲示板 【No.30/柊原のお寺・真宗寺/2023.7月】

【掲示板の言葉】

ご宗旨も 野球の推しも 大谷派 真宗寺は「真宗」という宗派です。そのまんまのお寺の名前ですね。もったいないとも思うし、捻りがないとも思います…。

自作のプリントなどに「真宗寺」と「真宗寺院」というワードがどちらも入っていることがあるのですが、慣れていらっしゃらない方は必ず混乱されます…😖

しかし、寺名に「真宗」という名乗りをいただくほどに、柊原のご先達が、当に切に「真宗」

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お寺の掲示板 【No.29/柊原のお寺・真宗寺/2023.6月】

お寺の掲示板 【No.29/柊原のお寺・真宗寺/2023.6月】

【掲示板の言葉】

「仏よ ほとけ この世で一番尊い人は誰?」「それはあなたでございます」
と、仏は仏前の人に必ずそう答えるのであった…


● 白雪姫の話みたいに、鏡に「鏡よ鏡、この世で一番美しい人は誰だい?」と聞いてみて、誰しもに「それはあなたでございます」と答えてくるならば、それはなんとも八方美人な鏡ですね。

映る人も映す鏡も、そういう意味でどちらも「美人」……。

一方で、仏の眼が映す

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お寺の掲示板 【No.28/柊原のお寺・真宗寺/2023.5月】

お寺の掲示板 【No.28/柊原のお寺・真宗寺/2023.5月】

【掲示板の言葉】

生は偶然 死は必然
大阪の圓乗寺の多田孝圓先生の言葉。
私が大谷高校在学中、講演に来られた先生が、さきの東日本大地震を踏まえておっしゃった言葉です。

人が亡くなった時、病死とか事故死とか災害死とか、死因を様々いいますが、本当は、それらは死の「縁」であり、本当の死の「因」は「生まれたから死ぬ」わけであります。

誰しも、この世に生まれ出たことは、自分の意思ではなく、たまた

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お寺の掲示板 【No.27/柊原のお寺・真宗寺/2023.4月】

お寺の掲示板 【No.27/柊原のお寺・真宗寺/2023.4月】

【掲示板の言葉】

梅こぼれて 桜散る 牡丹くずれて 菊は舞う
椿は落ちて 朝顔しぼむ
紫陽花しおれて 李はだれる 雪柳吹雪いて 花のおわり
では人如何(いかん) なんと云う
この人生という 花のおわりを

日本語は自然に対して豊かな表現を持っています。
花の終わりを言う表現でも、上記のような、美しい言葉がさまざまあります。

花は潔さげな花もあれば、甘い香りを放ちながら腐爛する花、冬枯れ色褪せ

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お寺の掲示板 【No.26/柊原のお寺・真宗寺/2023.3月】

お寺の掲示板 【No.26/柊原のお寺・真宗寺/2023.3月】

【掲示板の言葉】

我が敬うところの仏は「間違えるな」とは言われずに、「人間は間違うものだ」と言われている
先月の言葉に関連づいた言葉とお話です。

先月は、仏様にもいろいろおられ、その中で阿弥陀仏は、我々に対し、「それはおかしい」と言われているのではなく、「それはかなしい」と言われ、その悲しみ目掛けて慈悲を回(めぐ)らされると述べました。

また、その時のお愉しは、「人生の様々な問題を、どうぞ間

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お寺の掲示板 【No.25/柊原のお寺・真宗寺/2023.2月】

お寺の掲示板 【No.25/柊原のお寺・真宗寺/2023.2月】

【掲示板の言葉】

「おかしい」って言ってんじゃない。「かなしい」って言ってんだ
仏様にもいろいろおられます。
厳しい仏。優しい仏。
励ます仏。慰める仏。
動き回る仏。ただいる仏。
秘密の仏。あきらかな仏。

阿弥陀仏にだって色々な顔があります。

けど私の帰命(きみょう/信じて敬い順ずること)する阿弥陀仏は、我々のことをみそなわし、おさとしを示す時、「それはおかしい」と言われているのではなく、「

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